「見切り発車」をして滑り出した車両が、方向も定まらぬまま加速し始めた格好だ。環太平洋連携協定(TPP)交渉への日本の参加について日米間の事前協議が合意に達したが、事実上、継続協議となる項目が残った。
そもそも影響度が全く見通せない分野も多いから、やはり見切り発車というほかない。政府は少なくとも、経済分野にとどまらない多岐にわたる影響の広がり、大きさを見定め、国民的議論を経た上で、参加の是非を判断してもらいたい。
TPPの交渉入りには参加国すべての了承を取り付けなければならない。参加しているのは11カ国で、うち7カ国は日本の参加を既に支持した。残りの豪州、カナダなども近く合意の見通しだから、米国との事前協議が山場だった。これで7月の日本の交渉参加が確実というが、拙速ではないか。
今回の協議では食品の安全基準を継続協議することになった。「TPP交渉と並行」して日米で協議するというが、それでいいのか。例えば遺伝子組み換え食品は、日本や欧州は表示を義務付けているが、米国には表示制度がない。政府は「米国がこれまで表示撤廃を求めたことはない」というが、今後も求めないとの保証はない。むしろ米国の巨大食品産業の利権を考えれば、撤廃を迫る可能性が高い。国民の生命にかかわる物事が外国に決められかねないのだ。
政府は「安全でない基準を認めることはない」というが、数々の日米交渉の実際を見れば噴飯ものだ。米軍基地を見ても、国民の安全は常にないがしろではないか。
保険分野も米国から条件が付き、かんぽ生命は数年間、新商品を凍結することになった。政府出資の信用力を後ろ盾にした業務拡大に米国の保険会社が懸念を抱いた結果だ。この業界の影響力を証明した感がある。米国の保険会社の市場開拓のため、日本の健康保険制度が解体させられないだろうか。
そもそも政府は、2年前に農水省が7・9兆円の打撃を受けると言っていたTPPの影響額を突然、3兆円に下方修正したが、説得力のある説明をしていない。自民党は重要5品目の「聖域確保ができなければ交渉脱退も辞さない」と決議したが、各国が同意したわけでもない。
影響は未知数だ。農業は崩壊し、国民の安全は脅かされないか。やはり国民的議論に供すべきだ。
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