ヒッグス粒子:複合粒子の可能性 名古屋大など実験

毎日新聞 2013年04月13日 11時31分(最終更新 04月13日 13時10分)

 質量を生み出す起源とされる「ヒッグス粒子」は、複数の未知の粒子が結合した「複合粒子」である可能性が、名古屋大素粒子宇宙起源研究機構を中心とするグループによるコンピューター計算実験で分かった。ヒッグス粒子は物質の最小単位である「素粒子」とされているが、グループの仮説が正しければ、素粒子ではなくなる。英エディンバラ大のヒッグスセンターで24日、発表する。

 グループは、ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英特別教授、山脇幸一特任教授、青木保道准教授ら10人。

 山脇特任教授によると、グループは、ヒッグス粒子が「複合粒子」という仮説を立てた。未知の粒子2種類が存在するとの前提のもと、スーパーコンピューターで計算上、この2粒子を結合させ、ヒッグス粒子と同じ性質を持つ粒子を組み立てることを試みた。

 2年間の計算実験の結果、質量などがヒッグスの性質に近い粒子を組み立てることに成功したという。グループはさらにデータを収集し、近く正式な論文を発表する。

 山脇特任教授は「かつては原子が最小単位だと考えられていたが、もっとも小さな電子や陽子、さらに素粒子が発見されたのと同じように、未知の世界につながるかもしれない」と話している。【花岡洋二】

 【ことば】ヒッグス粒子

 現代物理学の標準理論が予言する、全ての物質に質量を与える役割を担うとされる素粒子。1964年に英国のピーター・ヒッグス博士らが存在を提唱した。標準理論が予言する数々の素粒子のうちで唯一見つかっていなかったが、欧州合同原子核研究所(CERN、スイス・ジュネーブ)の大型加速器「LHC」を使った実験で存在がほぼ確認された。

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