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村上春樹氏の新作に鉄道オタクが大喜び その理由は…

村上春樹氏の新作の主人公が訪れる新宿駅
村上春樹氏の新作の主人公が訪れる新宿駅
Photo By スポニチ

 世界的な人気作家、村上春樹氏(64)の新作小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が12日、発売された。全国の書店で爆発的な売れ行きをみせ、版元の文芸春秋は10万部の増刷を決定。発売初日の増刷は異例で発行部数は早くも60万部に達した。謎に包まれていた内容は、主人公が“鉄道オタク”であることが判明。鉄道ファンからは「“世界のハルキ”に取り上げてもらえるとは」と驚きと喜びの声が上がった。

 全国のハルキストが待ちわびた新作は出版不況の中、発売初日で60万部に達した。文芸春秋で過去最高の累計売上数を記録したのは「マディソン郡の橋」(93年発売)の275万部で、同社宣伝プロモーション局は「あの時を超える勢いのすべり出しです」と声を弾ませた。

 村上作品としては、前作「1Q84」(新潮社)の「BOOK1」の発売初日が35万部、「BOOK2」が33万部という初動で、新作はそれを上回るペース。ちなみに「BOOK3」は初日に80万部を発行している。

 「色彩―」は、孤独とむなしさを抱えた36歳の男性が、青春時代に深く傷ついた出来事の真相を知ろうと行動を起こす物語。これまで一切シークレットだった内容が、発売日を迎えて明らかになったことで、出版界以上に歓喜の声を上げているのが“鉄オタ”たちだ。主人公は子供のころから駅が好きで、鉄道会社の駅を設計管理する部署で働いている。いわゆる“駅鉄”だ。

 テレビ朝日「タモリ倶楽部」などに出演し、鉄道ファンとして有名なホリプロ・スポーツ文化部マネジャー南田裕介氏(38)は「村上さんのような世界的作家の作品で、われわれのようなマニアが主人公という名誉な地位に置いていただけてありがたいと思います。感謝の意を表したい」と“鉄オタ”を代表して大喜び。「地味な存在のわれわれが物語の主人公になることはほとんどない。でも鉄道ファンは本当にいい人が多いんですよ。イメージも上がりますし、本当にうれしい」としみじみと話した。

 また、主人公の経歴については「夢のようですね。鉄道会社に就職しても、百貨店などに配属されることもありますし、自分の一番好きな駅設計の部署にいられるなんて、まさに憧れです!」。鉄道ファンの中でも、駅が好きな“駅鉄”は多く「ますます増えるかもしれませんね」と期待した。

 オタク市場などにも詳しい経済評論家の森永卓郎氏(55)は「オタクの中でも、鉄ちゃんは人数が多い。鉄道ファンまで守備範囲を広げた村上さんは凄いですね」と感心。「不況の中、価格の安い文庫本や新書ではなく単行本なので、実質2倍の売り上げ。本という存在を超えたブームになるかもしれません」と“ハルキ特需”を予測した。

[ 2013年4月13日 06:00 ]

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