Monthly report

今回のレポートはドバイではとても珍しい雨の話と、第41回建国記念日(National Day)についてです。


先ずは雨の話ですが、11月30日(金)に雨が降りました。それも豪雨です。ここドバイではめったに雨は降りません。公式な発表では年間の雨日は平均7日間で、雨量は数ミリです。 ところが先日叩き付けるような雨がドバイ全体に降り、2日後に控えた建国記念日用の飾りが、 雨で台無しになりました。
車内からの豪雨の様子
2007年からドバイに駐在し、雨は経験してますが、その頃は降ってもお湿り程度でした。
通常雨の季節は冬の時期(12月~2月)ですが、ここ最近(過去3年間位)になり雨量が増えました。 当社の事務所があるJebel Ali(Free Zone)地域では道路が冠水し、事務所までの道がプール状態になって、通行不可能になることもしばしばあります。世界の気象変化が話題となる昨今ですが、ここドバイでも同様、この5年間での気象変化が激しくなっています。

右の写真は運転中に車内から携帯電話で撮った雨模様です。ワイパーの効果がない位の豪雨でした。雨の日の走行に慣れてない運転手にスピードを落とす様、新聞等で警告はしていますが、雨が降ると事故が急増するのはいつもの事です。 幸いこの日は事故を目撃しませんでした。2日後に控えている建国記念日の為に、いつものスピード狂も抑えていたのでしょうか。


この豪雨のあった日から2日後は、UAE建国41周年記念日(12月2日)でした。
この日はUAEにとっては大切な日で、20%のUAE人(Emarati)以外の80%の住民(外国人)も皆、国を挙げてお祝いをします。
お祝いと言っても酒が宗教上許されてないイスラム教国ですので、日本の様に酒を飲んでお祝いをするのではなく、 酒は飲まず“しらふ”で騒ぎます。家全体や車全体を国旗で飾ったり、いわゆる箱乗り状態で大声を上げて、建国を祝います。

車からまたは車をめがけて水を掛け合ったり、(泡の)スプレーを掛けたり、皆が一体になる様な場面がそこら中で見られます。
筆者は車に水やスプレーを掛けてお祝いし、騒ぐことを知りませんでした。昨年の40周年記念日に車で街中へ行った際に、洗車したばかりの車に泡スプレーや水を掛けられた経験があった為、今年は徒歩にてこの光景を楽しみました。

下の写真は家そのものを国旗で飾った家と、この日用にデコレーションをした車を撮りました。
この季節は旅行のハイシーズンであり、またスポーツの祭典がドバイで開かれている為、世界各地から旅行客やスポーツ選手が来ています。それらの外国人が町へ繰り出し、UAEの住民と一緒になって祝い、お祭り騒ぎを楽しんでいるようでした。

国旗で飾った家デコレーションされた車


昨年は40周年と区切りのいい年でしたので、国中がお祝い騒ぎをしたのは当然の事ですが、41周年と、半端な年にもかかわらず、今年も昨年と同様でした。普段楽しみの少ないUAEで、若者が羽目を外して騒げる日はこの建国記念日くらいかも知れません。


2012.12

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今月の話題と言えば、やはりラマダンです。
ラマダン期間中の一般的なドバイの生活状況については既に昨年報告済みですので、今回は、このラマダン時に行われる断食(サウム)にはどの様な意味があるのか、もう少し理解してみようと思い、「Towards Understanding Islam」と言う書物から内容を引用しレポートします。

『預言者ムハマドが説いた5か条の信仰の基礎を要約すると次のようになる。
1) 神の唯一性、絶対性を信じる事。
2) 唯一神の天使達を信じる事。
3) 唯一神の諸啓典を信じる事。特にコーランは唯一神からの最後の啓典である事。
4) 唯一神の諸予言者を信じる事。特にムハマドは唯一神の最後の使徒である事。
5) 死後の生命(世界)があることを信じる事。

以上の事を信じて疑わない者はイスラムの門に入り、ムスリム社会のメンバーとなる。 しかし口頭の告白だけでは完全なムスリムとは言えない。ムハマドを通じて下された唯一神の命令を立派に実行してこそ、初めて真のムスリムとなる。
今や唯一絶対の神アッラーがあなたの神、創造者であり、あなたはその被造者である。唯一神はあなたの主であり、あなたは唯一神の下僕である。唯一神はあなたの支配者であり、あなたはその臣下である。唯一神があなたの主であり、支配者であると認めてからその命令を拒むことは自らの心の反逆者である。唯一神への忠誠のみならずコーランが唯一神の書なることをあなたは認めた。すなわちコーランの内容はすべて唯一神から賜ったものであることを認める。そしてその中に書いていることを学び、それを守ることが義務と同時に喜びとなる。あなたはムハマドが唯一神の使徒であることをみとめられたのだから、彼が勧めることや禁じることの一つ一つが唯一神の命令に基づくものであることに疑いを挟まない。そして使徒ムハマドに対する従順もあなたの義務のひとつになる。すなわち告白に並行して実践が伴って一人前のムスリムと言える。そうでなければ不完全なムスリムである。』

ここでムハマドが全能者アッラーより授けられた行為の規定とはいかなるものか見てみましょう。(この中にラマダン時期に行われる断食があります。)

1. イバーダート(崇拝行為)の精神
2. サラート(礼拝)
3. サウム(断食)
4. ザカート(喜捨)
5. ハッジ(巡礼)
6. イスラムの防衛とジハード(聖戦)
 サウム(断食)について
礼拝は毎日5回捧げることが定められているが、ラマダン月(イスラム暦第9月)の断食は毎年1ヶ月に亘って行われる。
この期間は暁から日没に至る日中は飲食してはならない。
たとえご馳走を目の前にし空腹であっても、どうして自発的に行動を規制しようとするのか。
それは唯一神を崇拝し最後の審判を信じるからである。断食の最中常に感情と欲望を抑え、唯一神の法則が絶対である事を讃え奉る。義務を自覚し、耐え忍ぶ精神は1ヶ月の行を成功させ、信仰を強める。この月の厳格さと鍛錬は私たちに人生の実現に直面させ、その年の残りの11ヶ月を心から唯一神の意思に服従して生きることを助ける。

また他の観点からみても、断食は社会的に非常に大きな影響を及ぼす。すなわちムスリムはすべて身分や地位に関係なく、この期間に断食しなければならない。このことは人間の基本的平等性を高く引き上げ、兄弟愛と同情心を育ませる。
ラマダン月は、悪が自ら影をひそめ、善が前へ進み出て、社会の雰囲気が神聖かつ清浄となる。 断食は我々自身の利益としても大きくはね返ってくる。この課せられた原則的義務を果たさない者は他の義務を果たす時も十分信用され得ない。
しかし最も好ましくない行為はこの聖なる月に平気で公然と飲食することである。自分たちの創造主および維持者として信仰するアッラーの法則を全く意に介さず、自分勝手なことをする人達である。
それだけではなく、彼らはムスリム社会の誠実なメンバーではないことを自ら示している。むしろムスリムの社会と縁の無い人達である。この偽善者達には最悪のものが訪れることは明白の理である。』

この様にイスラム社会(イスラム教信者=ムスリム)ではラマダン時期の断食は重要な意味をもっています。
今年は午前5時から午後7時までが断食時間です。(昨年は午前6時から午後6時まで)
この断食時間中はムスリム以外の人も公の場所での飲食、喫煙は禁止されています。ショッピングモールのフードコートも閉店(デリバリーのみ)。ホテルによっては飲食が出来るレストランもありますが、横断幕にて中が見えない様になっています。
午後7時を過ぎるとモスクでお祈りとイフタール(Iftar)と言って食事が始まります。ホテルではイフタールテントと言う特設テントを張り、その中で食事の提供をします。勿論ホテルは有料ですが、モスクでは無料で食べ物と飲み物が提供されます。翌日の朝5時にはまた断食時間となります。

ムスリム以外、我々の様な者には理解できない宗教的な事ではありますが、イスラム教国の宗教的な慣わしを無視する事は出来ません。また我々ムスリムでない者も、この1ヶ月間は満足に飲食が出来ない人達への理解を深めると言う意味では大事な期間かも知れません。 尚、英語で断食はFast(ing)と言います。このFast(断食)がBreak(解除)して朝食が始まりますので、朝食のことをBreakfastと言うそうです。

2012.8

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~どうなる、これからのドバイ~

今回のマンスリーレポートは、今後のドバイについて、様々な分野の方々の話を元にまとめてみました。

私がドバイに着任した2007年は、まだ沸騰するドバイそのもので、世界中から注目を浴びた世界一の高層ビル、奇妙な形をしたビル、中東で始めてのメトロ、等々の建設がラッシュ状態で、『世界中のクレーンの30%がドバイに来ている』と言われていました。
当時、ドバイが理想としていた国は、国土は小さいながら、世界一のコンテナ・ハブ港を持ち、商業、金融、観光を中心に経済の発展を遂げている国、シンガポールでした。 ドバイは『中東のシンガポール』を目指していたのです。

ところが翌年の2008年には誰も予想していなかったリーマンショックが起こり、その影響によりドバイでも『ドバイショック』が起こりました。それにより海外投資家が投資を中止し、資金を引き揚げたのです。
今まで順調に進行していた建築案件が中止、または無期延期状態となり、ドバイが目指していた『中東のシンガポール』が夢となりました。元々、アブダビ首長国(UAEの首都所在首長国)と違ってLNGや石油等の天然資源がなく、海外からの投資に頼っていたドバイ首長国では、投資家の資金引き揚げにより全ての計画が頓挫する事は明らかでした。

その後、状況も一段落し、沸騰ドバイ状況の前に戻った今、今後ドバイがどういう方向を目指すと予想しているのか、現地の人(Emarati)や長期ドバイ駐在の日本人、またはその他の外国人に質問をしてみたところ、Emarati以外のドバイ駐在外国人は、「ドバイはヨーロッパとアジアを結ぶ中間に立地しているため、商売の中継地点としての利用価値はある。また中東最大のFree Zoneがあり、Free Zone内では 商品を輸入した後の再輸出に関しては関税が掛からない。よってハブ拠点としての役割は果たせる。という事はヨーロッパ、アジア、その他の中東地域を視野に入れての商売であれば、この国の利用価値はある。
また我々の様な外国人駐在員にとっては、宗教上の厳しい縛りがあまりなく、治安もそこそこ良く、飲酒に関してもライセンスがあるレストランや自宅では可能な点など、他の中東の国々と比べて、住み易い環境である事は間違いない。」という意見がほとんどでした。

一方、Emaratiに聞いてみると、「2004年頃から2008年までが異常で、今が本来のドバイだ。元に戻っただけ。以前から比べると経済的にスピード感はなくなったと思われるが、インフラ案件(上下水道敷設、道路建設、海水淡水化等の政府案件)などは予定通り進行しているし、人口も徐々に増えつつある。経済の中心である商業、観光、金融も持ち直している。アブダビからの資金援助の処理も徐々に進みつつある。」との事でした。

ドバイが『中東のシンガポール』になれなかった理由の一つに、自国の国づくり(例えば、自国産業の開発と育成、インフラ整備、サービス業の充実等)を自国民がやらなかった事があげられます。シンガポール人は自分達の手を汚し、自分達で国作りをして来ました。
決して、他国からの労働力に頼ったり、他国からのエンジニアに頼ったりはしませんでした。
時には他国の新システムを真似た時もありましたが、基本的には自分達が自ら学び、啓蒙し、技術を会得してきました。これがEmaratiと大きく違う点です。

ここに住むEmaratiには特別優遇制度があります。
Emaratiなら誰でも病院、学校、公共施設等の利用が無料、ガソリンも支給されるときいています。
就職についても就職活動は必要なく、殆どのEmaratiは政府機関か政府関係会社に入ることができます。
これが自らが学び、啓蒙し、技術を会得するという考え方を奪う大きな原因ではないでしょうか。Emaratiの人口はドバイ全体の人口(約160万人)の約20~30%と言われています。言ってみればEmaratiはここでは少数民族なのです。そのため、外国人を使用するという手っ取り早い方法が採用されているのは仕方がないのかもしれません。

最近になり、以前の様に案件がある時にその国に来て、案件がなくなったら引き揚げるという、日本の建設業界のやり方が少しずつ見直され、地場で培った営業活動を啓蒙していく会社が増えてきました。それは、あらゆる分野で自然淘汰され、本来行われるべき地場に根付いた海外進出が行われる兆候かもしれません。
中東での建設事業の中心が資源(資金)を持つカタール、サウジへ移行している昨今、サウジ、カタールの両国には現在ない、ハブ港(Free Zone)の特異性を活用し、物流システムを武器に建設材料の輸出入に活路を見出すべきではないでしょうか。

一年を通して、一番暑いこの時期にイスラム教国ではラマダン月(サウムと言って断食をする)がスタートします。
宗教上の事ですが、このラマダンは国を挙げての行事なので、我々の様な非イスラム教者にとっても、この1ヶ月間はラマダン規則を守らねばなりません。
午前4時から午後7時までの15時間は飲食、喫煙は勿論、唾を飲んでもいけません。この様な日本にはない習慣、文化を真摯に受け止め、もっと深く中東の国々の事を学びたいと思います。

2012.7

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「この5年を振り返って」

建設ブームに沸く真っ只中、2007年5月16日早朝、駐在地のドバイ国際空港に降りたちました。
空港からホテルまでの町並みは、古い建築物と建設中の高層ビルが混在し、アラブの歴史とこれからのドバイ首長国の国造りの様子が見受けられ、とても印象深かったのを覚えています。
会社登録、支店登記の手続きを1週間程で完了し、仮事務所の開設、住まいの契約を済ませ、いよいよ同業者への挨拶を兼ねて市場調査を開始しました。

ドバイ、アブダビを中心とする、アラブ首長国連邦(UAE)国内での同業者は大小合わせて数百社が在庫を持ち商売をしており、その殆どの企業はインド系の企業で、中には数社パキスタン系の会社もあります。古くは30年前からHardware shopとして諸々雑多な材料(管材のみならず、建材、電材)を在庫し、販売をしていた様で、現在の大手と言われる業者は7~8年前の建設ブームの始まりの際に、地元の有力者から政治的な支援を受けて、会社規模を拡大し、管材、建材、電材のそれぞれ専門業者に分かれて、現在に至っている様です。

材料のメーカーが少なく、殆どの材料を海外からの輸入に頼っているUAEでの材料業者は、全ての品種を一手に供給する事が出来る日本の材料総合商社とは違い、品種ごとに各メーカーとの代理店契約を結び、在庫販売をしている、いわゆるメーカー依存型ビジネスです。
同業他社への訪問により解った事ですが、業者はそれぞれの商品に付いては、得手不得手がある様で、各業者がビル建設用材料(ホテル、住宅、事務所関連)と、プラント用材料(水、油、ケミカル、ガス関連)に大別して在庫販売を行っています。
この様に業者が二分しているのには、客先への営業活動が集中して出来る事と、もう一つは規格の問題が関係しています。
規格については、当地UAEのみならず中東諸国では、日本国内で通常使用しているJIS規格や、その他関連する国内規格が採用されたり、自国での材料に関する規定等がない為、海外の規格が採用されたりしています。
そして海外から雇われた設計事務所(コンサルタント)が何処の規格を採用するかを決めているというのが実情です。

配管用の材料に関しては殆どが、BS(英国規格), EN(ヨーロッパ規格), AS(オーストラリア規格)が採用されており、プラント用の材料ではASTM(米国規格), API(米国規格),DIN(独規格)がメインとなっています。それに加えNF(仏規格)も絡んできます。
採用される規格は、案件ごとに入札書類(仕様書)中にはっきりと書かれており、品目ごとにコンサルタントからの使用承認書の取得が必要とされています。 
承認取得には、入札書類の中にあるVendors List(コンサルタントの推薦メーカーリスト)上に載っているメーカー又は、当地か中東地域で数多くの納入実績があるメーカーが優先的に採用される傾向があります。

もしその他のメーカー(リスト上にないメーカー)を採用したいと希望し、推薦し、承認を取得しようとすると、膨大な書類とサンプルの提出が要求され、時間もかなり掛かってしまいます。
使用材料の決定に関してはコンサルタントからの承認が貰えるかどうかにかかっています。

少々余談では有りますが、強力な決定権を持っているコンサルタントについて、下記のような「逸話」をよく耳にします。
それは当地ならではの事ですが、歴史や実績がある自国のコンサルタント会社を有しないUAEのような国では、殆どの建設・プラント案件については海外のコンサルタント会社にコンサルタント業務(設計、予算、技術等の権限)を委託しています。それらのコンサルタント会社の社員の殆どはUAE人ではなく外国人です。特に材料承認担当者は通常5年契約で当地へ来ており、彼らはこの期間中に問題を起こさず、任務を終えれば、5年間でかなりの報酬が得ることができ、自国へ帰ってからの生活が保障されています。
その為にあえてこの駐在期間中に冒険をして新しいシステムや商品を採用する事はしません。契約期間中に既存メーカーを採用し、既存品を使用していれば、何も問題が無く、もし何か問題が起こっても前例通りにやった事と言い逃れる事が出来るのです。ですから、リスト上に無いメーカーの推薦や新しいシステムの紹介に対して担当者は、かなり消極的であり、現在も百年前の建築基準書を建設バイブルとして手にし、それを使い、「古きよき時代」と称して継承しているように感じられます。

従って市場での新しいシステムや新たなメーカーの採用承認獲得には長期的な営業活動とそれなりの費用が掛かるのは当然の事です。
現にある日本の電気関連メーカーが政府関係の部署からの承認を取得するのに5年間以上掛かったと言う事実もあります。
またUAEを始め中東諸国では、規格のみならずメーカーに関してもヨーロッパ諸国の影響が強く、依存率も高いので、アジア諸国からの新商品に耳を貸さない傾向があります。
これも課題の一つと思われます。現にUAE人(現地住民のアラビア人)のヨーロッパ人への接し方や対応と、東南アジア人への対応とはかなり違うと感じられます。偏見でしょうか?  現場での材料の管理については、日本では想像がつかない程いい加減です。材料倉庫と称する保管場所は何処の現場にも設置してはありますが、工事工程に合った材料は殆ど保管されていません。必要な時に必要な材料を材料業者へ「至急納入依頼」と称して無理難題を要求してきます。業者側も慣れたもので、無理難題を必死に受け入れる業者は殆どありません。 承認済みの商品の在庫が不足している場合は売り手の業者側に優先権があり、かなり強気にまた平気に価格を上げてきます。

いわば買い手より売り手の方が強いのです。
日本の我々の業界では考えられない事が日常茶飯事に行われているのです。
売買契約とは買い手と売り手のどちらかが、立場的に上とか下とかではなく、欲しい側(買い手)が50%、売りたい側(売り手)が50%の権利を持つ事が基本と思われますが、中東では往々にして売り手が強い場合があります。日本の「お客様は神様」的な営業は必要なく、物がないから仕方がないとの考え方が一般的で、日本国内で営業している営業マンには羨ましい話です。
極端な言い方かもしれませんが、既に材料承認を受けている商品の在庫があれば誰でも営業は出来るのです。

以上、過去5年間で感じた管材関係の話をレポートしましたが、2008年のリーマンショックの煽りを受け、ここドバイでもいわゆるドバイショックが起こり、その後は海外からの投資の減少に伴い、建設案件が激減し、市場がサウジやカタールへ移っていることをご報告しておきます。

2012.6

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今月は先日ドーハ(カタール)で開催された「国際建設展示会-Project Qatar 2012」の模様をご報告します。
国際建設展示会
国際建設展示会として今やドバイのBig-5に次いで中東で2番目に大きい規模の展示会になった
「Project Qatar」は今年で9回目。
今年はドーハ北西地区の超高級リゾート住宅地区Pearl Qatarの直ぐ傍の海岸沿いの60,000m²の
敷地に5Hallsから成る仮設展示会場を建設、4月30日から5月3日までの4日間開催されました。

今年はドイツ、UK、フランス,ベルギー、ポルトガル、イタリア、韓国、中国、マレーシア、インド、U.A.Eなど世界50カ国から2,000社を超える企業がExhibitorsとして参加。特にドイツ、フランス、マレーシアの大きなパビリオンが眼を惹きました。

国際建設展示会わが社もHall-2の入り口を入った直ぐ左手の角、現地代理店のブースの一角に継ぎ手を展示して参加。
メーカーからも海外営業スタッフ2名が応援に駆けつけてくれました。
現地の季節は既に夏に入り、気温が40℃を軽く越す暑さと高い湿気を配慮してか、 展示会の開催時間は午後3時~夜10時までという変則的なものとなっています。
開場時間の3時になってもまだスタッフが来ず開いていないブースが多く、4時ごろになってやっとブースのスタッフが三々五々来るという、いかにも中東らしいのんびりしたものです。

展示会初日は気温45℃という猛烈な暑さと湿気の所為か来場者も少なく、展示会の先行きが心配されましたが、2日目以降は夜6時を過ぎたあたりから急に来場者も増え、最終日は大盛況でした。

Project Qatar 2012主催者側の話では今年の展示会の来場者数は昨年の倍の約4万人に迫るとのことでした。
当社代理店のブースにも2日目以降カタールは勿論、サウジアラビア、クウェート、UAE、オマーン、レバノン等中東のお客(コンサル、コントラクター)を中心にご訪問いただき、サウジアラビア、レバノン、クウェート等の代理店希望者も現れ、先に繋がる商談も出てきました。

カタールは2022年のサッカーワールドカップ開催(決定)と2020年のオリンピック招致に向け15兆円とも20兆円とも言われる予算で各種インフラ設備、競技場施設、ホテル、ビル等、一大建設ブームが始まったばかりで少なくとも今後10年はわが社にとってもいろいろなビジネスチャンスが期待でき、楽しみな市場です。 

2012.5

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今月のマンスリーレポートは2010年8月のドバイ・マンスリーレポートで紹介しましたD-1 Towerの現場施工再開についてお話を致します。

2008年~2009年に起こったサブプライムローン問題に端を発したリーマンショックにより、ここドバイでも建設投資が急激に減少し、殆どの建設案件が中止、またはペンディングとなりました。
この影響で、一時はドバイ危機、ドバイ崩壊(ドバイショック)と報道され、建設ブームにも終焉が来たのか、と現地で働く建設関連企業の駐在員の元には各方面からの問合せが殺到した事が今でも強く記憶に残ってます。
その後も建設関連の案件は減少傾向で、たまに新規案件が始まっても、直ぐに一時中止とか、施主の交代とか、昨年末(2011年末)までは景気の良い話があまり無かったのが建設業界の現状でした。

2009年以降は、政府系の案件で何とか凌いできた建設企業も我慢の限界を超え、市場をGCC(湾岸協力会議)諸国、特にサウジアラビアやカタールへ移っていきました。中でも今後の10年間は建設案件及びプラント案件が続くと予想されるカタールへ、ドバイから大手メインコン(EPC)やサブコン(MEP)の殆どが、営業または施工部隊を移しました。

その中で2010年から約1年半、施工が止まっていたD-1 Towerの現場が今年になり、稼動を再開しました。
この80階建ての住宅ビル案件は当時、既に躯体は80階までできあがり、給水・給湯工事も60階まで施工が終わっていた段階での工事延期でした。残りの設備工事は20階相当部分になります。
当社も当時からパイプと継手の納入をしており、いきなりの中止には何とも言えない不満な気持ちがありました。
現在60階から80階までの20階部分が残っており、今週から徐々に納入を始める事になります。
このビルは既に全ての部屋が完売となっている様です。テナントとしてはエミレーツ航空が5フロアー分を既に購入済みの様です。最近になり、上層階部分に入居するテナントからの入金に伴い、工事再開の強い要求があった様です。設計変更はあるにしても再開は我々にとっては近年に無いGood Newsです。

今後は今回のD-1 Towerに限らず、現在ペンディングになっている幾つかの案件の再開が強く望まれています。
また1年後には、空港からドバイ市内へ入る際に、左手にそびえ立つこのD-1 Towerと、隣で建設中のベルサーチ・ホテルの完成していることを心から願っています。


←隣接のベルサーチ・ホテルの現場
2012.4

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今回のマンスリーレポートは前回の硬いレポートから一転してちょっと柔らかい、ドバイマラソンのレポートです。

キャラクター今年も1月27日(金)早朝からドバイマラソンが開催されました。
タイムが公式記録として認められるこのマラソンには、今年も各国から、フルマラソン(42.195km)、10kmコース、3kmコースの3種目合わせて、1万人を超える参加者が訪れました。

フルマラソンには2時間4分台の記録を持つ選手達の参加もあり、それらの選手達は皆、真剣で、前日行われた前夜祭にも参加せず、あくまでも自分の生活ペースを貫いた有名な選手もいたとか。
10kmコースの参加者は普段の練習成果を試すべく、老若男女、様々な人種の人が入り乱れてのレースでした。
3kmコースはFun Runと言って、「楽しんで走りましょう」と言う趣旨のレースで、参加者は会社の同僚、友達同士または家族連れでの和気藹々のレース。どのレースを取ってもそれぞれ各々が自分の背丈にあったレースを楽しんでいるようでした。

スタート10分前今年は昨年、一昨年とは違うレース会場からのスタートで、世界一高いビル(Bruj Kharifa)の直ぐ下からのスタートでした。
スタート後は海岸沿いの道路を往復する景観の良いコースで、当日は天気も良く選手達に取っては最高のコンディションでした。

当日は私も昨年、一昨年に続き参加していましたので、正確なフルマラソンのタイム結果はチェック出来ませんでしたが、2時間4分台の様でした。



仮装参加者私が参加した3kmコース組は仮装して走る者、看板を持って走る者、乳母車を引きながら走る者、など等、参加者自身が自分なりに楽しんでいる様でした。
また多くの日本人女性のグループが参加していましたが、中には東日本大震災への復興を願う幕を持って走っている人も見受けられました。

1月から3月までが1年で一番良い季節になるドバイでは、毎年行われているこのドバイマラソンを皮切りにアブダビではHSBC チャンピョンシップゴルフトーナメント、ドバイではOMEGAエミレーツデザートクラッシックゴルフトーナメント、などスポーツに関するイベントが目白押しです。
春、夏、秋が酷暑期間の当地ドバイでは、この数ヶ月間だけは外での運動が楽しめます。

来年こそは!ドバイマラソンが終わると、毎年の光景ですが、来年のレースに向けて、走り始める人が良く見受けられます。
但し、これも4月頃になると、走る人は減り、レースの直前の12月頃から1月に掛けてまた走る人が増えます。
私も御託に漏れず、毎年レース後には「来年こそは」、と心に誓ってます。

2012.2

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Big-5今回は先月21日~24日の4日間に渉ってドバイで開催された「Big-5」の模様を御紹介します。
Big-5は毎年ドバイで開催される中東で最大の建設関連資機材(建材・配管材・内装材・建機等)の国際展示会で、例年、世界各国から多数の出展企業、訪問客で賑わいます。

今年は出展企業として2,500社の参加がありました。 ここ数年中国からBig-5に参加する出展企業の増加が顕著です。
今年は600社を超える中国の企業が出展したのに対し、日本からの出展企業は当社、KITZ、鶴見ポンプ(今年初参加)の3社でした。   


当社は2007年のドバイオフィス設立以来毎年、このBig-5に出展しています。
今年は5回目の出展となり、多数の欧米、中東、中国、韓国出展企業の中で、数少ない日本の出展企業の1社として頑張っています。
当社のブースは6坪弱の小粒なブースですが、今年は当社が中東向け販売代理権を持つ、日本の樹脂管用継ぎ手の新商品一本に絞り展示を行い、メーカーから営業スタッフ3名の応援を受けました。

加えて、イランの代理店の社長、Marketing Managerの2名がイランから駆け付け、展示会の4日間、終日Kanzaiブースを訪問するイラン顧客の応対を引きうけてくれた御蔭で、昨年に比べ出展社数、来場者数とも少ない中、今年も当社ブースは大盛況でした。
当社ブースの展示に惹かれて立ち寄る訪問客の中でサウジとインドの顧客の数が例年より多かったのが印象的でした。

2011.12

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最近中東ではドバイ、アブダビが往時の勢いを失くし、建設Projectsも軒並みSlow Down する中、依然として元気の良いのはサウジアラビアとカタールで、私の出張も勢いカタール出張の割合が増えています。
今月はカタールの断片情報で今のカタールを点描してみたいと思います。

・国土は日本の約3%(ほぼ秋田県程度)でアラビア湾(イラン側から言えばペルシャ湾)につきだした御臍のような小国。

・人口は170万人。内、カタール人は25万人(全人口の約15%)、残りは全て外国人労働者。
インド人55万人、フィリピン人35万人、英国・ドイツ人40万人、中国人6千人、韓国人3千人等に対し、日本人は1千人のみ。

・原油生産量100万バーレル/日、LNG生産7,500万トン/年、等
 
・今年、カタールの国民1人当たりGNPは8万USドル、ルクセンブルグを抜き世界1位
→2012年には12万USドルにまで増加。(日本、アメリカの約3倍)

・物価インフレ率 約5%/年 ・ガソリン 約16円/リッター(水よりも安い)

・カタール人は教育費、医療費、電気・水道料金はタダ、所得税、法人税等はゼロ。
一定の年齢(18歳?)に達すると国から土地が無償で与えられ、銀行から無担保で住宅融資を受け、家を建てることができる。事実上、食費と衣服費くらいしかお金がかからないにも拘らず、最近、カタール人の中でも富裕層と貧困層の2極化が進行し、社会問題化している。
(多数のカタール人が車や宝石やブランド品等奢侈品を購入するため、銀行から融資を受けたまま、その借金を返せない例が急増している。)
このため、貧しいカタール人の救済策の一環として、今年、政府は一般公務員給与を60%、軍人給与を120%、それぞれ昇給を実施。
警官は給与水準が高く一般警官の月給は4万カタールリアル(約92万円)、署長クラスの月給は12万カタールリアル(約276万円)。
これに対し、外人労働者の賃金は安く、単純労働者で月給700カタールリアル(約1万6千円)、ホテル、レストランのウエイトレスで月給1,000カタールリアル(約2万3千円)、運転手で月給1,500カタールリアル(約3万5千円)とドバイの約 1/3の低賃金。
この外国人下級労働者の低賃金が最近カタール政府の人権局で問題となり、「最低賃金」設定が検討されている由。

・昨年12月FIFAの総会でカタールが2022年のサッカーワールドカップの開催国に選定されたがその後、カタールへの誘致に巨額の賄賂が流れたことが新聞で報道され、一時カタールでの開催も危ぶまれた。その後黒い噂も下火となり、現在は2022年のワールドカップ開催に向け空港、港湾、道路、鉄道、地下鉄、スタジアム(12スタジアム、内8スタジアムは新設)、ホテル(現在の客室1万室を3万室に増室)、アパート、モール等、MEGA Projectsを今後7年のうちに建設すべく入札書類が準備されている。 一説ではこれらMEGA Projectsに使われる資金は2,500億ドル(約19兆円)とも言われている。
ほとんどのProjectsは現在、設計、入札書類準備中で今年はあまり表面立った動きは見られないが、来年からは具体的に動き出すものと期待されている。
ちなみに、鉄道網建設計画ではカタール国内、外国勢合わせ780社がExpress of Interestをカタール政府に提出。
日本からは鹿島建設、ほか大手ゼネコンが手を上げている。 Automatic Peoples Mover(APM/日本の「ゆりかもめ」のカタール版)には三菱商事・三菱重工グループが応札中。

・英国の或る信用調査会社が今年発表した「世界で最も居住に適した都市ランキング」ではドバイの88位に対しドーハは85位とドバイ より上位にランキングされている。 因みに、アブダビは76位、バーレン80位、マスカット83位、リヤド102位、 カイロ121位、トリポリは135位。 となっています。

2011.11

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中東地区は8月末でラマダンが終わり、その後のラマダン明けの休暇も済み、通常の生活に戻りました。ドバイもラマダン前に比べて、かなりの人が戻ってきており、これから冬に向けて、過ごし易い気候になってきます。殆どの会社の年度末が12月ゆえ、これから本格的な業務が始まってきます。

アトランティスホテル今月から冬に掛けてドバイの観光関係者にとってはハイシーズンとなります。言うまでも無くショッピング・フェッシバルの準備に入ります。そこで今回はショッピングに関して紹介いたします。

これから冬に掛けて日本からの旅行先を検討するのには、ドバイは外せないでしょう。
ニュースにも頻繁に登場している椰子の葉を模った人工島(パーム・ジュメイラ)や世界最大のシッピングセンター(ドバイ・モール)が既にオープン。噂の高級ホテル(アトランティス)も完成。
ドバイ自体の魅力はさることながら、巨大な国際空港は他の中東諸国やヨーロッパ、アジアなどの各国への乗り継ぎ便が発着するハブ空港として需要が増えてきています。
折角ドバイに降り立ったのだから、少しでも話題のリゾート・ホテルやショッピング・モールへ行って見ては如何でしょうか。

ドバイ国際空港は成田空港などと違って、空港から街まで比較的に近く、タクシーで15~20分ほど走れば、ドバイ・フェッシバル・シティやワフィ・シティモールといったショッピングセンターへ簡単に行けます。
また空港の周辺には美味しいと評判のレストランが入っているホテルが沢山あります。もちろん、ホテルでのショッピンも楽しめます。空港の免税店で時間を潰すより、空港の外に出た方が有意義な時間を過ごせます。
勿論、日本人は空港にてビザが入手出来、入国、出国には問題はありません。

ドバイ ショッピングモール

ドバイの冬の風物詩、ショッピング・フェッシバル
年が明けてからドバイへ行くなら、お勧めはショッピング。
80%オフという特売セール品が登場する事もしばしばで、どこかの国の様に普段の価格を高くしてから値引きをするなんて事はしません。通常の価格からの値引きです。1年に2回、国を挙げてのセールを開催します。
1月中旬から2月中旬が「ドバイ・ショッピング・フェスティバル」、6月中旬から8月中旬は「ドバイ・サマー・サプライズ」です。
ドバイはいつでも免税なのですが、この時期は各ショッピングセンターに大幅なディスカウントのセール品が登場します。

duvai

ショップの店員によると、セール品の値引きは公的機関の調査員によって強制的に決められてしまうそうです。お店にとっては厳しい事ですが、こちら消費者にとっては喜ばしい限りです。
期間中は高級車が当たる抽選なども開催され、街全体がお祭り騒ぎ。世界最大のショッピング・モール(ドバイ・モール)では財布の紐が緩みっぱなしとか。特に女性にとっては、この時期のために日頃から貯めてきた貯金の吐き出し口となっている様です。
 Please enjoy shopping in Dubai !!!!!

2011.10

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今月は昨年に続きラマダンの紹介を致します。
日本人にとってはあまり接する事の無いイスラム教の断食月「ラマダン」の基礎知識からラマダン時期に注意すべき事、そしてこの時期ならではの楽しみ等をお伝え致します。
イスラム教にとって最も神聖な断食時期「ラマダン」が2011年は8月1日から始まりました。2011年は真夏のラマダンです。

【イスラム教徒の断食月ラマダンの基礎知識 】
「ラマダン」と聞くと、イスラム教徒が試練に耐え、断食をする光景を思い浮かべる方が居るのではないでしょうか。
勿論「ラマダン」の期間中は喉の渇きや空腹と戦わなくてはなりません。その期間が約一ヶ月あることは確かです。
しかし、敬虔なイスラム教徒にとっては「ラマダン」の月というのは、彼らにとっての唯一の神{アラー}に断食という修行を通じて、貧しい人々の気持ちを身を持って経験し信仰を捧げる、一年で最も神聖な月の事です。毎年やってくるラマダンを心待ちにしている教徒も多く居ます。

そもそも「ラマダン」とは、イスラム教の預言者モハメッドが聖地メッカにて{アラー}の啓示を受けた月、[ヒジュリ(Hijri)]カレンダーを用いた太陽暦の第9番目の月の事で、8番目の月、[シャパン(Sha’aban)]と10番目の月[ シャワル(Shawwal)]の間の月の事です。
「ラマダン」の期間はムーン・サイティング・コミティ(イスラム教に順ずる方法で月を観測しラマダンの開始日やイスラム教にとって重要な日を測定する機関)がラマダン月に最初に肉眼で新月を確認した日から次の新月が確認されるまでの約一ヶ月の事を示します。
ヒジュリ・カレンダーはおよそ354日周期で1年となっている為、私たちが使っているグレゴリー・カレンダーの365日より11日少ないので毎年、約11日ずつラマダン開始日が早まるという訳です。
また、イスラム教には5つの柱と呼ばれる信仰告白(シャハーダ)、礼拝(サラート)、喜捨(ザカート)、断食(サウム)、メッカへの巡礼(ハッジ)があり、4つ目の柱「サウム」を一ヶ月間集中的に行う月が「ラマダン」なのです。

ラマダン



【ラマダン中に気をつける事】
次にラマダン中に気をつける事を紹介します。
まずは、ラマダン中、イスラム教徒は日の出前の食事(スハール)と日没後の食事(イフタール)の間は飲食が一切禁じられてます。
ドバイでは、レストランやカフェなど多くの飲食店は日没まで閉店です。外国人が多く利用するホテルや施設などではカーテンやパーテーションを張って営業している所もあります。テイクアウェイのサービスのみを行っている店も多いようです。テイクアウェイで買った飲物を歩きながら飲んだり、喫煙を公然と行う事はこの時期にはやってはいけない行為に入ります。(警察に捕まる事もあります)

また、ラマダン中、イスラム教徒は禁欲をしなくてはなりません。
イスラム教徒の男女が手をつなぐ事はもってのほか、外出中には肌の露出を極力控えた服装を心がけ、カップルは公然の場での行動には配慮する事が必要です。

ここまでの話だけを聞いていると、ラマダン中にドバイに行くのはどうしようか……と思う方もいるのではないでしょうか。

最後にお話しするのは、ラマダンならではの楽しみ、日没後の『イフタール』です。
イフタールとは、日没の合図として打ち上げられる大砲の音(聞こえないところもある)を合図に始まる断食明けのディナーのことを言います。
最初になつめやしを食べ、タマリンドや杏子のジュースなどで空っぽ状態のお腹に優しく栄養を与えます。
その後は、種類豊富な野菜、肉、魚、ご飯類、デザートなど豪華なレパートリーのディナーを家族団欒でゆっくり楽しみます。

このような習慣から、ドバイ中のレストランではイフタールディナーを多く企画しています。
特にドバイならではの5つ星ホテルのレストランでは、豪華イフタールビュッフェやコースメニューを用意しているところが多く、ラマダンならではの伝統的なアラブ料理がふんだんに並べられます。
一流の5つ星ホテルでのビュッフェの相場は、150~200ディルハム(4,500~6,000円程度)程度。
ラマダン中なので、お酒やベリーダンスを楽しむことはできませんが、イスラム情緒にどっぷりと漬かりたい人には、一年の中で最高のシーズンと言えるでしょう。

イスラムの5つの柱のひとつ『喜捨』に関係する話として、ラマダン中は『喜捨』を心がける教徒が多く、裕福な家の前や公共の広場などに大きな『ラマダンテント』と呼ばれるテントが張られ、稼ぎが少なく恵まれない人たちに無料で『イフタール』を振舞う光景を目にします。 そのほか、大手スーパーなどではラマダン用寄付スペースが設けられ家庭の不用品やお金を寄付する場所が設けられていて、気軽に『喜捨』を行うことができるのです。

『ドバイで過ごす断食月ラマダン』は、いかがでしたか? 国際都市として世界に名を馳せたドバイですが、基本はイスラム教国。本来のドバイの姿を体験できるラマダンシーズンにドバイにお越しになる皆さん、きっと今までとは違ったドバイを発見できると思いますよ!

荒ビックコーヒーポット

2011.9

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今月は、当社が中東の総販売代理権を持つPEX Pipe(屋内水廻り配管用 架橋ポリエチレン管)用ワンプッシュタイプ継手のイラン代理店が参加した、テヘランの国際建設資材展示会の模様をご報告したいと思います。

人口7,500万人、アメリカ合衆国のアラスカ州にほぼ等しいその広大な国土(1,600万k㎡)と豊富な石油・ガス資源を有するイラン(正式にはイランイスラム共和国)の首都テヘランは周囲を突骨とした山々に囲まれ、パーレビ王朝の昔は「中東の小パリ」と呼ばれたこともある緑と水に溢れた美しい街です。
また昼間人口1,900万人、夜間人口1,100万人という一日の昼と夜で800万人も人口が移動(変動)するため街中はそれこそ芋を洗うような車の混雑で、早朝から深夜まで車の流れと騒音が絶えない大都会でもあります。

テヘラン国際建設資材展示会テヘランは日本の軽井沢とほぼ同じ緯度に位置する高原気候の街で、夏はさすがに昼間の気温は30℃近くになる暑さですが朝晩は涼しいくらいで、日中気温が50℃に迫る猛暑のドバイから来た私たちにはホッとするような快適な気候でした。
それでもやはりイスラム原理主義の戒律の厳しい国なのでお酒は飲めません。
(ドバイでは飲めます!)

今回の展示会はそのテヘラン市内の広大な敷地に建てられた28の展示ホール全てを使って、7月26日~29日の4日間に亘り開催された大がかりなもので、今年の展示会参加企業は1,800社、その内、管材関係は400社が参加、去年の13万人を上回る入場者が見込まれていました。

出展されている建材・配管製品は欧州、中国製が中心で残念ながら、日本製品はエバラのポンプを見るくらいの淋しいものでした。
当社の現地代理店のブースはホール12/13で、展示会会場のメインゲートからかなり離れた不便な場所に位置するため、初日はホールの来場者が少なく、この先どうなるかと少し心配されましたが、2日目からは様変わりで、ワンプッシュタイプ継手の洗練された質の高さと出展している数少ない日本製品であることが人気を呼んだのか、同じホールの中では私たちのブースだけに人が群がり、代理店のスタッフから製品の詳しい説明を受けたり商談を希望するお客様が列を作って順番を待つ程の大盛況でした。
代理店が事前に準備した2,000部のカタログが4日目の朝には全て無くなりお客様に配る資料がないという嬉しい誤算もありました。

最後に、今回のテヘラン出張を通じて
1. 色んな分野で中国製品が溢れていること
2. それでも質の高い日本製品にイランの需要家は飢えていること
3. 女性が男性に伍して仕事の第一線で活発に働いていること
4.他湾岸諸国と異なりインド人、パキスタン人をはじめとする外国人労働者 が殆ど見当たらず、基本的にイラン人が全ての分野で自ら働いていること
が印象に残ったことをつけ加えさせていただきます。

2011.8

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今回の「Monthly Report」は以前ご紹介したイタリアのメーカーへの最終出荷立会い検査の報告です。
この会社・工場については、以前ご紹介をしましたので省略致します。今回は商品出荷時の状況を報告致します。

ず、今回の確認目的は3点あり、1番目は前回の搬入時(イタリア~ドバイ間)に木枠梱包の破損(3ケース)が発見され、客先の現場へ搬入した時には品物が中からはみ出してしまった事です。
運良く、ケース内の商品には破損がなかった為、大きなクレームにはならず、「次回からは梱包を改善する様に」との客先からの指示のみで納まりました。この件については、次回からは木枠梱包の板厚を無償にて3倍にする事との客先からの要求があり、メーカー側は客先の要求通り、無償にて板厚を3倍にする事を了解しました。 

2番目は前回の船積みで船積み書類の発送遅延による、荷揚げ港(ドバイ)での商品受取が遅延した事です。
イタリア~ドバイは直行便(船)で約2週間、荷積み港から出航してから直ぐに書類を送付すれば1週間でドバイに着くはずが、前回は品物が到着しても書類が届かず、荷物が引き取れない状況でした。この件も出荷後即、書類を本社へは銀行経由にて、ドバイには直接宅配便にて送る事で確認し、逐次の連絡を入れる事を約束させました。

3番目は再度の納期遅延の回避です。契約では6月10日Cargo Readyのはずが、今回の最終搬入では月末まで伸びてしまいました。
メーカー曰く、ヨーロッパの原材料メーカーからの原材料が遅れた為と言い訳をしていますが、今後は二度と遅れない様、原材料メーカー(ドイツのミルメーカー)へ再度メーカー側の事務所から直接コンタクトをして、確認を取りました。

以上、3点についての確認は詳細に詰めてはきたものの、まだ多少の不安は残ります。
今後のヨーロッパのみならず海外のメーカーへの商品発注については、客先とメーカーの間に入る当社の商売では、不利な立場にならない様、また中間商社として客先・メーカーからの一方的な押付けを回避する為に、両サイドに対し、こちらの要望、要求また多少の無理が言える関係を築きあげる事が重要な事と再認識をしました。

今回は最終的にはメーカーの納期遅延については客先が認めてくれ、メーカーも納期遅延を謝罪し、当社からの注文を最優先して作業を進める事を約束し、大事には至りませんでした。
しかし、今後はより一層、常に客先の現場状況とメーカーの生産状況を把握し、継続的な状況報告を両社へ行う事で、中間商社としての業務をスムーズに遂行出来ると考えます。
海外支店での商売では客先、仕入先共に新規会社との付合いが多くなる為、最初の取引の際には必ず、両社への訪問を行い、膝を突合せた、打合せや交渉を必ず行う事も併せて重要な事と思いました。


2011.7

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今月は2022年のサッカーワールドカップ開催に向け、1,500億ドル(約12兆円)ともいわれる予算をかけ、12のサッカースタジアムをはじめ、道路、港湾、地下鉄、ホテル等数々のメガプロジェクトの建設計画の実現に向け大きく舵を切り、サウジアラビアと並んで中東で今最も熱い市場として注目されているカタールで建設が進められている“New Doha International Airport Project(NDIA)”についてご紹介したいと思います。

NDIAは現在のカタール空港の東側に隣接した22K2の埋め立て地に4,850mという 世界でも最長の部類に入る滑走路、80m超の管制塔、510,000㎡の乗客ターミナルビル、最新鋭のAirBus A380(6機)他100機の航空機の駐機場を備え、2015年の最終完工時には年間320,000機の航空機と年間5千万人の乗降客、年間2百万トンの貨物を捌くことが可能な世界でも最大級の大空港を建設しようというもので、2004年に工事着工、2012年に一部開港を予定しています。
この空港には1日75,000食の機内食を供給可能なCatering 設備も建設されます。

施主はNDIA Steering Committee、Main ArchitectはHOC International(U.S.A), Main Consultant はBechtel (U.S.A)で30社を超すMain Contractorsが現在活発に 工事を行っており、日本の竹中工務店さん、大成建設さんの2社も2012年にオープンを予定されているターミナルビル工事のMain Contractor として頑張られています。
私たち管材センタードバイ支店ではこの1大空港プロジェクトに何とか各種配管材料を提供すべく現在仕込み中です。

このNDIAプロジェクトについての詳しい情報は次のサイトでご覧になれます。
 ・NDIA Site :ndiaproject.com
 ・wikipedia.org
 ・YouTubeのNew Doha International Airport 画像検索
 他
2011.6

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前々回の“Monthly Report”で御紹介した日本管材センター(株)ドバイ支店の中東で初めての代理店S社を、訪問時の約束に従い、同社のセールスマンに対する技術講習会を兼ねメーカーの副社長、営業担当者を案内し、再訪した様子を今回はご紹介したいと思います。

今回も前回同様ドバイから飛行機に乗り約2時間15分のフライトでテヘラン・イマムホメイニ空港に到着。前回はテヘランからS社のあるイスファハンまで約600Kmの悪路を車で5時間かけ移動し、疲労困憊した苦い経験の反省から、今回は国内線の飛行機を利用すべく、イマムホメイニ空港からイスファハン行きのフライトの出るメヘラバ―ド空港までタクシーで移動しました。
テヘランの市街地に近づくにつれて車の数が急に増える中、少しでも隙間があると見れば急加速して突っ込み、毛筋一本ほどの車間距離で先行車を追い上げ、車線など無きがごとくに自由自在に割り込み・追い抜きをかけるその神業的運転振りに我々の身体は硬直しっぱなし。冷や汗の連続で漸くメヘラバ―ド空港に到着した時には早くも疲労困憊、喉はカラカラ。

空港に早く着き過ぎたため、チェックインカウンターも開いていません。冷たい飲み物でも買おうと空港内の売店でUAEディルハムを出すと受けて貰えず。空港内に2つある銀行でも換金して貰えず、途方に暮れていると、見かねた空港の手荷物検査の職員が「どうかしたか?」と近寄ってきて、事情を聞くやわざわざ空港の外まで付いてきてくれ、見るからに闇の換金屋らしい人物を呼んでくれ、無事イランリアルに換金。くだんの売店に取って返し、漸く3人とも冷たい飲み物でのどを潤すことができました。

その後、1時間待っても2時間待ってもチェックインカウンターに人の姿がなく、出発30分程前に別の離れたカウンターでチェックインを開始していたのを見つけ、慌ててチェックイン。
ゲートと思しき所に行っても行き先の掲示もなく、おとなしく待っている他イラン人乗客と一緒に不安を抱えながら待合室で待機すること約1時間、結局予定より1時間遅れで飛行機は出発。

duvai前回テヘランから車で移動した時とほぼ同じ時間帯のイスファハン到着となりました。
空港でS社の社長秘書と営業担当顧問の出迎えを受け、イスファハンの歴史を感じさせる古式ゆかしいホテルにチェックイン。
ホテルで休息の後、S社のオフィスを訪問。
夜の8時近い時間にも拘わらず大勢のスタッフと名前入りの歓迎の垂れ幕の出迎えを受け、全社一丸となって販売に賭けようとする大きな意気込みが感じられ感激。

翌朝は8時からS社のオフィスで同社の男女スタッフ約20人を集めてプロジェクターと白板を使い講習会を開催。
S社スタッフの熱心な受講ぶりに講師陣もついつい熱が入り、4時間に及ぶ講習となりました。
duvai
午後からS社の会長・社長の案内でイスファハン最大の投資会社兼ディベロッパーを訪問。
プレゼンテーションを行い、好評を博した結果、帰りには特別な御客にだけ渡すという大きなイスファハンの写真集を御土産に頂きました。

再びS社に戻って、今後の広告宣伝活動計画に関し、社長と打ち合わせたあと、社長が用意してくれた大きな鉄板の工芸皿と、前回に倍するイランの御菓子の詰め合わせを御土産にもらい、夕刻のドバイ行きの便に乗るべくS社を後にしました。

duvai

今回も日本人も顔負けのイラン流のおもてなしの心と御土産に満たされた旅でした。

2011.5

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当地(ドバイ)においても、日本人会を中心としてさまざまなところで被災地の方々の救済や被災地の復興に少しでも役立ててもらおうと義援金の受付け等の活動をしております。
被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

今月のドバイMonthly Reportはドバイモールを紹介させて頂きます。

ドバイモールは2008年10月30日に世界最大のショッピングモールとして開業しました。
総面積は約111.5万平方メートル(サッカーコート50面分)あり、店舗は1,200店舗が入居し、2つの大型有名デパートや水族館、ゴールドスーク、アイススケートリンク、SEGAテーマパーク、キッザニア、ウォーターフロントアトリウム、22の映画館等があります。

最寄駅からも近く、歩いてドバイモールへ行くことができます。(駅からはフィーダーバスも随時出ているのでとても便利です。)

周辺には世界一の高さを誇る‘Burj Khalifa’もあり、観光地候補No.1となっております。
それではドバイモール内を紹介させて頂きます。

ドバイモール内

UAEの首長国のひとつであるドバイは貿易の中継点として世界中からブランドが集まり、なおかつフリーポートの為、消費税のかからないことから‘買い物天国’とガイドブックでも紹介されております。

ドバイモールの有名ブランドが集まっているエリア

毎年、夏・冬の2回ショッピングフェスティバルがあり、その期間は50%~80%OFFのセールが実施されるほか、高級車や金1kgが当たる抽選会などの催しが国全体で開催され、各国から観光客が集まりとても賑わいます。

次にご紹介するのは、ドバイで唯一日本の書籍を買うことが出来る‘紀伊国屋書店’さん。こちらも同モール内にあります。

ドバイの紀伊国屋書店さん
店内は6,000平米のフロアを持ちとても広く、世界中の書籍を取り揃えてあります。勿論日本の書籍も充実しており、ドバイ滞在の日本人にとっては貴重な店舗となっております。価格は日本の2~3倍ぐらいです。店舗内には‘Kino’s Café’も併設されており、ここでは抹茶などを味わうことが出来ます。

地下にはスーパーマーケットもあるのでショッピングを楽しんだ後に、夕飯の買い物等もこのモールで出来ます。こちらのスーパーマーケットは豚肉の取扱いがあるのでとても便利です。ドバイはイスラム圏ですので、豚肉がおいてあるスーパーマーケットは限られており、とても貴重です。

次にご紹介するのは、世界一の高さを誇る‘Burj Khalifaの展望台’の紹介です。
展望台への入口である“AT THE TOP”も同モール内にあります。

Burj Khalifaの展望台

以前はチケット売り場に行って直接予約しなければなりませんでしたが、最近はネット予約も出来るようになり、便利になりました。
それでは展望台から見たドバイの街をご覧頂きます。

展望台からみたドバイの街

次にご紹介するのは水族館。この水族館は入場料を支払わなくても遠目から一部のみですが見ることが出来、この巨大な水槽の中には33,000匹の海洋生物がいるとの事です。長さ50×幅17×高さ11mの巨大な水槽と世界最大の観察パネル、270゜の水中トンネルを持ち、サメの数も世界最大規模というから驚きです。

水族館
なんでも‘世界一’が好きなドバイ…。このアクリル板は日本の会社(日プラ)のものだそうです。

その他はオリンピック規格のアイススケートリンクや珍しいものでは‘金の自動販売機’なども同モール内にあります。


アイススケートリンク&金の自動販売機

又、フードコートやレストラン、カフェが120軒ととても充実しており、屋内外で食事を楽しむことが出来ます。

カフェ

この様にドバイモールはとても広く、設備も充実しているので1日中楽しむことが出来ます。
また周辺にはArmani Hotel, Al Murooj Rotana Suies Hotel, The Address Hotel, The Palace Hotelなどのホテルもありますので今、1番注目のエリアとなっております。

2011.4

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今回はイランの新規取引先と契約を交わすにいたった経緯を以下簡単にご紹介したいと思います。

イランの一般の人達は冗談好きで親切且つ勤勉な人達が多く、他のイスラムの国と比較しても女性の社会進出が格段に進んでおり、その点では日本・欧米と変わりません。またイランには親日家も多く、街を歩いていると、「コンニチハ」「ゴキゲンイカガ?」等と声をかけられることも少なくありません。
イランの国土は日本の4.5倍、人口は75百万人と中東最大の人口を抱え、豊富な天然資源(石油・ガス)を背景に鉄鋼・石油化学・自動車・家電等産業が発達した中東最大の工業国であり、Kanzai-ドバイにとってもイランは今後、最も重要な市場の一つであることは疑いを容れませんが、これまで殆ど商売上のとっかかりが無く、手つかずのまま放置されてきた市場でした。
昨年11月末のドバイの国際展示会-Big5Exhibition-に例年通り、Kanzai-ドバイもブースを持ち参加、展示したところ、今回はお客様の反応も良く、中東各国から引きも切らず当社のブースに訪問があり、イランからも4~5社の会社が訪れてくれました。その中の1社であるS社(PPR管製造メーカー)からメールでコンタクトがあり、Big-5で当社ブースを見て非常に興味を持ったとのことでした。 その後、何度かメールをやり取りしている中で、信頼に足る相手先であることが確認できたので、同社の勧めに応じ、金子所長と共にイスファハン本社を訪問することにしました。

同社の本社・工場のあるイスファハンは人口160万人、テヘランの南340KM、イランのほぼ中央に位置する3千年の歴史を持つ美しい街です。ドバイから直行便が週2便しかないため、まずテヘランまで飛行機で飛び(飛行時間2時間10分)テヘランから車でイスファハンに移動(約5時間)することとしました。2月14日朝5時起きの眠い頭でドバイ発朝7時50分のエミレーツ航空に飛び乗り、イマムホメイニ空港に到着、空港出口で思いがけずS社の社長のバラの花(各人に1本でしたが)付きの出迎えを受け、社長自らが運転する車でイスファハンに到着。丘の上の見晴らしの良いレストランでイラン料理を軽くご馳走になった後、イスファハン郊外の工場に17時過ぎに到着。会長、工場長の出迎え、案内でPPR管の工場(工場敷地約2,000M2、PPR管、PE管製造、工場従業員45名のこじんまりした工場)を見学後、市内のオフィスに移動、19時過ぎから愈々 社長と英語の通訳を介して契約交渉を開始。あらかじめ用意して行った契約草稿をもとに当方は1条毎に解釈説明―S社 側の反対提案―当方の反論と言ったやり取りにより、一つ一つ合意を積み上げ、気が付いたら夜中の23時前。

翌日は朝8時から再びS社のオフィスで交渉再開。当日のドバイへの帰国便がテヘラン発21時のため遅くとも14時にはイスファハンを出発しないと間に合わない。交渉を何とかまとめる方向に持っていこうとしても、S社側の通訳の不手際でややもすれば議論があちらに飛んだと思えばまたこちらに戻るといった具合で、当方がついつい声を荒げる場面もありましたが、漸く御昼過ぎに交渉が妥結。
急遽、契約書を作成し直し、当方は金子所長、S社側は社長が契約書に調印、それぞれ握手を交わしながら契約書を交換する場面を写真に撮ったのが13時前。
それから皆で世界遺産のイマーム広場の傍らのバザール(市場)の中にある古い歴史のありそうなレストランで再びイランの伝統料理をご馳走になる。重い真鍮製の花瓶(?)とイランの甘~いお菓子を沢山詰め込んだ大きな袋のお土産をいただき、帰りも車でテヘランに到着。テヘラン発21時のエミレーツ 航空がドバイに到着したのが23時50分、漸く家に辿りついたのが翌日の01時半過ぎという何とも長~い疲れた2日(3日?)間の出張でした。

金子所長はそれ以来今日まで指痛と腰痛に悩まされるというお土産までも貰いましたが、Kanzaiドバイ店はこれで何とか懸案のイラン市場進出の足掛かりをイスファハンに確保することができました。 S社は従業員72名(本社従業員27名、工場従業員45名)、イラン国内PPR管メーカー30社中Top3に入るメーカーで、当社の商材の販売には新たに10名のセールスマンとSE1名を充ててくれることでも彼らの熱意のほどが感じ取れます。
真面目でまだ若いS社とこれからじっくり時間をかけて協力しあいながら、イスファハンからテヘラン、テヘランからイラン全土にKanzaiの商圏を広げてゆきたいと思っています。

次に新規開拓を狙う市場はシリアとヨルダンとカタールです。

2011.3

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ドバイマラソン今回は1月21日に行われたドバイマラソンについてレポート致します。

灼熱のイメージが強いここドバイでもこのシーズンは一年中で最も良い季節と言われてます。
みんなが「待ってました」かの如く、街中のレストランの屋外テーブルが満席になります。

日中は相変らず、30度を越える気温も朝夕は20度前後、時にはそれ以下になります。
この最も良い季節の1月に毎年ドバイマラソンが行われます。
毎年休日の金曜日に行われ、昨年は1月22日に、今年は1月21日(金)、行われました。
スタート直前
日ごろ運動不足の中年の私にとっては、運動開始のいい機会です。
この日を目標に普段から準備をしている者、また毎年マラソンが終わったその時だけ、「さあ~来年のドバイマラソンに向けて明日からトレーニングだ~~」と言う者、など等、現場では様々です。

私は昨年も今年も参加しました。
コースはフルマラソンの42.195kmと10km、それにFun Runと称する3kmの4コース。
昨年3kmに参加した私は、昨年ゴールした瞬間に「さあ、来年は13kmコース0kmだ」と意気込んでいながら、今年も3kmのコースにエントリーしました。

フルマラソンは公式記録として認められる為、世界中から招待選手が参加します。
昨年のフルマラソン優勝者の記録は2時間6分台、今年は2時間7分台でした。

私が参加した3kmコースは家族、夫婦、友達、同僚、などの参加者が多く、スタートからゴールまで和気藹々とした雰囲気でした。
「記録より楽しく走りましょう」がモットーで如何に楽しむかです。
仮装した人や、乳母車を引いた夫婦、同僚同士で同じTシャツを着ている人、ちょっとお洒落なランニングウェアーを着た人、様々な楽しみ方を満喫しているようでした。
ゴール
今年も昨年同様、3kmコースのゴールに入った瞬間、私は「よし来年は10kmコースにエントリーするぞ!」と、心に誓いました。
来年のエントリー時期が楽しみです。





2011.2

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今回のマンスリー・レポートはイタリアのメーカー(ボルト・ナット・ワッシャー)の紹介です。

現在進行中のアブダビの浄水場案件用、ボルト・ナット・ワッシャーのメーカーが、当社の提案・推薦メーカーの一つであるイタリアのメーカーに決定しました。それに伴い客先からの材料手配の依頼が入り、早速メーカーの工場施設のチェックと発注時の詳細打合せの為にメーカーを訪問しました。
場所はイタリア北部に位置するミラノ市近郊のマルペンサ空港から車で約15分程度の所です。
訪問前には工業地帯の一部と聞いていた為、いわゆる日本の工業地帯を想像していましたが、着いてビックリ、工場の回りは山々に囲まれ、まだ自然が多く残っている片田舎で、閑散とした場所でした。

今回、発注予定のボルト・ナット・ワッシャーは、サイズも幅広く、サイズも大きなものが多く、最終総合計で100トンを越します。
訪問当日はメーカーの社長も同席し、社長の息子(管理責任者)を含めて担当者2名合計4名で終日打合せをしました。その後、工場見学をしましたが、工場内は整然としており、殆どの商品は機械加工で、工員の数も少なく、生産棟内で実際に作業をしていた工員は10数名程度でした。商品の在庫棟、原材料の管理棟でのスタッフも数人程度で管理していました。今回は時期的に殆どの従業員がクリスマス、新年の休暇中で、スタッフ全員揃ってないとの事でしたが、少人数で無駄のない会社(メーカー)との印象を強く感じました。日本で言う所の町工場を少し大きくした程度の企業(メーカー)です。訪問前は大企業を想像していたので、このメーカーが権威ある、あのアブダビ水道・電力省(ADWEA)のベンダー・リストに載っている承認メーカーである事に少し驚きを感じました。多分、承認用資料の作成と承認の取り方を熟知しているものと思われます。
今後も、海外メーカー調達が不可欠な当地に於いては、調達範囲を広げるべくあらゆる国のメーカーへのコンタクトを引き続き進めていきたいと改めて感じました。

2011.1

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Big5 皆さん、こんにちは。日本は師走に入り本格的な冬に差し掛かっていることと思います。
(UAEも朝晩は非常に寒くなってきました)

今月はここドバイで行われた建設業界向け国際展示会「Big 5」についてお話致します。
Big 5とはドバイで20年以上開催されている中東最大の建設業界向け国際展示会のことです。

今年は71カ国、2500社が出展しており、建設機械からドアノブまで様々な商品が展示されていました。お客様も世界中から来ており、まさに建設業界のワールドカップといったところでしょうか。
ちなみに最多出展国は中国で約470社でした。
中国のみならずイギリスやスペイン、ドイツなども国が全面的に支援し自国のパビリオンを作りPRしていました。各国の建設業界への期待が感じられます。
(※予断ですがBig 5の5とは世界5大陸という意味だそうです)

当社も在庫商品を中心に展示をさせていただき、ブースにも連日たくさんの方々に来訪いただきましたが、今年は昨年以上に、ビジネスに直結する可能性のあるお客様の来訪が多かったように感じます。


その主な要因は以下2点です。

ブースの様子1点目は、昨年とブース位置を変更したことです。
昨年は人通りの多いConcourse(通路)にブースを構えた為、来訪者自体は多かったのですが、ほとんどは何気なく通路を通った方、もしくは日本企業の出展にだけ興味を持った方だけで、商品説明まで辿り着くことは稀でした。

その点を解消しようと今年は会場内にブースを構えたことで客層が一変しました。来訪される方のほとんどが事前にブースに狙いをつけて回られている方で、来訪されるやいなや、自分たちの仕事をイメージしながら商品に関する質問をされたり、「是非代理店になりたい」などの要望がたくさん飛んで来ました。

2点目は昨年よりブースレイアウトにも拘ったことです。
ブースの様子プロモーションしたい商品をブース前面に置くことで商品を探していたお客様の目を引き、ブース内には来訪された方とじっくり話をするために、商談スペースを設けました。そうすることで「鉄は熱いうちに打て」ではないですが、ブース前で商品に興味を持って頂き、そのまま中の商談スペースで商談することで、より現実的かつ効率的な話し合いの場が持てるというレイアウトも良かったのだと思います。実際に日々3-4件は商談スペースでの商談がありました。

昨年、今年とBig5に参加してこのような展示会も日々の業務と同じく日進月歩だなと感じました。
4日間の開催ですが、通る人の見ているポイントや、近くのブースレイアウトを参考にしながら対象となる方に来てもらうブース作りを目指して動きました。

私は展示会とは、展示しているブースを商品に興味のある方が見つけられるかどうかの確率論だと思っていましたが大きな間違いだと気付きました。 商品に興味のある方に向けたブース作りに拘ることで、自然と興味のある方が集まる事を身をもって体験し非常に勉強になりました。まさに「(商品に興味のある)人が(商品に興味のある)人を呼ぶ」状態は築けるのだという事を学びました。

最後に、カタールが2022年サッカーワールドカップの開催国に中東で初めて選ばれました。映像に写って喜んでいた人のほとんどがインド人でしたが、開催までの残り12年間、カタールはサッカースタジアムやホテルの建設ラッシュになります。今回のBig 5での商談に加え、このビジネスチャンスに乗じていけるよう精進して参ります。

2010.12

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皆さん、こんにちは。今月はアラブ首長国連邦(以下 UAE)の気候についてお話しようと思います。

中東地域といえば「砂漠」「暑い」という言葉が出てくるかと思います。大正解です!(車のワイパーは雨用ではなく砂用です。)

私もサッカー日本代表が中東で試合をしていると、試合よりも・・・あのサウナにでも入っているかのような汗とカメラに付着した湿気が気になって仕方ありません。(私自身が汗かきなので)

調べて見ますとUAEには「砂漠」「暑い」だけでなく、四季がちゃんとあるそうですが、私には特に春も秋も冬も感じられず、体感的には真夏とちょっとした夏の二季制です。ちょっとした夏は11月~3月中旬までで気温は25℃程度、湿度は70%。それ以外は真夏です。真夏の最高気温は日なたで50℃を越します。(サウジアラビアの砂漠地帯では85℃を記録したこともあるそうです)

真夏に外を歩こうものなら5分で汗びっしょり。10分で上述の日本代表状態です。
(タバコを外で吸うのも命懸けです。どうしようもありません!笑)

また、日本では季節の変わり目を桜や紅葉で感じとることができますが、UAEでは目ではなく身をもって感じることができるのです。

ちょうど今の時期が季節の変わり目ですが、朝方は霧で1m先がまったく見えず、日中は信じられない程の砂嵐に見舞われます。
duvai
UAEが夏の終わりを拒み、必死で抵抗しているかのようです。日本も季節の変わり目は体調を崩しやすいですが、UAEでも湿気が非常に高く上述のような現象も起こるためより一層の体調管理が必要になります。

2010.11

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ラマダン中の飲食街今月のMonthly Reportは、中東と言えば必ず想起される「ラマダン」についてお話をさせて頂きます。

そもそも皆さんは「ラマダン」=「断食」だと思っていませんか?
実は私もそう思っておりましたが大きな勘違いでした。

ラマダンとはイスラム教を信仰する国(主に中東諸国、北アフリカ、パキスタン等)が用いるイスラム暦の第9番目の月の名前を指します。(ちなみにイスラム歴では今年は1431年です。)
イスラム教徒は約1ヶ月間、精神修養の為、断食を通し持たざる者の気持ちを理解し、持てる物への感謝をする精神を育みます。
中には唾さえも飲み込まない人もいるそうです。(誰も確認はできませんが。)
断食は、夜明けから日没の間までで、日没以降は多くのイスラム教徒が大食い選手権ばりに食事している光景を目の当たりにします。

補足ですが、イスラム歴には太陰暦による閏月の補正が無い為、毎年ラマダン開始日は変わります。
(2010年は8月11日でしたが2011年は8月1日の予定です。)
ラマダン月の開始、終了はイスラム教の長老が新月を確認しアナウンスしますが、天候や長老のスケジュールで確認出来なければ一日ずれる為、みんな1,2日前から「今夜か?今夜か?」とソワソワしています。

ラマダン中は、私達外国人もイスラム教徒同様、日中は屋外での飲食・喫煙禁止はもちろん、歌を歌ったり、人の悪口を言ったりすると警察に逮捕されてしまいます。
警察もラマダン期間中はお腹をすかせているせいか、一層取締りが厳しくなり、ちょっとしたことでも逮捕される可能性があります。
ショッピングモールもラマダン期間中は営業時間が夕方から深夜3時ぐらいまでになり、夜10時ごろ買い物に行くとまるで白昼のように子供が走り回り、人で溢れかえっています。これぞまさに昼夜逆転です。

ラマダンが明けるとそこから3日間は「イド・アル=フィトル(断食明けのお祝い) 」という祝日に入ります。
イスラム教徒は各国の名物料理を食べながら断食明けをお祝いし、外国人は数少ない祝日の為、近隣国へ旅行をしている人もいます。
イスラム教徒はまるで冬眠を終え春を待ち焦がれる動物のように一斉に表に出て来てそれまで溜め込んだエネルギーを爆発させるが如く遊んでいます。 これまでは道端でお酒に酔い潰れる光景も、時間に関係なく食事出来る事も、全て当たり前と思っていましたが、ここドバイで初めて宗教を主体とした生活を経験し、ある種の戸惑いと共に真剣に宗教を信仰する人たちを目の前に文化の違いを感じました。

ラマダン

中東は冬がオススメと旅行会社はPRしていますが、一度はこのラマダン月に旅行にいらっしゃるのも良い経験になるのではないでしょうか。日本では絶対に経験出来ないことがあなたを待ち受けていますよ!

2010.10

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今月のMonthly Reportは、今話題の「水ビジネス」におけるドバイ支店の活動をご紹介したいと思います。

中東諸国では、かねてより「水資源」が最も大きな国家的課題の一つとなっており、ここUAEでは年間降雨量が約100mm(東京は年間1500mm)とほとんど雨が降らない為、国民生活を保障する上でも生活用水の確保が急務になっています。

1900年代中頃より政府機関が中心となり、海水を淡水に変える「海水淡水化」プラントの建設が中東諸国で始まりました。
当社は、昨年来UAE内のAl Ainという地域における「Al Ain Water Distribution Network」プロジェクトにて鋼管を受注し、製造・船積みまでのコーディネートを担当しました。
これは政府系企業主導で、2009年から2013年までの5カ年で海水を淡水化しアブダビ首長国を中心に、主に家庭用水、農業用水として供給する一大プロジェクトです。

水とはいえ、広範囲に水を送り出すポンプと接合する鋼管ですので、価格競争力があり、水圧に耐えられ、かつ大口径(2200mm)の鋼管が必須条件で、それらを網羅出来るメーカーを探すところからすべては始まりました。
私自身このようなプロジェクトは初めての為、数え切れないほど失敗の連続でした。

海水淡水化ようやくトルコで製造可能なメーカーを見つけた後も、すべての作業が初物尽くしの中、トルコメーカーと、日本企業との文化的な違いによる様々なトラブルがありました。
そのような中、オーナーへの承認作業の為の書類作成、書類入手から顧客の様々なリクエストまで一つずつ解決していきました。

そして遂にさる8月22日、鋼管を乗せた船は一路サウジアラビアのコーティングメーカーへ向かったのです。
このプロジェクトは、UAE国内でも注目を集めており、それに参画し完遂した事は当社としても個人的にも大きな経験になったと確信しています。 また当プロジェクトは、国民の生活基盤を整える社会的意義もあります。

UAEのさらなる発展に寄与すべく参画出来た事を誇りに思います。 最後に、関係者皆様の御協力の下、無事完遂する事が出来た事を心より感謝し、これを良き経験として、今後も積極的な営業活動を行っていきたいと思います。

2010.9



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当ドバイ支店は
 1.海水淡水化等 水事業への配管材料販売
 2.PEX Pipe, ixPress Jointの拡販
 3.石油ガス関連産業及び建設工事用配管材在庫品(継手、フランジ、バルブ等)販売

の3事業を3本柱に日々営業活動を行っていますが今回は中核事業の1つ、PEX Pipe, ixPress Jointをご紹介したいと思います。
我々の扱うPEX PipeとはCross -Linked Polyethylene Pipe(架橋ポリエチレンパイプと呼ばれる樹脂管の1種)で主にビルや住宅の屋内の給水・給湯配管に使われます。

ixPress JointixPress Jointとは約8年前、大阪の継手メーカーである東尾メック株式会社によってPEX管用に開発されたプラスチック製継手で、
 ①特別な技術も道具もいらず、未熟練作業員でも継手を単に管に押し込むことで簡単に
  PEX 管に接合でき、大幅に配管工事の工期を短縮できる。
 ②接合するのに電気も燃料も要らずまた工事の残材も出ない環境に優しい継手である。
 ③25年間水漏れ無しのメーカー保証付きである。
という点にその大きな特色があります。

ただこのixPress JointはどのPEX管にも接合可能という訳ではなく、東尾メックがこれまで承認したBlansol社(スペイン)とGPCI社(U.A.E)2社のixPress PEX PipeをixPressJointと組み合わせたシステム商品として我々は中東市場への拡販を狙っています。

欧米や日本では屋内の給水・給湯配管材として近年はPEX管が主に使われるようになってきていますが、ここ中東では屋内の給水・給湯配管としてはPPR管(ポリプロピレン管)が依然、その廉価さから主に使われています。

PPR管と継手の接合には電気溶接方法が使われるのが一般的ですが、その溶接にはかなり高度の技術と経験が必要とされます。熟練溶接工の確保は難しく、その労賃も高く、PEX Pipeと比べ数多くの継手が必要とされます。また継手と管の溶接に時間がかかることから配管工事が長期化し、未熟練溶接工が行った工事では水漏れ事故が多発する等の理由から日本では今やPPR管はほとんど使われなくなっています。

 D-1 Towerしかしここ中東では効率性や商品としてのサービスや製品の質よりも価格の安さが優先され、インドやネパール、バングラデイッシュ等のアジアの国々からの出稼ぎ労働者の賃金も安く、水漏れは当たり前という状況です。

継手の価格は高くても効率的な施工で工期の大幅な短縮を実現し、トータルの工事費を削減でき、水漏れの無い質の高い配管工事を可能にするPEX Pipe+ixPressJoint配管システムの特色がなかなかストレートには理解されず、営業活動に時間がかかっています。一方、この新商品の良さを理解してくれるお客様の数も少しづつとはいえ着実に増えてきており、これまでドバイでは現在工事中 の80階建高級集合住宅のD-1タワープロジェクト、カタールではドーハ市郊外に建設中の国立会議場プロジェクトと、2件の大型物件を受注しています。

実際にPEX Pipe+ixPress Jointの配管システムをD-1 Tower Ceiling Piping施工していただいているお客様にはその施工の簡単さ、質の高さには勿論、私たちドバイ支店のお客様本位の細かいアフターサービスにも非常に満足していただいており、お客様の満足が私たちの大きな励みになっています。

PEX Pipe+ixPress Joint配管システムは非常に良い商品であり、近い将来、欧米諸国や日本の様にここ中東でも我々のこの商品が広く受け入れられ、中東の人々の生活の質の向上に少しでも貢献でき、お客様に喜んでもらえる日が来ることを確信してこれからも営業活動を続けてゆきます。

来月は「水事業」をご紹介します。


2010.8

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最初のReportとして、ドバイ支店のご案内をしたいと思います。

ドバイ支店1971年にアラブ首長国連邦は英国から独立しました。同国は7首長国で構成される連邦国家です。
その中でドバイ首長国は、早くから石油資源の枯渇に備えて産業多角化を図ってきました。
その受け皿としてドバイ政府は、1985年、ドバイ市郊外にジュベルアリ・フリーゾーンを設立、身元引受保証人が不要なことや、100%外資の承認、外国企業への優遇税制などが魅力となり、海外企業の進出が急増しました。

同フリーゾーンは湾岸地域の物流拠点として定着しています。2006年の同フリーゾーンへの進出企業は5,500社を超え、現在ではシャルジャ、アジュマンなど他の首長国でも多くのフリーゾーンが建設され、外資誘致の取り組みに成功を収めております。ドバイは中東のソフト開発拠点を目指す「ドバイ・インターネット・シティー」、中東における情報の集積・発信基地として「ドバイ・メディア・シティー」、総合金融センターを目指す「ドバイ国際金融センター」など、様々な産業誘致にも積極的に計画・実行を行っております。

2007年5月、このジュベルアリ・フリーゾーンにKanzaiはドバイ事務所を開設いたしました。
ドバイ事務所は中東を管轄する目的で、
〔日本管材センター株式会社 中近東支店(Nippon Kanzai Center CO., Ltd. Middle East Branch)〕
として会社登記をいたしました。

ドバイを拠点に中東地区でのビジネスを展開すると共に、アジアと欧州の文化の交差する中東で建築業界のグローバルスタンダードを学びつつ、ここ中東に類の無い、お客様のサービスと、新しい事へのチャレンジをモットーに、Kanzaiブランドを広めて参ります。


2010.7

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