美羽のにゃんにゃん物語

イケメン王宮×王子様のプロポーズSeason2
次世代を担う異種混合プリンセスブログ……かもしれない(・∀・)

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シュタインとの婚姻の話を進めるため、

私はシュタイン王国へと招かれて行くことになった。

新しいワンピースに着替えて城の外に出ると、そこにはジルの姿がある。


「ジル……」


ジル「私はこちらで片付けることがありますので、すぐには向かえませんが、」

ジル「ユーリがシュタインでも変わらずあなたの側にいますので、安心してください」


ジルの言葉に、私はしっかりと頷き答えた。


「はい……」


(ジルがいないと、不安な部分もまだたくさんある。でも……)


そして側に控えていたユーリに視線をむけると、笑みを浮かべる。


「よろしくね、ユーリ」


(ユーリがいてくれるというだけで、心強い)


ユーリ「……うん」


けれど答えるユーリの声に、どこか元気がない。

私はその顔を覗きこみ、尋ねた。


「顔色悪いけど、大丈夫?」


すると驚いたように目を瞬かせたユーリが、いつもの笑みを浮かべる。


ユーリ「心配してくれてありがとう。大丈夫だよ」







そして私は馬車に乗りこみ、シュタインへと向かうことになった。

ふと窓の外を眺めると、そこには城下の市場が見える。


(ここをゼノ様と歩いただなんて、何だか信じられないな……)


窓枠に手をつくと短く息をつき、その時のことを思い出していった。







それはゼノ様に頼まれ城下を案内していた時のこと…―。


ゼノ「随分、活気があるな」


感心した様子で呟き、ゼノ様が辺りを見渡している。


「…………」


(こんなところにゼノ様が立っていらっしゃるなんて、)

(やっぱり、変な感じがする)


道を歩く人々もみな、ゼノ様に注目しているようだった。


(そうだよね。こんな綺麗な方、城下にはなかなかいないから)


さらにゼノ様から溢れる気品や威厳は、隠しきれるものではなかった。


(みんな、びっくりしているだろうな……)


考えていると、私はふと気づき辺りを見回す。


「あれ?アランは……?」


先程まで私の後ろについていてくれた、アランの姿がない。


ゼノ「アルバートも姿が見えないな」


同じように振り返るゼノ様が、呟いた。


ゼノ「はぐれたのか」


(こんな人混みだから、仕方がないかも……)


私は少し道を外れた路地裏を指さし、ゼノ様に言う。


「あそこで少し待ちましょう。人も少ないし、この道もよく見えますから」


私としては見つからなくてもいいんだけど(・∀・`)


そうして私はゼノ様と共に、アランとアルバートを待つことになった。




市場の喧騒に紛れ、私たちはただ黙ったまま立っていた。

ふと見上げると、ゼノ様はまだ興味深そうに人々を眺めている。


ゼノ「…………」


(ずっと黙っていらっしゃるけど……)

(なんだかゼノ様が、楽しそうで良かった)


楽しそうなゼノ様萌え(*ノωノ)♡


不思議と居心地の悪くない沈黙に、私は口元をほころばせた。

すると、その時…―。

路地裏の奥から、元気よく子どもたちが走って来る。

何のためらいもなく近づいてくるその様子に、思わず動けずにいた。


(あ……ぶつかる)


思った瞬間、肩を引き寄せられる。


「……っ」


きゃーーー(///∇//)


驚き見上げると、すぐ近くにゼノ様の顔が見えた。

肩先にわずかに触れた指先の力に鼓動が大きく跳ね、私は息を呑む。


「あ、ありがとうございます……」


慌てて言うと、ゼノ様の手はするりと肩から離れていった。


ゼノ「ああ……」


子どもたちの後ろ姿を見つめたまま、ゼノ様が呟く。

その視線を追い、私はふっと笑みをこぼした。


(こんな風に、ウィスタリアの元気なところを見せられてよかった)


考えていると、いつのまにかゼノ様が私のことを見おろしている。


ゼノ「……お前はよく笑うな」


「え?」


思わず声をあげると、ゼノ様の視線が再び道の方へと向いた。


ゼノ「良い環境で育ったのだな」


「……ゼノ様?」


(どういう、意味だろう……)


その時、道の方から私たちを呼ぶアランとアルバートの声が響いてきた。


いいところで邪魔してー(・ω・´)メッ←







ユーリ「○○様……○○様」


ユーリの呼び声に、私ははっと顔を上げた。


「……っ」


ユーリ「もうすぐシュタインに着くけど……大丈夫?」


いつの間にかユーリが、私の顔を覗きこんでいる。


(考え事をしていたから、気が付かなかった……)


窓の外の景色はいつの間にか代わり、シュタイン城を映していた。

ふと視線を向けると、ユーリもどこか不安そうに眉じりを下げている。


(ユーリに、心配をかけるわけにもいかないよね)


私は首を横に振り、笑みを浮かべてみせた。


「……うん、大丈夫」


ワンピースの上に手を置き、私はゆっくりと頷く。

そして顔を上げると、もう一度窓の外を見つめた。


(少しずつでもいい)

(ゼノ様のことを、わかっていけたらいいな……)




End




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