記者会見でプロ転向を発表した村田諒太は、ファイティングポーズを決める=東京・飯田橋のホテルグランドパレスで(中西祥子撮影)
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ロンドン五輪ボクシングミドル級金メダリストの村田諒太(27)が東京都内のホテルで記者会見し、プロ入りを正式表明した。三迫ジムに所属して世界王者を目指す村田に、国内最大手の帝拳ジムもマッチメークや練習場所の提供など全面協力していく。ボクシング界の至宝を業界全体でもり立てていく。
会見の冒頭で、村田が心の中で温めてきた思いの丈を吐き出した。
「金メダルで達成感があったのは事実。でも、子供のころの夢に挑戦したいという思いが込み上げてきた。ボクシングも野球やサッカーのように子供が憧れるスポーツにしたい。五輪で金メダルを取って世界王者になる日本人初の選手になりたい」
村田のプロ入りを主導したフジテレビが放映権を持っている三迫ジムに所属することも正式に発表。会見には帝拳ジムの浜田剛史代表も出席。ボクシング界の超大物育成のため、世界的なプロモート力、マッチメーク力を持つ帝拳も全面バックすることになったのだ。
「中量級は世界的に層が厚く、日本には練習相手もいない。海外で練習するプランもある。村田君は日本の宝。帝拳も最大限サポートしていく」と浜田代表は約束。同ジムで指導する、10人の世界王者を育てたキューバ人トレーナー、イスマエル・サラス氏が専属トレーナーになる。
スーパーウェルター、ミドル、スーパーミドル、ライトヘビー級の4階級での活躍を視野に入れる村田は「ボクはまだ、デビュー前のボクサー。組まれた試合をこなしていくだけ。でも、判定狙いのボクシングはしない。誰の目にも分かる、しっかりした形で決着のつくボクシングをしたい。何戦で世界王者になるかは言えないけど、プロに向いてるかどうか、2年で分かると思う」とキッパリ。フジテレビは16日19時から2時間の予定で怪物井上尚弥のプロ第3戦を生中継するが、村田のプロテストも同番組内で生中継される。 (竹下陽二)
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