ゼノ様だよー!!!γ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ
Episode.1
???「『プリンセス』がこんなところで何をしているんですか?」
「……っ」
誰かの腕に抱きとめられ、私は驚いて顔を上げた。
(この人は、もしかして……)
その優しい笑みには、どこか見覚えがある。
「……ロベールさん!?」
ぎゃーーーー(((( ;°Д°))))w
ロベール「ああ、やっぱり○○ちゃんだね?」
ロベールさんは幼い頃、私の近所に住んでいた、
絵画を学ぶかたわら、子どもたちに勉強を教えてくれていた人だった。
(随分前に行方不明になったって聞いていたけど)
(……本当にあの、ロベールさんなんだ)
「どうして、ここに……」
戸惑いを隠せないまま尋ねると、ロベールさんが答えてくれる。
ロベール「今はここで、お世話になっているからね」
宮廷画家として城にいるというロベールさんの変わらない優しい声音に、
私は微かに息をのんだ。
(ロベールさんになら、相談出来るかもしれない)
「実は、私……」
そうして事情を説明すると、ロベールさんが息をつき手を離してくれる。
ロベール「私には、プリンセスを止める権利はないみたいだね」
ロベール「それに、○○ちゃんを応援しているから」
見逃してくれたロベールさんが、再びにっこりと微笑んでくれた。
ロベール「気をつけて」
「はい、ありがとうございます……!」
小さく頭を下げると、私はドレスの裾を持ち、駆けていった。
走り去る○○の後ろ姿を見送るロベールが、
一人笑みをにじませたまま、呟く。
ロベール「不思議な巡り合わせだね、○○ちゃん」
吹きこんだ夜の風が、その髪をただ揺らしていた…。
どうでもいいんだけどさ、
この人の本編で名前を呼び捨てにされるのかなって思ったら
寒気がした(・∀・)w
教え子に会うために城下に向かった私は、無事に再開を果たしていた。
「…………」
(少しだけしか話せなかったけど、伝えることが出来てよかった……)
一人たどる帰り道に人影はなく、
月灯りのつくる影だけが地面に伸びている。
私はふと、城下まで送ってくれたユーリの言葉を思い出した。
ユーリ「○○様、いい?」
ユーリ「馬車をこっそり、街に近い森の入口につけておくから、」
ユーリ「夜が明けないうちに、必ず帰ってきてね」
「森ね……わかった。ありがとう、ユーリ」
告げると、ユーリが目を細めてささやくように言った。
ユーリ「必ず、帰ってくるんだよ?」
(あそこだ……)
私の視線の先には、森の入口が見えている。
(これ以上、ユーリに心配はかけられない)
(急がなくっちゃ……)
私は暗闇に浮かぶ月を見上げ、足を速めていった…。
森の入口に足を踏み入れると、私は辺りを見渡した。
(馬車は、どこに止めてあるんだろう……)
静寂の中には、風に揺れる木々のざわめきだけが響いている。
馬車を探す私の胸に、わずかな不安が灯った時…。
「え……?」
背中近くの茂みが、ガサガサと音を立て始めた。
「……ユーリ?」
(でも先に、お城に戻っているはずだよね……じゃあ)
え、ユーリ帰ったの!?
馬車だけ残されてこの姫どうするんよ(゜д゜;)
茂みのざわめきは、さらに近づいてくる。
「……っ」
私は振り返り、不安に息を呑んだ。
(誰なの……?)
振り返り目を凝らすと、茂みの中から何人かの人影が現れる。
「……!」
野盗1「ん……?女じゃねえか」
ゼノ様だと思ったでしょ?
残念でした(・∀・)w
それは辺りで噂される、野盗のような風体男たちだった。
野盗2「いい格好してんな……」
にやりとした笑みを浮かべ、男たちが近づいてくる。
その姿に血の気が引き、私は自然と後ずさっていた。
(逃げなくちゃ……!)
思うよりも先に、私の脚は踵を返し駆けだしていく。
野盗1「おい、待て……!」
「……っ」
後ろから怒号が聞こえ、男たちが森を踏みわけながら追いかけてきた。
ドレスの裾を持ち、私は必死に森の奥へと進んでいく。
この姫、勇ましいな\(^O^)/
(こんな所で、捕まるわけにはいかない)
(私には……)
私の脳裏に、ジルの言葉と真っ直ぐに向けられた視線が蘇ってきた。
―ジル「貴女なら、きっとふさわしい人間を選ぶ」―
―ジル「そう思ったから、私は貴女を選んだのです」―
(やらなくてはいけないことが、あるから……)
必死に走り続ける足はもつれ、私は何度も転びそうになってしまう。
そしてついに木の根に躓き、私の身体が茂みから飛び出していった。
「あ……っ」
膝がつき、私は両手を地面についてしまう。
「…………」
(早く、立ち上がらなくちゃ……)
乱れた息のまま顔を上げた、その時…―。
顔を上げたその先に、大きく月が浮んで見える。
その目の前に、浮かび上がるような人の影が見えた。
???「…………」
ゼノ様ーーーー(*ノωノ)♡♡♡
「…………」
その瞬間、胸の鼓動が微かに音をたてて跳ねた…。
月を背に立つ見知らぬ男の人が、黙ったまま私を見おろしている。
風が吹き、揺れる髪が頬を撫でていった。
「あ、あの……」
地面に手をついたまま息を呑み、私はその人の姿を見上げる。
鼓動が、喉の奥をぎゅっと締め付けるように鳴った。
(何だろう、これ……)
初めての感覚に戸惑い、私は動けないまま目を瞬かせる。
その時…―。
目の前の男の人が手を伸ばし、私の腕に触れる。
(え……?)
そのまま強く引き寄せ、私の身体を起こした。
***スチル***
え、1話からスチル!?
嬉しいけど、この後の楽しみがなくなった…(ノω・、)
「……っ」
腕に感じる指先の感触に、私は目を丸くする。
思わず顔を上げると、男の人が私の顔を覗きこんでいた。
???「どうした、立てないのか?」
低く響く綺麗な声に、鼓動が高鳴ってしまう。
「い、いえ……あの」
???「…………」
そのうちに掴まれた腕に視線を感じ、私は小さく息を呑んだ。
(あ……)
私の身体の細かい震えが、腕を通して伝わってしまっている。
(そうだ、早く逃げないとこの人まで巻き込まれてしまう……)
考えたその瞬間、後ろの茂みからあの野盗たちが現れた。
「……!」
???「…………」
私の腕を離し、男の人が黙ったまま野盗へと視線を向ける。
野盗1「お。こっちにも身なりのいい奴がいるな」
いやらしく笑う野盗たちが、私たちを囲いこんでいった。
???「……野盗か」
呟き、男の人が小さくため息をつく。
???「治安が良いというウィスタリアとはいえ、この状況では仕方がないな」
(え……?)
小さくため息をつき、男の人がゆっくりと野盗たちに視線を寄せる。
???「…………」
野盗1「……っ」
眼帯に片目は隠れているというのに、感じる鋭い視線に空気が凍りついた。
びくりと肩を揺らし間合いをとる野盗たちに、男の人が告げる。
???「こちらから危害を加えるつもりは無い」
低く澄んだその声音からも、気迫が伝わってきた。
低いだけじゃないんだって!澄んでるんだって!!←落ち着け
(この方は、一体……)
゚・*:.。..。.:*・゚ 選択肢 ゚・*:.。..。.:*・゚
A:隠れて立つ
(今はとにかく、足手まといにだけはならないようにしよう……)
「…………」
男の人の背中に隠れて立ちながら、私も息を呑む。
B:服の裾を握る
(……でも今は、この方に頼るしかないんだ)
「……っ」
男の人の服の裾に手を伸ばし、きゅっと握り締めた。
C:声をかける
(結局、巻き込んでしまうなんて……)
「…すみません…」
私の呟きにも答えず男の人は黙っていた。
゚・*:.。..。.:*・゚ 選択肢End ゚・*:.。..。.:*・゚
私は鼓動が高鳴るまま、身動きも出来ずにいた。
野盗1「…………」
短い沈黙の後、リーダーらしき男の一人が呟く。
野盗1「……引け」
その一言を合図に、野盗たちはその場を去っていった。
「……っ」
(きっとこの人には敵わないって、わかったんだ……)
???「…………」
見上げると、男の人はそのままその場を後にしようとする。
「ま、待ってください。あの……」
慌てて声をかけると、男の人が静かに振り返った。
そして、何事もなかったかのように静かな声で言う。
???「向こうの茂みに馬車が止まっていたが、あれはお前を待っているのだろう」
???「早く行ったほうがいい」
「え……」
男の人の視線を追い、私はわずかに顔を横に向ける。
そして次に視線を戻した時には、そこに男の人の姿はなかった。
「…………」
私はしばらくの間立ちつくしたまま、
鼓動が跳ねる胸の前でぎゅっと、手を握り締めていた…。
End
予告はこれからカット。めんどくさい(^q^)w
あのね、ゼノ様の最初の彼目線1話目なんだけど!
早く出さねば!!!(・ω・´)