予告がすごく気になったから…さ(・∀・)
ゼノ「名を呼ぶことに、何か意味があるのか?」
「…………」
ゼノ様の言葉に、私は微かに息を呑んだ。
冷えた風が、胸の痛みに触れる。
「いえ、ただ名乗らせて頂きたかっただけですから」
私は微笑み、ゼノ様を見つめ返した。
「戻りましょう、ゼノ様」
そして城に戻った、その夜…―。
私はベッドの中で、うつぶせになっていた。
「…………」
ふとした瞬間に、今日の出来事を思い出してしまう。
―「私の名は、○○といいます」―
―ゼノ「名を呼ぶことに、何か意味があるのか?」―
「……っ」
私は枕をつかみ、そのまま仰向けに寝転がる。
(何であんなことを言ってしまったんだろう)
私はぎゅっと目をつぶり、両腕で顔を隠した。
(すごく、恥ずかしい……)
まあ、冷静に考えるとすごく恥ずかしいよねww
私まで恥ずかしくなってきた(*ノдノ)
翌朝、私はゼノ様を見送るため廊下を急いでいた。
(最後までプリンセスとして、見送ろう)
(あの思い出は、胸にしまって……)
胸の痛みを感じながらも、私は顔を上げる。
そうして急ぎ角を曲がると、ばったりとゼノ様に会った。
ゼノ「…………」
「ゼノ様……」
私は慌てて、ゼノ様を見上げる。
゚・*:.。..。.:*・゚ 選択肢 ゚・*:.。..。.:*・゚
A:……っ
「……っ」
ゼノ「見送りは、必要ない」
ゼノ様の低い声音に、私は黙ったまま息を呑んだ。
B:どうかされました?
「……あの、どうかされましたか?」
ゼノ「お前を探していた」
ゼノ様が告げ、目を細めた。
C:お見送りを…
「お帰りになると聞いたので、お見送りを……」
ゼノ「必要ない」
告げるゼノ様が、ぴくりと肩を揺らす私の姿にわずかに目を細めた。
゚・*:.。..。.:*・゚ 選択肢End ゚・*:.。..。.:*・゚
ゼノ「……次は、お前がシュタインに来るといい」
ゼノ様の声が、低く響いてくる。
(え……?)
ゼノ「正式に使者を送ろう」
ゼノ「シュタインは、ウィスタリアのプリンセスを王籍に迎えたいと考えているからな」
Σ(〃д〃)
「え……」
(今、何て……)
思いがけない言葉に、私は小さく目を見開いた。
「それ……は、どういうことでしょうか」
ゼノ「言葉の通りだ」
ゼノ「……それ以上に、何がある」
静かな廊下に、ゼノ様の声だけが通っていく。
(言葉の通りということは、もしかして……)
婚姻という言葉が頭をよぎり、私は小さく首を横に振った。
婚姻!婚姻!!
大事なことなので2回言いましたよー(・ω・´)
「…………」
ますます混乱する頭を静めるように、視線を落とす。
「……でも、私は…」
―ジル「貴女なら、きっとふさわしい人間を選ぶ」―
―ジル「そう思ったから、私は貴女を選んだのです」―
(この国の王様を選ぶという、役目がある)
(それに……)
ゼノ「…………」
考えすぎたせいか青ざめた私の頬を見おろし、ゼノ様が息をつく。
ゼノ「少し休んだほうがいいようだな」
そして私とすれ違うように、廊下を歩いていった。
ゼノ「まだ出発までは時間がある。お前の部屋は、こちらだったな」
「あ……でも」
(もしかして、送ってくれようとしているの……?)
戸惑うまま瞳を揺らすと、ゼノ様が私の目をじっと見つめる。
ゼノ「話の続きが、あるだろう。部屋で訊く」
話すべきなのはゼノ様なんじゃないの?(・∀・)←言うな
「……っ」
見透かしたような言葉と視線に、鼓動がなった。
そうして私はゼノ様の少し後ろについてゆっくりと歩き、
自分の部屋へと、戻っていった…。
部屋に入ると、私は静かにドアを閉めた。
「あの……」
私の声が、静寂に包まれた部屋へと落ちていく。
「ゼノ様、さっきのお話は……」
尋ねると、ゼノ様が静かに振り返った。
ゼノ「言っただろう。シュタインとして正式な婚姻の申し入れのことだ」
目を細め、淡々とした口調で告げる。
ゼノ「……お前もプリンセスならば、このような婚姻は予想できただろう」
「…………」
ゼノ様の言葉に答えることが出来ないまま、私は息を呑んだ。
(確かにプリンセスは国の代表、政略結婚もありえるって聞いたけど……)
そして、レオに教えてもらったことを思い出す。
―レオ「プリンセスは現状、ウィスタリアの唯一の顔だからね」―
―レオ「力を持った他国との婚姻を望む声も、あるみたいだよ」―
(あの時は、レオの話をただ聞くだけだった)
(でも……)
私は唇をそっと開き、ゼノ様に尋ねた。
「……ゼノ様は、良いのですか?」
ゼノ「ん?」
ゼノ様の「ん?」が好きだ!(`・ω・´)♡
ゼノ様の形良い眉が、ぴくりと動く。
「城下ではみな、好きになった人と結婚をしていますので、気になって……」
私は話しながらも、昨日ゼノ様と回った城下でのことを思い出す。
その中には恋人や、仲の良さそうな夫婦、家族の姿もあった。
(みんな自分で選んだ相手と、幸せそうだった)
ゼノ「…………」
するとため息をつき、ゼノ様が言う。
ゼノ「それが、どうした」
うはwどこぞの王子に似てる\(^O^)/
その声が重く低く、私のお腹あたりに落ちてきた。
「…………」
長い沈黙の後で、ゼノ様が何も言わないまま部屋を出ていこうとする。
ドアの横に立つ私はただ、顔をうつむかせるしかなかった。
(私には、ゼノ様が何を考えているのかわからない……)
ゼノ様の手がドアノブを握ると、微かな金属音が部屋に響く。
ゼノ「…………」
押し開こうとした瞬間、ゼノ様がぴたりと動きを止める。
そして黙ったままの私を見おろし、ゼノ様が言った。
ゼノ「国が好きだと言ったな」
「……え?」
私は顔を上げ、ゼノ様の視線に城下での光景を思い出す。
―ゼノ「……いい国だな」―
―「はい……私は、この国が好きです」―
(あの時の……?)
ゼノ「あの言葉……俺も共感を覚えた」
ゼノ様が呟くように言い、それからゆっくりと目を細めた。
ゼノ「悪いようにはしないと、約束しよう」
優しい…(・ω・`)♡
「あ……」
片方だけ見えたその目には、確かに一片の嘘も感じられない。
(ゼノ様は、心の底からそう言ってくださっているんだ)
(シュタインの、国王として……)
「…………」
ゼノ「…………」
黙ったまま見つめ合うと、心臓の鼓動だけが時を刻んでいく。
ゼノ「決断は、ウィスタリアに任せる」
そして今度こそドアを開き、ゼノ様は去っていってしまった。
「…………」
部屋に一人残った私は、ため息をつく。
静かに窓辺に近づくと、大きく窓を開いた。
(ゼノ様と婚姻を結ぶ……そんなこと、考えたこともなかった)
カーテンを舞い上げる風が、私の髪を乱す。
唇を開くと、私は大きく息を吸いこんだ。
(○○としてではなく)
ゼノ様の姿が、脳裏をよぎり私はゆっくりと瞬きをする。
(この国のプリンセスとして決断をしなくちゃ……)
ゼノ様がウィスタリアを去った、その数日後…―。
シュタインからの正式な書面が送られてきた。
「…………」
(やっぱり、ゼノ様は本気だったんだ……)
婚姻を申し入れる文書を手に、ジルが呟く。
ジル「まったく、シュタインが何を考えているのか分かりませんね」
書面を机に置くと、隣に立っていたレオも苦い笑みを浮かべていた。
レオ「ほんと、謎の国だよねー」
ジルとレオを前に、私は何も言えずにいる。
そんな私を見おろし、ジルが告げた。
ジル「今後この婚姻を機に、シュタインが国交を開く可能性はあります」
ジル「大国と関係を結ぶことは、ウィスタリアにとっても有益です」
レオ「そうだね。プリンセスが他国と婚姻を結ぶことはおかしいことではないし……」
レオが腕を組み、ちらりと私を見おろす。
レオ「あとは、○○ちゃんの決断次第ってことだよね」
「…………」
レオの言葉に、私はようやく目を上げる。
するとジルとレオ、二人の視線が私へと注がれていた。
ジル「どうされますか?プリンセス」
ジルに促され、私は静かに口を開く。
「私は……」
―ゼノ「どうした、立てないのか?」―
―ゼノ「……何でも話せ。構わない」―
―ゼノ「気がまわらなかった。次からは別に服を用意しよう」―
(……もう、心は決まってる)
(たぶん、最初から)
閉じていた目を開くと、私は口を開き告げた。
「……シュタイン王国へ、行きます」
End
ってことでいってきまーす(・v・)ノ