びっくらした(・∀・)
Episode.3
シュタインに到着すると、私はあてがわれた部屋で少し休んでいた。
綺麗に整えられた部屋には、わずかに開いた窓から風が吹きこんでいる。
ユーリ「とりあえず滞在は十日間だけだけど……」
ユーリ「何か不安なことがあったら、すぐに俺に言ってね」
ユーリの真面目な声音に、私は笑みを浮かべて答えた。
「うん、大丈夫だよ」
(あれ……?)
見上げると、ユーリの顔色が悪いことに気がつく。
(何だか、シュタインに着いてから様子がおかしいみたい)
「ユーリこそ、どうしたの?」
ユーリ「え?」
「何か、あ……」
言いかけたその瞬間、部屋のドアが丁寧に叩かれた。
???「ゼノ様がお呼びです、プリンセス」
(あ、この声は……)
返事をしながら椅子から立ち上がると、ユーリが呟く。
ユーリ「……アルバート…」
その呟きは小さく、私の耳に入ることはなかった。
呼び出された私は、ゼノ様の執務室を訪れていた。
目の前の机には、腰かけるゼノ様の姿がある。
ゼノ「何かあったら、すぐに周りの者に言ってくれて構わない」
「はい、ありがとうございます」
お礼を告げると、書類に落ちていたゼノ様の視線が上がっていった。
(……っ)
目が合うと、鼓動が大きく跳ねてしまう。
するとその緊張の隙間を縫うように、アルバートが告げる。
アルバート「九日目の夜には大々的な舞踏会が行われますので、」
アルバート「そのつもりでお願いいたします」
(舞踏会……?)
突然の言葉に驚きながらも、私はしっかりと返事を返した。
「わかりました」
執務室を出ると、私は深いため息をついた。
(舞踏会だなんて……ダンスもまだ上手く踊れないのに)
すると、一緒に廊下を歩いてくれていたアランが言う。
アラン「あんま考え過ぎんなよ」
アラン来てたんだΣ(・ω・ノ)ノ!
「……うん」
私は窓の外へと視線を向け、その空を見上げた。
(この十日間で、何か変われるかな……)
その頃のゼノの執務室には、部屋のドアを叩く、ある人物の姿があった。
ゼノ「…………」
ゼノが顔を上げると、低く声が響く。
ユーリ「……ゼノ様」
顔を上げたゼノが、答えるように目を細めた。
ゼノ「…………」
ユーリ「申し訳ありませんでした」
ユーリが深く頭を下げると、
ゼノの隣に立つアルバートが、大げさにため息をついてみせる。
アルバート「お前は、どれだけ勝手をしたのかわかっているのか?」
ユーリ「……わかってるよ」
頭を下げたまま、ユーリがはっきりと告げた。
ユーリ「俺がウィスタリアに行ったのにも理由はあるけど……」
ユーリ「こうなった以上、俺に出来ることは別にあると思う」
するとぴくりと眉を寄せ、アルバートが唸るような声をあげる。
アルバート「貴様、反省の色が……」
ゼノ「やめろ、アル」
遮られるアル1(・∀・`)
ゼノの一言で、執務室には重い静寂が落ちた。
ユーリの喉が、微かに鳴る。
ゼノ「顔を上げろ、ユーリ」
ゼノの声音が、静寂の中を低く深く響いていった。
ゼノ「この話は別の機会にじっくり聞こう」
ゼノ「今のお前は、ウィスタリアのプリンセスの執事だろう」
ユーリ「…………」
ゆっくりと顔を上げたユーリが、視線を伏せたまま返事を返す。
ユーリ「……はい」
そして踵を返し部屋を出ようとした瞬間、ユーリがわずかに振り返った。
ユーリ「…………」
ゼノを真っ直ぐに見つめると、尋ねる。
ユーリ「……ゼノ様は、○○様をどうするおつもりですか?」
ゼノ「…………」
ユーリの言葉に、ゼノが視線を返した。
ゼノ「王妃にするつもりだが?」
Σヘ(゚∀゚*)ノ←
するとふっと目を細め、ユーリが再び頭を下げて言う。
ユーリ「わかりました、ゼノ様」
そして、翌日…―。
忙しいゼノ様に代わり、アルバートが城の中を案内してくれていた。
アルバート「ここはゼノ様が好きな場所です」
「はい……」
(さっきから、ゼノ様のことばかり教えてくれるみたい)
自慢じゃないのか(^q^)w
(もっと、話をききたいな……)
「あの、アルバート……さん」
アルバート「あなたはプリンセスなのですから、呼び捨てで構いません」
アルバート「何か?」
アルバートを見上げ、私は口を開いた。
「お願いが、あるのですが……」
部屋に戻った私に、
ユーリがウィスタリアにいる時と変わらずにお茶を出してくれる。
ユーリ「どうぞ」
アルバート「…………」
そこには不機嫌そうに眉を寄せるアルバートの姿もあった。
「あの、どうかされましたか?」
尋ねると、アルバートが顔を背けながら答える。
アルバート「何とも、不快なものが目につくのでね」
ユーリ「あれ、それはおかしいですね」
お茶を注ぎ終えると、ユーリがにっこりと笑みを浮かべて告げた。
ユーリ「掃除は行き届いているはずですから、眼鏡が汚れているのでは?」
あははははははо(ж>▽<)y ☆
もうこの2人のやり取り、何回見ても最高!
アルバート「…………」
ユーリとアルバート、二人の間に何か険悪な空気が流れているのがわかる。
(あれ?この二人って……)
お互いをよく知っているような様子に、私は小さく首を傾げた。
二人はわざと視線を合わせないまま、それぞれ別の方向を向いている。
子どもかwww
「……?」
(でもまさか、そんな訳はないよね)
考えているうちに、アルバートが口を開いた。
アルバート「それで、あなたのお願いですが……」
「……あ。はい」
アルバートの言葉に、私は頷き答える。
「ゼノ様のお話を、もっと聞かせて頂きたいんです」
「国のことだけでなく、ゼノ様の人柄も知りたくて……」
アルバート「…………」
すると眼鏡をくいっと上げて、アルバートが言った。
アルバート「……かしこまりました。お話してさしあげましょう」
ほんとは自分から話したかったんじゃないの?(・∀・`)w
そしてお茶を飲みながら、私はアルバートの話を聞いていた。
アルバート「……ゼノ様は幼少期から全てが完璧でした」
アルバート「剣術、学問、絵画までもが……」
素敵…(・ω・`)♡
カップから唇を離し、私は尋ねる。
「絵画も描かれるのですか?」
アルバート「ええ、当時教師であった方が美術に長けた方で……」 微笑み
なるほど。それがロベールなわけですね!(・ω・´)
でもなんで今微笑んだ!?w
ユーリ「…………」
アルバートの言葉にユーリがわずかに目を細めた、その時…。
アルバートの話を聞いていると、その途中で部屋のドアが叩かれた。
ユーリがドアを開けると、そこにはゼノ様の姿がある。
ゼノ「…………」
「ゼノ様……」
思わず椅子から立ち上がると、ゼノ様がわずかに私へと視線を向けた。
ゼノ「……一緒にいられず、悪いな」
いえ、全然(・ω・`)♡
そうしてすぐに視線を逸らすと、アルバートを呼んだ。
ゼノ「アルバート……」
アルバート「はい」
アルバートはすぐにゼノ様の元へと向かうと、
話を聞き、私の方へと身体を向ける。
アルバート「それでは失礼、プリンセス」
「はい、ありがとうございました」
アルバートの一礼に応え頭を下げると、ユーリが口を開いた。
ユーリ「俺は新しいお茶をもらってくるね」
そうしてユーリとアルバートが去り、部屋には私とゼノ様だけが残される。
ユーリありがとー(*ノωノ)
緊張しているのか、私の胸の鼓動は高鳴るばかりだった。
ゼノ「…………」
ソファに座ったゼノ様を見つめ、私もそっと腰を下ろす。
するとゼノ様が、片腕で頬杖をつき私に視線を向けた。
ゼノ「何か不自由していないか?」
゚・*:.。..。.:*・゚ 選択肢 ゚・*:.。..。.:*・゚
A:とんでもない
「とんでもない、不自由なんかしていません」
ゼノ「……そうか」
私の言葉に小さく頷くと、ゼノ様が立ち上がる。
B:これ以上は…
「はい。これ以上は、言うことはないです」
ゼノ「なら、いい」
すっと目を細め、ゼノ様が立ち上がる。
C:いえ、何も
「いえ、何も……すごく、良くして頂いています」
ゼノ「……そうか」
どこか優しく目元をほころばせ、ゼノ様がゆっくりと立ち上がる。
゚・*:.。..。.:*・゚ 選択肢End ゚・*:.。..。.:*・゚
ゼノ「この後もすぐに行かなければならないが……」
ゼノ「最後の三日間だけが、予定を開けてある」
その言葉に、私は小さく息を吸いこんだ。
(お忙しいのに、時間をとってくださったんだ……)
「はい。ありがとうございます……楽しみにしています」
ゼノ「……ああ」
ゼノ様が背中を向け、ドアの方へと向かっていく。
そして部屋を出る直前、わずかに振り返り告げた。
ゼノ「何かあれば……」
ゼノ「……そうだな、大きな声で呼びかけろ」
「大きな声、ですか?」
ゼノ様の言葉に首を傾げると、ゼノ様がふっと息をついて言う。
ゼノ「そうだ」
ゼノ様が部屋を去ると、私はその言葉の真意を探り戸惑っていた。
(一体、どういうことだろう……)
そして、その夜…―。
ベッドに腰かけて髪を梳かしながら、私はため息をついていた。
(何だかシュタインに来てから、毎日が短く感じるな……)
(知らなくてはいけないことが、たくさんあるからかな)
部屋を照らす灯りが、わずかに揺れている。
「…………」
(それに……)
―ゼノ「何かあれば……」―
―ゼノ「……そうだな、大きな声で呼びかけろ」―
(ゼノ様が、いるからなのかな……)
考えながら、私はベッドに背中を預ける。
「…………」
ごろりと横に身体を倒すと、私は不意に気がついた。
(あれ……?)
部屋の中に、廊下に続くものとは違うドアを見つける。
(あのドアは、どこに繋がっているんだろう……)
私は静かに起きあがり、ベッドから降りていった。
そして、そのドアノブに手をかけた…。
ドアを開けるとそこには、もう一つの部屋が広がっていた。
(この部屋は……)
辺りを見渡していると、部屋のもう一つのドアが開く。
ゼノ「プリンセスか……どうした?」
「……!」
突然現れたゼノ様の姿に、私は驚き身体の動きを止めた。
「え……、あの…」
ドアノブを握ったまま息を呑む私の姿に、
ゼノ様が持っていた書類や本をテーブルに置きながら言う。
ゼノ「なんだ、気づいていなかったのか」
「……??」
(気づいてって……)
私は振り返り、自分の部屋とゼノ様の部屋との間で視線を行き来させる。
「まさか……」
私の頬が、かあっと熱を帯びていくのがわかった。
(部屋が繋がっているの……!?)
End
なんてオイシイ展開なんでしょ!
部屋が隣なんて、好きなことやり放題じゃーん(*ノωノ)
夜這いとか夜這いとか夜這いとか…←
あ、でもこの姫はもう夜這いしたことになりますか!?(・ω・´)