2013.4.13 05:04

必死の一打!阪神・新井、先制お膳立て

新井は二回無死一塁で左前打を放ったが…。あとの3打席で凡退し、復活をアピールできなかった(撮影・山田喜貴)

新井は二回無死一塁で左前打を放ったが…。あとの3打席で凡退し、復活をアピールできなかった(撮影・山田喜貴)【拡大】

 (セ・リーグ、阪神2-0DeNA、1回戦、阪神1勝、12日、甲子園)バットを強く握りしめ、視線をマウンド上へと向ける。その険しい表情からは、必死さが伝わってきた。自らの立場は理解している。結果を出す-。新井が第1打席で左前打。好機拡大の一打を放ち、先制点をお膳立てした。10打席ぶりに「H」ランプだ。

 「いつも通り、普通に打席に入った。普通に打ったよ」

 二回無死一塁。DeNA先発・高崎の2球目、高め131キロのスライダーを引っ張り、左前へと弾き返す。一死後、藤井彰の先制打へとつながった。試合後は普段と同じく、淡々と振り返った。それも当然。その後の4打席では、いずれも凡退。打率で言えば・120まで低迷した。

 7日の広島戦(マツダ)から5試合連続で「6番・一塁」で先発出場。しかし、これは開幕4番の弟、新井良が負傷離脱中のためだ。このままの成績では、復帰すればまたベンチへと追いやられる可能性が高い。左ふともも裏を痛めた良太はシート打撃を開始するなど順調に回復中。兄がスタメン奪取へ、アピールが出来る“リミット”は残り少ない。

 数日前からは水谷チーフ打撃コーチに助言をもらい、打撃フォームに改良を加えた。構えたバットを少し投手側へと傾けるというもの。新フォームに元4番は「体の近い位置に構えて、その方がリラックスが出来る」と手応えを感じ始めている。

 チームは4試合連続完封と好調。主砲は「続けていきたいね」と力を込めた。良太は16日にも1軍復帰する。新井に残された試合は「2」。もう過去の名前は通用しない。レギュラーを死守するためには結果を出すしかない。(西垣戸理大)

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(紙面から)