平成17年1月12日
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六甲・淡路島断層帯の長期評価について
地震調査研究推進本部は、「地震調査研究の推進について−地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策−」(平成11年4月23日)を決定し、この中において、「全国を概観した地震動予測地図」の作成を当面推進すべき地震調査研究の主要な課題とし、また「陸域の浅い地震、あるいは、海溝型地震の発生可能性の長期的な確率評価を行う」とした。
地震調査委員会では、この決定を踏まえつつ、これまでに陸域の活断層として、73断層帯の長期評価を行い公表した。
今回、引き続き、六甲・淡路島断層帯について現在までの研究成果及び関連資料を用いて評価し、とりまとめた。
評価に用いられたデータは量及び質において一様でなく、そのためにそれぞれの評価の結果についても精粗がある。このため、評価結果の各項目について信頼度を付与している。
平成17年1月12日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 |
六甲・淡路島断層帯の評価
六甲・淡路島断層帯は、大阪府北西部から兵庫県の淡路島にかけて位置する活断層帯である。ここでは、平成8−9年度に神戸市、平成7年度及び13−15年度に兵庫県によって行われた調査をはじめ、これまでに行われた調査研究成果に基づいて、この断層帯の諸特性を次のように評価した。
1.断層帯の位置及び形態
六甲・淡路島断層帯は、大阪府箕面(みのお)市から兵庫県西宮市、神戸市などを経て淡路島北部に至る六甲・淡路島断層帯主部と淡路島中部の洲本市から南あわじ市に至る先山断層帯からなる。
六甲・淡路島断層帯主部は、断層の分布形態や過去の活動時期の違いなどから、長さ約71kmの六甲山地南縁−淡路島東岸区間及び長さ約23kmの淡路島西岸区間の2つに区分される。六甲・淡路島断層帯主部の全体の長さは約71kmでほぼ北東−南西方向に延びる。このうち、六甲山地南縁−淡路島東岸区間では、右横ずれを主体とし、北西側が相対的に隆起する逆断層成分を伴う。一方、淡路島西岸区間では、右横ずれを主体とし、南東側が相対的に隆起する逆断層成分を伴う(図1−1、図2−1、図2−2及び表1)。
先山断層帯は、長さが約12kmで、北西側が相対的に隆起する逆断層である(図1−1、図2−1及び表3)。
なお、六甲・淡路島断層帯の周辺には、有馬−高槻断層帯、大阪湾断層帯、中央構造線断層帯が近接して分布する(図1−2)。
2.断層帯の過去の活動
(1)六甲・淡路島断層帯主部
六甲・淡路島断層帯主部の最新活動と平均活動間隔は次のとおりである。
1995年(平成7年)の兵庫県南部地震(注1)では、淡路島西岸区間と六甲山地南縁−淡路島東岸区間のうちの、西宮市から明石海峡にかけての全長約30kmの範囲の地下で活動し、甚大な被害を生じた。淡路島西岸区間では断層活動が地表まで達し明瞭な地表地震断層が出現したほか、六甲山地南縁においては余震活動や地震波形の観測・解析等(注2)から地下において断層活動が起こったことが明らかになっている。ただし、六甲山地南縁において、測量観測とそれを基に解析された地殻変動は、六甲山地南縁−淡路島東岸区間全域には及んでおらず、変動量も淡路島西岸区間沿いに比べて小さかった。また、断層を挟んでの地殻変動も、淡路島西岸区間沿いほどは顕著でなかった。これらのことより、本評価では、兵庫県南部地震を淡路島西岸区間においては最大規模(以下、固有規模と記す)の地震と見なして最新活動としたが、六甲山地南縁−淡路島東岸区間においては固有規模の地震よりひとまわり小さい地震とみなして最新活動ではないと評価した。そのうえで、六甲山地南縁−淡路島東岸区間の固有規模の地震としての最新活動は、16世紀と推定されるものと評価した。
六甲・淡路島断層帯主部の平均活動間隔は、六甲山地南縁−淡路島東岸区間では9百−2千8百年程度、淡路島西岸区間では1千8百−2千5百年程度と推定される(表1)。
(2)先山断層帯
先山断層帯の最新活動時期は、11世紀以後17世紀初頭以前であった可能性がある。また、既往の調査研究成果による直接的なデータではないが、経験則から求めた1回のずれの量と平均的なずれの速度に基づくと、平均活動間隔は5千−1万年程度の可能性がある(表3)。
3.断層帯の将来の活動
(1)六甲・淡路島断層帯主部
六甲・淡路島断層帯主部は、六甲山地南縁−淡路島東岸区間と淡路島西岸区間が単独で、もしくは同時に活動する可能性がある(表1)。
六甲山地南縁−淡路島東岸区間のみが活動する場合、マグニチュード7.9程度の地震が発生すると推定される。この場合、5−6m程度の右横ずれを生じ、北西側が南東側に対して相対的に高まる段差や撓みを伴う可能性がある。
淡路島西岸区間のみが活動する場合、マグニチュード7.1程度の地震が発生する可能性がある。この場合、約2mの右横ずれを生じ、南東側が北西側に対して相対的に高まる段差や撓みを伴うと推定される。
また、六甲山地南縁−淡路島東岸区間と淡路島西岸区間が同時に活動する場合にはマグニチュード7.9程度の地震が発生すると推定される。
六甲・淡路島断層帯主部の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率は表2に示すとおりである。本評価で得られた地震発生の長期確率には幅があるが、その最大値を取ると、六甲・淡路島断層帯主部のうち六甲山地南縁−淡路島東岸区間は今後30年の間に地震が発生する確率が我が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属すこととなる(注3、4)。なお、断層帯主部の2つの区間が同時に活動する場合の確率は、六甲山地南縁−淡路島東岸区間あるいは淡路島西岸区間が単独で活動する場合の確率値を超えないものと考えられる。
(2)先山断層帯
先山断層帯は全体が1つの区間として活動し、マグニチュード6.6程度の地震が発生すると推定される。この場合、断層の北西側が南東側に対して相対的に1m程度高まる段差が生じる可能性がある(表3)。先山断層帯の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率は表4に示すとおりである(注3、4)。
4.今後に向けて
本評価では、大別して下記の3点が今後の課題として残された。
(1)兵庫県南部地震について
兵庫県南部地震では、淡路島の野島断層で地表地震断層が現われ、ずれの量も右横ずれ成分で約2m、上下成分で約1mと大きかったことから、この地震を断層帯主部淡路島西岸区間の固有規模の活動と評価した。一方、神戸側では顕著な地表地震断層は認められず、地震波から推定される規模(Mw6.4程度)などから、断層全体が活動する固有規模よりひとまわり小さい活動であると評価した。
しかし、現評価手法では、現実に発生したにもかかわらず、六甲山地南縁では地表に明瞭な痕跡を残さなかった兵庫県南部地震のような地震を、地表の断層地形と正しく結びつけて評価することができない。1つには、固有地震よりひとまわり小さい地震が評価の対象となっていないためであり、もう1つは、近接する断層が連動して、1つの地震として活動する確率を評価する手法が確立されていないからである。
したがって、次項に述べるように、固有規模よりひとまわり小さい地震の評価が可能となるように調査研究を進める必要がある。
さらに、確率論的地震動予測地図の試作版(地域限定−西日本)「平成16年3月25日公表」では、南海トラフ沿いの巨大地震の連動の確率を用いているが、暫定的なものに止まっている。このように、近接する活断層が連動して1つの地震が発生する確率の評価手法を確立するための調査研究も重要である。
(2)固有規模よりひとまわり小さい地震について
兵庫県南部地震に限らず、固有規模の地震よりもひとまわり小さい地震であっても、甚大な被害が生じることがある。一方、ひとまわり規模の小さい地震は、地表に明瞭な痕跡を残さないことが多いため、先史時代の活動履歴を調査することは極めて困難であり、地震発生確率の考え方としても、前回の活動からの経過時間に規定されるとする考え方である更新過程も適用できないと考えられる。このため、固有規模の地震と同様の精度で将来の発生を予測することができない。
主要な98の活断層帯の固有規模の地震については、とりあえず現時点で判明した断層の性状と地震の発生予測を示すことで、第一段階の目的を達しつつあるものと考えるが、今後はこのようなひとまわり小さい規模の地震についても将来の発生の可能性を評価に取り入れることを視野に入れた調査研究を行っていく必要がある。
ひとまわり小さい規模の地震の評価については、従来の評価手法では十分に評価することができないが、地震調査研究推進本部発足以来、調査観測が著しく充実したことにより、「地震」そのものの評価手法は長足の進歩を遂げてきている。兵庫県南部地震等の最近発生したひとまわり小さい規模の地震に関して得られた知見を活かすと共に、今後行われる重点的調査観測においても、固有規模の地震以外の地震の解明も視野に収めた稠密な調査観測の重要性が増大するものと考えられる。
(3)歴史地震の扱いについて
今回の評価では、断層帯主部六甲山地南縁−淡路島東岸区間における最新活動を地形地質的に認められる16世紀としているものの、1596年の慶長伏見地震とは特定しなかった。これは、16世紀前半の歴史記録が十分ではないことから、このような地震が16世紀前半に発生していながら記録に残っていない可能性を無視しえなかったためである。仮に、六甲山地南縁−淡路島東岸区間における最新活動が1596年の慶長伏見地震であった場合、六甲山地南縁−淡路島東岸区間における将来の地震発生確率は、30年確率が0.1%まで低下する。このように、歴史地震との対応を明確にすることは、将来の発生の可能性を精度良く評価するために極めて有効であることから、今後とも地形地質学的調査や古文書調査等による最新活動時期のさらなる絞り込みを行うことが必要である。
このほか、有馬−高槻断層帯をはじめ周辺に分布する断層帯(図1−2)との関連についても検討していく必要がある。
表1 六甲・淡路島断層帯主部の特性
項 目 | 特 性 | 信頼度 (注5) |
根 拠 (注6) |
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1.断層帯の位置・形態 | ||||
(1) 断層帯を構成す る断層 |
・ 六甲山地南縁−淡路島東岸区間 野畑 (のばたけ) 断層、昆陽池 (こやい け) 陥没帯、伊丹断層、西宮撓曲、芦屋 断層、五助橋断層、岡本断層、諏訪山断 層、元町撓曲、須磨断層、横尾山断層、 仮屋断層、楠本断層、東浦断層、野田尾 断層、仮屋沖断層など ・ 淡路島西岸区間 高磯断層、野島断層、水越撓曲、浅野断 層など |
文献1、5、7、 9、14、17、18及 び19による。 |
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(2) 断層帯の位置・ 形状 |
地表における断層帯の位置・形状 断層帯の位置 六甲・淡路島断層帯主部全体 (北東端) 北緯34°50′東経135°31′ (南西端) 北緯34°27′東経134°52′ ・ 六甲山地南縁−淡路島東岸区間 (北東端) 北緯34°50′東経135°31′ (南西端) 北緯34°27′東経134°52′ ・ 淡路島西岸区間 (北東端) 北緯34°38′東経135°06′ (南西端) 北緯34°31′東経134°52′ 長さ ・ 六甲・淡路島断層帯主部全体 約71km ・ 六甲山地南縁−淡路島東岸区間 約71km ・ 淡路島西岸区間 約23km |
○ ○ ○ ○ △ △ ○ ○ △ |
文献1、5、7、 9、14、17、18及 び19による。 位置及び長さは、 図2から計測。 |
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地下における断層面の位置・形状 長さ及び上端の位置 地表での長さ・ 位置と同じ 上端の深さ 0km 一般走向 ・ 六甲・淡路島断層帯主部全体 N50°E ・ 六甲山地南縁−淡路島東岸区間 (六甲山地南縁部分) N60°E (淡路島東岸部分) N40°E ・ 淡路島西岸区間 N60°E 傾斜 ・ 六甲山地南縁−淡路島東岸区間 (六甲山地南縁部分) 50−70°北西傾斜 (約1 km以浅) (淡路島東岸部分) 高角度北西傾斜 (淡路島部分では約2km以浅) (仮屋沖断層では約3km以浅) ・ 淡路島西岸区間 約80°南東傾斜 (約600m以浅) 幅 ・ 六甲・淡路島断層帯主部 ・ 六甲山地南縁−淡路島東岸区間 (六甲山地南縁) 15−20km程度 (淡路島東岸) 15km程度 ・ 淡路島西岸区間 15km程度 |
○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ |
上端の深さが0km であることから推 定。 主部全体の一般走 向は、断層帯主部 の両端を直線で結 んだ方向 (図2参 照)。 各区間の走向は区 間の端点を直線で 結んだ方向 (図2 参照) 六甲山地南縁は、 反射法弾性波探査 結果 (文献6、 10、18及び19) などから総合的に 判断。 淡路島東岸部分 は、トレンチ調査 (文献3) と反射 法弾性波探査結果 (文献15、17な ど)による。 淡路島西岸部分 は、ボーリング結 果 (文献16) から 推定。 幅は、地震発生層 の下限の深さが15 kmであることから 推定。 |
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(3) 断層のずれの向 きと種類 |
・ 六甲山地南縁−淡路島東岸区間 主として右横ずれ断層で北西側隆起の逆 断層成分を伴う ・ 淡路島西岸区間 右横ずれ断層で南東側隆起の逆断層成分 を伴う |
◎ ◎ |
文献1、3、5、 7、11、14及び 18などに示された 地形の特徴によ る。 |
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2.断層帯の過去の活動 | ||||
(1) 平均的なずれの 速度 |
・ 六甲山地南縁−淡路島東岸区間 2m/千年程度 (右横ずれ成分) 約0.4m/千年 (上下成分) ・ 淡路島西岸区間 約0.7m/千年 (右横ずれ成分) 約0.3m/千年 (上下成分) |
△ △ ○ ○ |
六甲山地南縁−淡 路島東岸区間は文 献11及び14によ る。 淡路島西岸区間は 文献13による。 |
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(2) 過去の活動時期 | 六甲山地南縁−淡路島東岸区間 活動1 (最新活動時期) 16世紀 活動2 (1つ前の活動) 約3千2百年前以後、6世紀以前 淡路島西岸区間 活動1 (最新活動時期) 1995年の兵庫県南部地震 (注1、2) 活動2 (1つ前の活動) 約2千年前以後、4世紀以前 活動3 (2つ前の活動) 約5千1百年前以後、3千7百年前以前 |
○ ○ ◎ ○ ○ |
説明文参照。 六甲山地南縁−淡 路島東岸区間は文 献3及び12によ る。 淡路島西岸区間は 地震観測結果等 (説明文参照) と 文献4による。 |
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(3) 1回のずれの量 と平均活動間隔 |
1 回のずれの量 六甲山地南縁−淡路島東岸区間 5−6m程度 (右横ずれ成分) 上下成分を伴う 淡路島西岸区間 約2m (右横ずれ成分) 約1m (上下成分) 平均活動間隔 六甲山地南縁−淡路島東岸区間 9百−2千8百年程度 淡路島西岸区間 1千8百−2千5百年程度 |
△ ○ ○ ○ ○ |
説明文参照。 六甲山地南縁−淡 路島東岸区間は、 断層帯の長さから 推定。 淡路島西岸区間は 兵庫県南部地震で の変位 (文献2) による。 説明文参照。 六甲山地南縁−淡 路島東岸区間、淡 路島西岸区間とも に過去の活動時期 から算出。 |
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(4) 過去の活動区間 | 各区間単独、六甲山地南縁−淡路島東岸区 間と淡路島西岸 なお、兵庫県南部地震では、淡路島西岸区 間と六甲山地南縁−淡路島東岸区間のうち の、西宮市から明石海峡にかけての全長約 30kmの範囲の地下が活動。 |
○ | 過去の活動から 推定。 |
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3.断層帯の将来の活動 | ||||
(1) 将来の活動区間 及び活動時の地 震の規模 |
活動区間: 各区間単独、六甲山地南縁−淡路島東岸区 間と淡路島西岸区間 地震の規模とずれの量: ・ 六甲山地南縁−淡路島東岸区間 地震の規模:マグニチュード 7.9程度 ずれの量 : 5−6m程度 (右横ずれ) 上下成分を伴う ・ 淡路島西岸区間 地震の規模:マグニチュード7.1程度 ずれの量 :約2m (右横ずれ) 上下成分を伴う ・ 六甲山地南縁−淡路島東岸区間と淡路島 西岸が同時に活動する場合 地震の規模:マグニチュード7.9程度 |
○ ○ △ △ ○ ○ |
過去の活動から推 定。 六甲山地南縁−淡 路島東岸区間の地 震の規模とずれの 量は断層の長さか ら推定。 淡路島西岸区間の 地震の規模は断層 の長さから推定し、 ずれの量は過去の 活動から推定。 同時に活動する場 合の規模は断層の 長さから推定。 |
表2 六甲・淡路島断層帯主部の将来の地震発生確率等
項 目 | 将来の地震発生確率等 (注7、8) |
信頼度 (注9) |
備 考 |
六甲山地南縁−淡路島東岸区間 地震後経過率 (注10) 今後30年以内の地震発生確率 今後50年以内の地震発生確率 今後100年以内の地震発生確率 今後300年以内の地震発生確率 集積確率 (注11) |
0.1−0.6 ほぼ0%−0.9% ほぼ0%−2% ほぼ0%−5% ほぼ0%− 40% ほぼ0%−1% |
a | 発生確率及び集積 確率は、文献8に よる。 |
淡路島西岸区間 地震後経過率 (注10) 今後30年以内の地震発生確率 今後50年以内の地震発生確率 今後100年以内の地震発生確率 今後300年以内の地震発生確率 集積確率 (注11) |
0.004−0.006 ほぼ0% ほぼ0% ほぼ0% ほぼ0% ほぼ0% |
a | 発生確率及び集積 確率は、文献8に よる。 |
表3 先山断層帯の特性
項 目 | 特 性 | 信頼度 (注5) |
根 拠 (注6) |
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1.断層帯の位置・形態 | ||||
(1)
断層帯を構成す る断層 |
先山断層、安乎 (あいが) 断層、厚浜断層 | 文献14による。 |
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(2)
断層帯の位置・ 形状 |
地表における断層帯の位置・形状 断層帯の位置 (北端) 北緯34°25′東経134°53′ (南端) 北緯34°20′東経134°49′ 長さ 約12km |
○ ○ ○ |
文献14による。 位置及び長さは図 2から計測。 |
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地下における断層面の位置・形状 長さ及び上端の位置 地表での長さ・ 位置と同じ 上端の深さ 0km 一般走向 N30°E 傾斜 北西傾斜 (地表付近) 幅 不明 |
○ ◎ ○ ○ |
上端の深さが0km であることから推 定。 一般走向は断層 の両端を直線で 結んだ方向 (図2 参照)。 傾斜は、断層露頭 (文献20) から推 定。 地震発生層の下限 の深さは15km。 |
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(3)
断層のずれの向 きと種類 |
北西側隆起の逆断層 |
○ |
文献14などによ る。 |
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2.断層帯の過去の活動 | ||||
(1)
平均的なずれの 速度 |
0.1−0.2m/千年程度 | △ |
文献20による。 |
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(2) 過去の活動時期 | 活動1
(最新活動時期) 11世紀以後、17世紀初頭以前 |
△ |
文献20による。 |
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(3)
1回のずれの量 と平均活動間隔 |
1回のずれの量:
1m程度 (上下成分) 平均活動間隔 5千―1万年程度 |
△ △ |
断層の長さから推 定。 平均活動間隔は 1回のずれの量と 平均的なずれの速 度から推定。 |
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(4) 過去の活動区間 | 断層帯全体で1区間 | ○ | 断層の地表形態か ら推定。 |
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3.断層帯の将来の活動 | ||||
(1)
将来の活動区間 及び活動時の地 震の規模 |
活動区間 断層帯全体で1区間 地震の規模 マグニチュード6.6程度 ずれの量 1m程度 (上下成分) |
○ ○ △ |
断層の地表形態か ら推定。 断層の長さから推 定。 断層の長さから推 定。 |
表4 先山断層帯の将来の地震発生確率等
項 目 将来の地震発生確率等
(注7)信頼度
(注9)備 考
地震後経過率 (注10)
今後30年以内の地震発生確率
今後50年以内の地震発生確率
今後100年以内の地震発生確率
今後300年以内の地震発生確率
集積確率 (注11)
0.04−0.2
ほぼ0%
ほぼ0%
ほぼ0%
ほぼ0%
ほぼ0%
c
発生確率及び集積
確率は、文献8によ
る。
注1: | 1995年の兵庫県南部地震の正式名称(気象庁命名)は、「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」であるが、本評価では、既往の地震調査研究推進本部地震調査委員会の活断層評価に準じ西暦優先にて表記している。なお、本評価文中では、単に兵庫県南部地震と記した場合もある。なお、本地震の気象庁マグニチュードはM7.3である。 | ||
注2: | 1995年の兵庫県南部地震の余震活動や地震波形の観測・解析結果の詳細は、説明文を参照のこと。 | ||
注3: | 我が国の陸域及び沿岸域の主要な98の活断層帯のうち、2001年4月時点で調査結果が公表されているものについて、その資料を用いて今後30年間に地震が発生する確率を試算すると概ね以下のようになると推定される。 | ||
98断層帯のうち約半数の断層帯:30年確率の最大値が0.1%未満 98断層帯のうち約1/4の断層帯:30年確率の最大値が0.1%以上−3%未満 98断層帯のうち約1/4の断層帯:30年確率の最大値が3%以上 (いずれも2001年4月時点での推定。確率の試算値に幅がある場合はその最大値を採用) |
|||
この統計資料を踏まえ、地震調査委員会の活断層評価では、次のような相対的な評価を盛り込むこととしている。 | |||
今後30年間の地震発生確率(最大値)が3%以上の場合: | |||
「本断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになる」 | |||
今後30年間の地震発生確率(最大値)が0.1%以上−3%未満の場合: | |||
「本断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属することになる」 | |||
注4: | 1995年兵庫県南部地震、1858年飛越地震及び1847年善光寺地震の地震発生直前における30年確率と集積確率は以下のとおりである。なお、「地震発生直前における30年確率と集積確率」算出の目的は、地震発生前に本評価と同様な評価を行ったと仮定したときに、地震発生直前にどのような確率値が得られていたはずかを示すことにある。このような観点から、本評価(断層帯主部淡路島西岸)で得られた過去の活動時期(活動2−3)に基づき、兵庫県南部地震(活動1)を含めずに平均活動間隔を約1千7百−3千5百年と求め、兵庫県南部地震直前の確率値を算出していることに留意が必要である。 |
地震名 活動した活断層 地震発生直前の
30年確率 (%)地震発生直前の
集積確率 (%)断層の平均活動
間隔 (千年)1995年兵庫県南部地震
(M7.3)六甲・淡路島断層帯
主部淡路島西岸区間
「野島断層を含む区
間」 (兵庫県)0.02%−8% 0.06%−80% 約1.7−約3.5 1858年飛越地震
(M7.0−7.1)跡津川断層帯
(岐阜県・富山県)ほぼ0%−13% ほぼ0%−
90%より大約1.7−約3.6 1847年善光寺地震
(M7.4)長野盆地西縁断層帯
(長野県)ほぼ0%−20% ほぼ0%−
90%より大約0.8−約2.5
「長期的な地震発生確率の評価手法について」(地震調査研究推進本部地震調査委員会,2001a)に示されているように、地震発生確率は前回の地震後、十分長い時間が経過しても100%とはならない。その最大値は平均活動間隔に依存し、平均活動間隔が長いほど最大値は小さくなる。平均活動間隔が1千年の場合は30年確率の最大値は20%程度、3千年の場合は8%程度である。 | ||
注5: | 信頼度は、特性欄に記載されたデータの相対的な信頼性を表すもので、記号の意味は次のとおり。 ◎:高い、○:中程度、△:低い |
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注6: | 文献については、本文末尾に示す以下の文献。 文献1:粟田(1996a) 文献2:粟田・水野(1998) 文献3:粟田・角井(1996a) 文献4:粟田・鈴木(1996a) 文献5:粟田・鈴木(1996b) 文献6:兵庫県(1996) 文献7:岩渕ほか(1995) 文献8:地震調査研究推進本部地震調査委員会(2001a) 文献9:活断層研究会編(1991) 文献10:神戸市(1997) 文献11:神戸市(1998) 文献12:Maruyama and Lin(2000) 文献13:水野ほか(1990) 文献14:岡田・東郷編(2000) 文献15:Sato et al.(1998) 文献16:田中ほか(1999) 文献17:横倉ほか(1998) 文献18:横倉ほか(1999) 文献19:横田ほか(1997) 文献20:吉岡ほか(1997) |
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注7: | 評価時点はすべて2005年1月1日現在。「ほぼ0%」は10−3%未満の確率値を示す。なお、先山断層帯の場合、計算に当たって用いた平均活動間隔の信頼度は低い(△)ことに留意されたい。 | |
注8: | 本評価では、六甲・淡路島断層帯主部の六甲山地南縁−淡路島東岸区間の最新活動を16世紀と評価した(説明文2.1.2(2)参照)が、仮に1596年の慶長伏見地震が最新活動であったとして確率等を計算すると、地震後経過率の最大値は0.5、地震発生確率(30年確率)の最大値は0.1%(50年、100年、300年確率の最大値はそれぞれ0.2%、1%、20%)、集積確率の最大値は0.05%となる。 | |
注9: | 地震後経過率、発生確率及び現在までの集積確率(以下、発生確率等)の信頼度は、評価に用いた信頼できるデータの充足性から、評価の確からしさを相対的にランク分けしたもので、aからdの4段階で表す。各ランクの一般的な意味は次のとおりである。 a:(信頼度が)高い b:中程度 c:やや低い d:低い 発生確率等の評価の信頼度は、これらを求めるために使用した過去の活動に関するデータの信頼度に依存する。信頼度ランクの具体的な意味は以下のとおりである。分類の詳細については付表を参照のこと。なお、発生確率等の評価の信頼度は、地震発生の切迫度を表すのではなく、発生確率等の値の確からしさを表すことに注意する必要がある。 発生確率等の評価の信頼度 |
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a:過去の地震に関する信頼できるデータの充足度が比較的高く、これを用いて求めた発生確率等の値の信頼性が高い。 b:過去の地震に関する信頼できるデータの充足度が中程度で、これを用いて求めた発生確率等の値の信頼性が中程度。 c:過去の地震に関する信頼できるデータの充足度が低く、これを用いて求めた発生確率等の値の信頼性がやや低い。 d:過去の地震に関する信頼できるデータの充足度が非常に低く、これを用いて求めた発生確率等の値の信頼性が低い。このため、今後の新しい知見により値が大きく変わる可能性が高い。または、最新活動時期のデータが得られていないため、現時点における確率値が推定できず、単に長期間の平均値を確率としている。 |
||
注10: | 最新活動(地震発生)時期から評価時点までの経過時間を、平均活動間隔で割った値。最新の地震発生時期から評価時点までの経過時間が、平均活動間隔に達すると1.0となる。今回の評価(六甲・淡路島断層帯主部六甲山地南縁−淡路島東岸区間の場合)の数字で、0.1は4百年を2千8百年で割った値で、0.6は5百年を9百年で割った値。 | |
注11: | 前回の地震発生から評価時点までの間に地震が発生しているはずの確率。 |
(説明)
1.六甲・淡路島断層帯に関するこれまでの主な調査研究
六甲地域では、Huzita(1967)やHuzita et al.(1971)によって、六甲山地を含む神戸市域の広域地質について記載がなされた。笠間・岸本(1974)により神戸市街地における地盤分類が試みられ、主としてボーリングデータに基づく市街地直下の伏在断層の議論がなされた。また、藤田・笠間(1982,1983)により5万分の1図幅の地質図が刊行された。
淡路地域では、水野ほか(1990)、活断層研究会編(1991)、高橋ほか(1992)及び市原編(1993)などの地質図や編集図が刊行され、活断層の存在自体の記載はされてきたが、詳細な活動履歴調査等は行われてこなかった。
1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震(マグニチュード7.3:注1)での甚大な被害を受けて、数多くの多面的な調査・研究が実施されてきた。
兵庫県南部地震発生直後には、神戸市街地における地震断層の有無の検討や「震災の帯」の原因解明のための調査が実施された(平野・波田,1997;竹村,1997など)。
野島断層に代表される地表地震断層については、中田ほか(1995)、林ほか(1995)、皆川ほか(1995)、粟田ほか(1996b)、尾高ほか(1996)及び植村(1996)などに詳しく記載されている。また、六甲山地南縁や淡路島北部地域の陸域の活断層については、中田ほか(1996)、渡辺ほか(1996a,b,c)、吾妻(1997)、兵庫県(1997)、神戸市(1997,1998)などにまとめられている。
トレンチ調査などの活動履歴に関する調査は、粟田・鈴木(1996a,b)、鈴木ほか(1996)などにより野島断層で、粟田・角井(1996a,b,c)、水野ほか(1996)及び吉岡ほか(1997)などによりその他の淡路島内に分布する断層で実施されている。また、神戸市側では、兵庫県(1996)、神戸市(1997,1998)、Lin et al.(1998,1999)及びMaruyama and Lin(2000)などによる活動履歴調査が実施されている。さらに、兵庫県(2002,2003,2004)は、主として六甲山地の北側に分布する断層の活動履歴調査を実施している。
また、反射法弾性波探査、音波探査及びボーリング調査等による地下構造調査については、海上保安庁水路部(1995a,b)、岩淵ほか(1995)、皆川ほか(1995)、粟田(1996a)、遠藤ほか(1996)、兵庫県(1996)、神戸市(1997,1998)、岩崎ほか(1998)、村田ほか(1998)、Sato et al.(1998)、横倉ほか(1998,1999)及び渡辺・鈴木(2000)などにより実施・報告されている。
兵庫県南部地震の余震活動の観測結果は、吉川・伊藤(1995)や気象庁(1997)に詳しいが、その後の地震観測結果でも断層帯の走向に沿った微小地震活動が観測されている(地震観測結果参照)。さらに、地震波形解析による震源過程の調査・研究も行われ(菊地,1995a,b,c;Sekiguchi et al.,1996,2000;Wald,1996;堀川,1998など)、地下深部における震源断層の形状や断層破壊過程等についての研究が進められるきっかけとなった。
測地学的な調査・研究についても、従来からの水準測量に加え、GPSや干渉SARを用いて行われ(測地観測結果参照)、六甲・淡路島断層帯周辺地域における地形変形の度合いが3次元的に調査・研究されるようになった(Hashimoto et al.,1996など)。
2.六甲・淡路島断層帯の評価結果
六甲・淡路島断層帯は、大阪府の北西部から六甲山地の南縁に沿って延び、明石海峡を経て兵庫県の淡路島中部まで、ほぼ北東−南西方向に位置する断層帯である。
六甲・淡路島断層帯は、松田(1990)の起震断層の定義に基づけば、大阪府箕面(みのお)市から兵庫県西宮市、神戸市などを経て淡路島北部に至る六甲・淡路島断層帯主部と淡路島中部の洲本市から南あわじ市に至る先山断層帯の2つに区分される。ここで、先山断層帯は、志筑断層帯(後述)が横切ることから六甲・淡路島断層帯主部と連続しないと考えられるため単独の起震断層として扱うこととし、長さが20km未満と地震調査研究推進本部(1997)の基準を満たさないものの、トレンチ調査等により活動履歴に関する資料が得られているので本評価の対象とした。
神戸市垂水区にほぼ南北に分布する高塚山断層と、淡路島中部の津名(つな)郡一宮町から同郡五色町かけてほぼ北東−南西方向に分布する一宮撓曲帯から鮎原撓曲等を含む断層群(便宜的に「鮎原付近の断層帯」と呼ぶ)については、長さが20kmに満たず詳細な調査が行われていないことから、詳細な評価の対象としないこととした(図3)。
淡路島中部に分布する志筑断層帯については、津名郡一宮町の沖合いに示された断層線(海上保安庁,1995a)を加えても長さが20km未満と地震調査研究推進本部(1997)の基準を満たさないため、詳細な評価の対象としないこととした(図3)。なお、志筑断層帯の南東延長海底には、横倉ほか(1998)によって北西−南東方向の断層が図示されているが、ここでは岩渕ほか(2000)に従って、志筑断層帯とは連続しない断層とした。
淡路島南西部に分布する飯山寺断層帯については、南あわじ市北西沖に示された断層線(海上保安庁,1995b)を加えても長さが20km未満と地震調査研究推進本部(1997)の基準を満たさず、水野ほか(1996)によりトレンチ調査等が実施されているものの活動履歴に関する情報が得られていないため、詳細な評価の対象としないこととした(図3)。
六甲・淡路島断層帯主部の北部延長には有馬−高槻断層帯が、淡路島南部には中央構造線断層帯が、南東部海域には大阪湾断層帯が比較的近接して分布するが(図1−2)、これらについては別途取り扱って評価している(地震調査研究推進本部地震調査委員会;2001b,2003,2005)。
2.1 六甲・淡路島断層帯主部
2.1.1 六甲・淡路島断層帯の位置及び形態
(1)六甲・淡路島断層帯を構成する断層
六甲・淡路島断層帯主部(以下、断層帯主部と記す)は、大阪府北西部から兵庫県の淡路島北部にかけて、いわゆる近畿三角帯の西北縁に位置する断層帯である。断層帯主部を構成する主な断層は、おおむね北東から野畑(のばたけ)断層、昆陽池(こやいけ)陥没帯、伊丹断層、西宮撓曲、甲陽断層、芦屋断層、五助橋断層、大月断層、岡本断層、諏訪山断層、元町撓曲(注12)、板宿断層、須磨断層、高磯断層、仮屋断層、楠本断層、東浦断層、野田尾断層、野島断層、水越撓曲、浅野断層、仮屋沖断層などである。
これらの断層は、断層の分布形態や後述する過去の活動などから、六甲山地南縁−淡路島東岸区間と淡路島西岸区間の2つに分けられる。
個々の断層の位置は、主として岡田・東郷編(2000)によるが、高磯断層と仮屋断層は横倉ほか(1998)、水越撓曲の南西部分は粟田・鈴木(1996a)によった。また、これらの断層の名称は、主として岡田・東郷編(2000)によるが、高磯断層については粟田ほか(1996a)、仮屋断層については活断層研究会編(1991)によった。
さらに、神戸市須磨区の沖合約1kmから南西方向に、淡路島東岸区間の東方をほぼ平行に延びる仮屋沖断層も断層帯主部に含めた。仮屋沖断層の位置は、岩渕ほか(1995)、粟田(1996a)及び横田ほか(1997)による音波探査結果と反射法弾性波探査結果に基づいて推定し、名称は神戸市(1998)によった。
(2)断層面の位置・形状
断層帯主部は、大阪府箕面(みのお)市から六甲山地の南縁に沿って、池田市、兵庫県伊丹市、宝塚市、西宮市、芦屋市、神戸市及び明石市を経て、明石海峡から淡路島に延び、津名郡淡路町、北淡(ほくだん)町及び東浦町を経て、津名町に至るほぼ北東―南西走向の断層帯であり、六甲山地南縁−淡路島東岸区間と淡路島西岸区間の2つに分けることができる。
このうち、六甲山地南縁−淡路島東岸区間の長さ及び一般走向は、図2に示された断層帯主部の北東端と南西端を結ぶとそれぞれ約71km、N50°Eで、構成する断層が並走しながら断続的に分布している。
また、淡路島西岸区間の長さ及び一般走向は、図2に示された北東端と南西端を結ぶと約23km、N60°Eである。ここで、淡路島西岸区間の北東端は、断層の地表での分布位置が収斂(しゅうれん)する神戸市垂水(たるみ)区塩屋(しおや)付近とし、南西端は水越撓曲における粟田・鈴木(1996b)の反射法弾性波探査調査結果に基づき、岡田・東郷編(2000)の南西端を約1km延長した。
断層面上端の深さは、断層変位が地表に達していることからいずれも0kmとした。
六甲山地南縁−淡路島東岸区間における断層面の傾斜は、六甲山地南縁部分では反射法弾性波探査(兵庫県,1996;神戸市,1997;横倉ほか,1999など)の結果(図4、5)から総合的に判断すると、深さ約1km以浅では約50−70°の北西傾斜と推定される。淡路島東岸部分における断層面の傾斜は、粟田・角井(1996a)によるトレンチの壁面から、地表付近ではほぼ垂直と推定される。また、Sato et al.(1998)による淡路島から大阪湾にかけての反射法弾性波探査では、深さ2km程度に相当する時間断面図において東浦断層及び仮屋断層とされる高角度北西傾斜の構造が認められ(図6)、この測線の北側(楠本断層及び仮屋断層)における産業技術総合研究所の未公表資料でも同様の構造が認められる。よって、深さ約2km以浅では高角度北西傾斜と推定される。さらに、沖合いの仮屋沖断層では横倉ほか(1998)、Sato et al.(1998)などによる反射法弾性波探査結果(図7)から、深さ約3kmまでは70°程度の北西傾斜と推定される。
淡路島西岸区間における断層面の傾斜は、田中ほか(1999)によるボーリングコアの解析結果から、深さ約600m以浅では約80°の南東傾斜と推定される。
断層帯主部周辺においては、地震発生層の下限の深さが約15kmと推定されること(後述)から、断層面の傾斜が地下深部でも地表付近と同様であるとすれば、六甲山地南縁−淡路島東岸区間の断層面の幅は、六甲山地南縁部分では15−20km程度、淡路島東岸区間では15km程度と推定される。また、淡路島西岸区間の断層面の幅も15km程度と推定される。
(3)断層の変位の向き(ずれの向き)(注13)
断層帯主部のうち、六甲山地南縁−淡路島東岸区間では、反射法弾性波探査及び断層変位地形などから、全体的に右横ずれが主体で、相対的に北西側が隆起する成分を伴っていると考えられる。一方、淡路島西岸区間では、右横ずれが主体で、相対的に南東側が隆起する成分を伴っていると考えられる。
2.1.2 断層帯の過去の活動
(1)平均変位速度(平均的なずれの速度)(注13)
<六甲山地南縁−淡路島東岸区間>
○平均横ずれ変位速度
岡田・東郷編(2000)は、諏訪山断層(神戸市灘区)を横切る河谷に約110mの右横ずれ屈曲があることから、約6万年前の中位段丘形成より後に変位が生じたとして、右横ずれ変位速度を約2m/千年としている。また、藤田・笠間(1982)は、五助橋断層を横切る石屋(いしや)川支流に約300mの右横ずれ屈曲があることから、約20万年前の高位段丘形成より後に変位が生じたとして右横ずれ変位速度を約1.5m/千年としている。
以上より、六甲山地南縁−淡路島東岸区間における平均横ずれ変位速度は2m/千年程度の可能性がある。
なお、活断層研究会編(1991)は、大月断層の約50万年前の河谷に約100mの右ずれがあるとして、右横ずれ変位速度を約0.2m/千年としているが、年代値の根拠が明確でないことと断層が並走する断層帯の北西部分に位置することから、本評価の代表値としては採用できない。また、活断層研究会編(1991)は、五助橋断層を横切る約50万年前の河谷に約400mの右ずれがあるとして、右横ずれ変位速度を約0.8m/千年としているがこれも年代根拠が明らかでないため参考値とする。さらに、粟田・角井(1996a)は、野田尾断層の津名郡東浦町野田尾地区で、姶良Tn火山灰(注14;約2万8千年前降下)層を直上に載せるL1段丘に約14mの上下変位と約25mの右横ずれがあることから、段丘の年代を約3−5万年前、実変位量を約28mとして、変位速度は約0.6−0.9m/千年としている。この資料より、右横ずれ成分で約0.5−0.8m/千年、上下成分で約0.3−0.5m/千年の値を得ることができるが、この地点が断層帯の末端に近いことや並走する断層が存在することから、この値も参考扱いとする。
○平均上下変位速度
神戸市(1998)が岡本断層(神戸市東灘区岡本地区)で実施した群列ボーリング(図8)で姶良Tn火山灰層に約12mの高度差があることから、平均上下変位速度は約0.4m/千年と求められる。
また、神戸市(1998)が元町撓曲(神戸市須磨区東部から長田区南西部)で実施したボーリングで、鬼界アカホヤ火山灰(注14;約7千3百年前降下)層に約2mの高度差、姶良Tn火山灰層に約6mの高度差があることから、平均上下変位速度は約0.2−0.3m/千年と求められる。なお、神戸市(1997)が元町撓曲で実施したボーリングではMa−12層に10m以上の高度差があることから、Ma−12層を約10万年前とすると平均上下変位速度は約0.1m/千年以上と求められる。
さらに、岡田・東郷編(2000)では、五助谷の露頭において、約3万2千年前の段丘堆積物が約10m変位しているとして、平均上下変位速度を約0.3m/千年としている。さらに、活断層研究会編(1991)は、約20万年前の高位段丘に比高約50mの断層崖があるとして、上下変位量を約0.3m/千年としている。
以上により、六甲山地南縁−淡路島東岸区間における平均上下変位速度は約0.4m/千年程度の可能性がある。
<淡路島西岸区間>
水野ほか(1990)は、野島断層の津名郡北淡町平林地点において姶良Tn火山灰の降下時期とほぼ同時期のL面に約9.5mの上下変位と約20mの右横ずれがあることを認めている。姶良Tn火山灰の降下年代からL面の年代を約2万8千年前とすると、上下変位速度は約0.3m/千年、右横ずれ変位速度は約0.7m/千年と求められる。
以上により、淡路島西岸区間における平均的なずれの速度は右横ずれ成分で約0.7m/千年、上下成分で約0.3m/千年と推定される。
なお、粟田・鈴木(1996a)は、津名郡北淡町平林地点で得られた兵庫県南部地震時の変位量と同町梨本トレンチ(後述、2.2.(2)参照)で得られた活動間隔から、上下変位速度を約0.3−0.4m/千年、右横ずれ変位速度を約0.6−0.8m/千年としている。
以上より、断層帯主部の平均的なずれの速度をまとめると次のようになる。
六甲山地南縁−淡路島東岸区間では、諏訪山断層の谷の屈曲(岡田・東郷編,2000)などから右横ずれ成分で2m/千年程度、岡本断層でのボーリング結果(神戸市,1998)から上下成分で約0.4m/千年の可能性がある。また、淡路島西岸区間における野島断層平林地点での段丘面変位(水野ほか、1990)から右横ずれ成分で約0.7m/千年、上下成分で約0.3m/千年と推定される。
(2)活動時期
○地形・地質的に認められた過去の活動
<六甲山地南縁−淡路島東岸区間>
a)西野地点(昆陽池陥没帯)
兵庫県(1996)は、兵庫県伊丹市西野地点でトレンチ調査を実施した。ここでは、トレンチで断層は見出されていないものの、T−W層が撓曲変形し、X層がほぼ水平に覆っている。ここで、V層からは5−7世紀の14C年代値(注15)と16−18世紀の土器片が、X層からは17−20世紀の14C年代値が得られていることから、16世紀以後に最新活動があったとしている。しかしながら、スケッチ図からは、V層はその下位のU層の起伏を埋めているように読み取れ、また上位のW層内の構造が明示されていないため、これらの地層が断層によって変形したものとは言い切れない。したがって、このトレンチから最新活動時期を限定することはできない。
b)中野西地点(昆陽池陥没帯)
兵庫県(1996)は、230yBP以後を示すV層が変形しているとして、最新活動がかなり新しいとしているが、具体的な活動年代は示していない。また、姶良Tn火山灰起源の火山ガラスを含むW層が断層で変位しているのが確認されたが、これについても具体的な活動年代は示されていない。このため、この地点のデータからは最新活動時期を限定することはできない。
c)逆瀬川上流地点(五助橋断層)
Maruyama and Lin(2000)は、西宮市北部の逆瀬川上流の露頭において、11−12世紀の14C年代値が得られた崖錐堆積物が断層で変位していることから、これが最新活動によるとしている(図9)。したがって、この地点では、11世紀以後に最新活動があった可能性がある。
d)住吉山手地点(五助橋断層)
丸山ほか(1997)及びLin et al.(1998)は、神戸市東灘区住吉山手地点の断層露頭(トレンチA)において、15−17世紀の14C年代値が得られた腐植層が断層で切られ、17−20世紀の14C年代値が得られた腐植層に覆われることから、15世紀以後に最新活動があったとしている。また、同じ露頭で、F−a3断層が4−6世紀の14C年代値が得られた砂礫層(A−6層)を切り、15−17世紀の14C年代値が得られた砂礫層(A−2層)に覆われるとしている。しかしながら、この露頭は尾根の先端に位置することから、4世紀以後の新しい砂礫層が堆積するとは考えにくい。また、腐植層を切る断層についても、五助橋断層の活動以外によって生じた可能性も否定できない。以上のことから、この露頭から得られたデータは、本評価には採用しないこととした。
さらに、Lin et al.(1998)は、同地点のBトレンチにおいて、F−b6断層がB−4層を切りB−3層以上に覆われ、さらにF−b1断層がB−6層を切りB−4層以上に覆われることから、この間の活動を報告している。加えて、B−6層堆積直前にも活動を示唆している。しかしながら、Lin et al.(1998)のスケッチではB−3層の一部も断層変位を受けているように図示されているなど、これらのトレンチについての報告は、スケッチと文章の記載が一致しておらず、本評価には採用しないこととした。
e)五助橋堰堤地点(五助橋断層)
丸山ほか(1997)は、神戸市東灘区五助橋堰堤付近の断層露頭において、約1千5百年前と求められる崖錐堆積物に変位が認められるとしているが、年代値の根拠が花粉分析の結果であることから参考扱いとする。
f)西滝ヶ谷地点(五助橋断層)
丸山ほか(1997)は、神戸市東灘区西滝ヶ谷の断層露頭で鬼界アカホヤ火山灰に変位が見られると報告している。また、同じ露頭において神戸市(1998)は、鬼界アカホヤ火山灰の変位量を約1.5m、D層基底の変位量を約3mとし、D層堆積後に少なくとも2回の活動があったとしている。
なお、Lin et al.(1999)は、この断層露頭付近でトレンチ調査を行い、断層に切られた礫層に挟まれる植物片試料から10−12世紀の14C年代値を得て、約1千年前以後に最新活動があったとしている。しかし、スケッチからは、年代測定試料の得られた地層の変形を読み取ることができないため、このデータをもって断層の活動時期を議論することはできないと判断した。
g)馬場地点(東浦断層)
粟田・角井(1996a)は、兵庫県津名郡東浦町馬場第1地点のNo.4−1トレンチにおいて、断層が2層を変位させ1層に覆われるとしている(図10)。2層からは、16−17世紀の14C年代値が得られ、下位の地層からは室町時代の土器片が出土している。このことから、16世紀以後に最新活動があったと推定される。
さらに、粟田・角井(1996a)は、馬場第1地点No.4−4トレンチ(図11)において、A層およびB層の変位をC層が覆うこととNo.4−1トレンチにおいてB層中の断層帯の一部をC層が覆うことから、B層堆積より後、C層堆積より前に1つ前の活動を認定している。ただし、粟田・角井(1996a)では、C層について同一トレンチで得られた年代試料を用いて比較していないため、本評価ではNo.4−4トレンチで得られた14C年代値を用い断層活動の時期を求めることとする。A層からは、約3千2百−3千年前の14C年代値が、C層からは5−6世紀の14C年代値が得られていることから、約3千2百年前以後、6世紀以前に1つ前の活動があったと推定される。
h)興隆寺地点(野田尾断層)
粟田・角井(1996a)は、兵庫県津名郡津名町興隆寺のNo.8−Lトレンチにおいて、14−15世紀の14C年代値が得られたA層が断層で切られることから、14世紀以後に最新活動があったとしている。
なお、楠本断層の津名郡東浦町楠本地点でも、粟田・角井(1996b)によるトレンチ調査が行われているが、第四紀の堆積物には断層変位が認められず、このトレンチからは断層の活動時期についてのデータは得られていない。
以上を総合すると、六甲山地南縁−淡路島東岸区間について地形・地質学的に認められる最新活動時期は16世紀以後と推定され、1つ前の活動は約3千2百年前以後、6世紀以前と推定される。
<淡路島西岸区間>
a)梨本地点(野島断層)
粟田・鈴木(1996a,b)は、兵庫県津名郡北淡町梨本第1地点トレンチ(Aトレンチ)において、約2千年前−2世紀の14C年代値が得られたV層の変形を2−4世紀の14C年代値が得られたW層が覆うと報告している(図12)。このことから、1995年の兵庫県南部地震に先行する1つ前の活動は、約2千年前以後、4世紀以前にあったと推定される。
また、粟田・鈴木(1996a)は、同地点第3トレンチにおいて、約5千1百−4千9百年前の14C年代値が得られたW層の落ち込みを、約3千9百−3千7百年前の14C年代値が得られたV1層が覆うと報告している(図13)。このことから、2つ前の活動は約5千1百年前以後、3千7百年前以前にあったと推定される。
なお、Nakata et al.(1996)は、梨本第1トレンチとほぼ同一地点で実施したトレンチ調査で、4層と1層の傾斜を断層活動による撓みとし、その上下変位量に差があることから、15−17世紀以後、18世紀以前に断層活動があったとしている。しかし、その後実施された粟田・鈴木(1996a)のトレンチ調査によると、その下位の地層がほぼ水平であることから、4層の傾斜は断層による変形ではなくチャネルによる可能性もある。したがって、断層に沿って崖が形成されていることは認められるものの、それが断層活動によるとは言い切れない。一方、鈴木ほか(1996)は、梨本第1地点とほぼ同地点のトレンチ壁面において、15−17世紀の14C年代値が得られた腐植層が落ち込んでいる構造を認め、15世紀以後に1つ前の活動があったとしている。しかし、梨本第1地点のトレンチ壁面では、同一層準に地割れは確認できず変位量も最新活動のみで説明できるため、この構造をもって1つ前の活動を示すものとは言えない。
なお、野島断層の津名郡淡路町江崎地点と同郡北淡町石田地点でも、粟田・鈴木(1996a)によるトレンチ調査が行われているが、兵庫県南部地震以外の活動時期について十分に限定することができるデータは得られていない。
以上を総合すると、淡路島西岸区間について地形・地質学的に認められる兵庫県南部地震に先行した1つ前の活動は、約2千年前以後、4世紀以前と推定され、2つ前の活動は約5千1百年前以後、3千7百年前以前と推定される。
○先史時代・歴史時代の活動
六甲・淡路島断層帯主部周辺ではいくつかの被害地震が知られている。
このうち、416年(允恭(いんぎょう)5年)の大和の地震について、Lin et al.(1998)は、五助橋断層における1つ前の活動としているが、Lin et al.(1998)のトレンチ調査結果だけからは大和の地震に限定することはできない。また、神戸市の郡家(ぐんげ)遺跡では、5世紀後半及び6世紀に形成されたと見られる液状化の痕跡があるが、六甲・淡路島断層帯主部との関係は不明である。
また、1596年(慶長元年)の慶長伏見地震(M=71/2±1/4)では、六甲・淡路島断層帯主部周辺でも「須磨寺の本堂など崩れ、兵庫で一軒残らず崩れ出火」などの被害が生じたことが指摘されている(宇佐美,2003など)。また、神戸市灘区の西求女塚(にしもとめづか)古墳では石室の南西側が切断され約2m滑り落ちているのが確認されており、滑り落ちた側が室町時代後期とされる水田を覆いながら横に移動していることから、これを慶長伏見地震によるものとの指摘もある(寒川,1997など)。さらに、淡路島東岸付近の佃遺跡でも鎌倉時代から室町時代の地層が液状化と思われる墳砂で裂かれ、近世の地層に覆われていることから慶長伏見地震によるものと指摘されている(寒川,1997など)。一方、16世紀の前半から中葉にかけて(室町時代後期)は、六甲・淡路島断層帯主部周辺に関する被害の記録が乏しい。さらに、慶長伏見地震の被害は京都を始め京阪神地区の広範な地域に及んでいるため、周辺の断層帯の活動による地震の際に生じた強震動が原因となり、六甲・淡路島断層帯主部周辺で被害が生じたことが十分に考えられる。よって、1596年の慶長伏見地震については、被害記録の側面からだけでは断層帯主部が活動したと断定する証拠に乏しい。なお、この1596年の慶長伏見地震では、六甲・淡路島断層帯主部の北東側に分布する有馬−高槻断層帯が活動したと推定されている(地震調査研究推進本部地震調査委員会,2001b)。
1995年(平成7年)、明石海峡付近を震源とするマグニチュード7.3の兵庫県南部地震が発生し、断層帯主部周辺一帯に甚大な被害が生じた(詳細は、2.1.2(6)測地観測結果と2.1.2(7)地震観測結果にも記述)。兵庫県南部地震では、淡路島西岸区間の野島断層に沿って、全長約10km(粟田・水野,1998)にわたり地表に地震断層が出現したほか、その北東延長にあたる明石海峡大橋の橋脚にも1.3−1.4mの相対的なずれが生じた(地盤工学会・阪神淡路大震災調査委員会,1996)。また、六甲山地南縁−淡路島東岸区間の一部にあたる淡路島北東部と、神戸市側の横尾山断層に沿っても地震断層が出現したとの報告がある。このうち、淡路島北東部の地震断層は、灘川(なだがわ)地震断層と呼ばれ、全長約1.6km、変位量は南東側隆起0.1−0.2m、右横ずれ0.03−0.07mである(粟田・水野,1998)。また、横尾山断層ではトンネル内で数cmの上下変位が生じた(櫻井,1997)。しかしながら、淡路島西岸区間以外で出現した地震断層の変位量は、野島断層沿いに現れた変位量と比較して明らかに小さく、出現範囲も狭い。また、地震発生前後の測地観測結果からは、断層帯主部のうち淡路島西岸区間から六甲山地の南縁にかけて、地殻変動があったことが観測されている。しかし、六甲山地南縁において、測地学的な観測により報告された地殻変動は、六甲山地南縁−淡路島東岸区間全域には及んでおらず、変動量も淡路島西岸区間沿いに比べて小さい。また、断層を挟んでの地殻変動様式の変化も、淡路島西岸区間沿いほど顕著でない(図14:Hashimoto et al.,1996など)。以上のことから、兵庫県南部地震の際の六甲山地南縁−淡路島東岸区間の断層活動は、同区間における固有規模の活動ではないものと判断した。
一方、江戸時代初頭以後(17世紀初頭以後)、1995年の兵庫県南部地震までの間については、六甲・淡路断層帯主部周辺に大きな被害をもたらした陸域を震源とする地震が知られていないことから、この間に六甲・淡路島断層帯主部は活動していないことが示唆される。
したがって、地形・地質的な資料及び歴史記録等を総合すると、断層帯主部の活動は、以下のようにまとめられる(図15)。
六甲・淡路島断層帯主部のうち、六甲山地南縁−淡路島東岸区間の最新活動は、トレンチ調査結果から16世紀以後とされ、歴史記録に17世紀以後の活動に該当する記録がないことから、16世紀であったと推定される。上述のように1596年の慶長伏見地震で活動したとの指摘もあるが、六甲山地南縁−淡路島東岸区間が活動したと限定できるだけの証拠に乏しいと判断した。なお、1995年(平成7年)兵庫県南部地震(注1)については、六甲山地南縁−淡路島東岸区間の六甲山地南縁においては余震活動や地震波形の観測・解析等(地震観測結果、測地観測結果参照)から地下において断層活動が起こったことが明らかになっているが、固有規模の地震よりひとまわり小さい地震とみなして最新活動ではないと評価した。
また、六甲山地南縁−淡路島東岸区間の1つ前の活動は約3千2百年前以後、6世紀以前であったと推定される。
一方、淡路島西岸区間の最新活動は、1995年(平成7年)兵庫県南部地震(注1)である。さらに、1つ前の活動は約2千年前以後、4世紀以前であったと推定され、2つ前の活動は約5千1百年前以後3千7百年前以前であったと推定される。
(3)1回の変位量(ずれの量)(注13)
六甲・淡路島断層帯主部のうち、六甲山地南縁−淡路島東岸区間は、長さが約71kmと推定されることから松田(1975)の経験式を用いると、1回の右横ずれ変位量は5.6mと求められる。よって、六甲山地南縁−淡路島東岸区間の1回の右横ずれ変位量は、この経験式から求めた値により5−6mの可能性がある。粟田・角井(1996b)は、淡路島東岸区間の東浦断層馬場地点トレンチにおいて、最新活動時に約1.4mの右横ずれがあり、2回の活動の累積で2.9−3.1mの右横ずれ変位が認められるとしていることから、1回の右横ずれ変位量は約1.5mと求められる。ただし、この値は、東浦断層が仮屋断層と並走していることを考慮すると、小さめの値である可能性が在る。
一方、1回の上下変位量に関する具体的な資料はない。
なお、六甲山地南縁−淡路島東岸区間の1回の変位量について、Lin et al.(1998)は、五助橋断層住吉山手地点におけるトレンチ底面の変形から最新活動時の右横ずれ変位量を約1.5mとしているが、スケッチから地層の変形を読み取ることができないため、本評価では採用できない。
六甲・淡路島断層帯主部のうち、淡路島西岸区間については、粟田・水野(1998)が、兵庫県南部地震での地表地震断層変位から野島断層の全域の一般的な値として右横ずれ1.4±0.2m、南東側隆起0.6±0.2m、北淡町平林地点での最大変位量が右横ずれ2.0m、南東側隆起1.4mであったと報告している。これより、淡路島西岸区間の1回の右横ずれ変位量は約2m、上下変位量は約1mと推定される。なお、この値は、淡路島西岸区間の長さが約23kmの可能性があることから、松田(1995)の経験式を用いて求められる値(約1.8m)と矛盾しない。
用いた経験式は次の式である。ここで、Lは断層の長さ(km)、Mはマグニチュード、Dは1回の活動に伴う変位量(m)である。
LogL=0.6M−2.9 (1)
LogD=0.6M−4.0 (2)
(4)活動間隔
断層帯主部のうち、六甲山地南縁−淡路島東岸区間の平均活動間隔は、過去2回の活動から9百−2千8百年程度と推定され、淡路島西岸区間の平均活動間隔は過去3回の活動から1千8百−2千5百年程度と推定される。
(5)活動区間
断層帯主部は、六甲山地南縁−淡路島東岸区間と淡路島西岸の2つの区間に分かれて活動してきたと推定される。ただし、兵庫県南部地震の際には、淡路島西岸区間と六甲山地南縁−淡路島東岸区間のうちの、西宮市から明石海峡にかけての全長約30kmの範囲の地下で活動したことが、地震波形の解析や測地観測結果から判明している(注2)。このことから、淡路島西岸区間が活動する際に、六甲山地南縁−淡路島東岸区間の一部が同時に活動してきた可能性がある。
(6)測地観測結果
断層帯主部周辺における1994年までの約100年間の測地観測結果では、北部でほぼ東西方向の縮みに加え、ほぼ南北方向の伸びが見られるが、南部については三角点の配置から明確な判断は困難である。
また、1985年から約10年間の測地観測結果では、断層帯主部周辺部においてほぼ北西−南東方向の縮みが見られる。最近5年間のGPS観測結果では、断層帯主部に沿って、ほぼ東西方向の縮みに加えほぼ南北方向の伸びが見られる。
兵庫県南部地震に際し、地震発生前後のGPS観測結果から、野島断層等の北東−南西走向の断層が右横ずれ運動をしたと推定されている。また、地震後の水準測量結果によると明石市から神戸市垂水(たるみ)区にかけて隆起が見られ、垂水区から東では沈降に転じている事から、地下で断層が活動したと考えられる(石原ほか,1995)。さらに、合成開口レーダーによる干渉画像解析結果でも地殻変動が神戸市北方まで及んでいる(村上ほか,1995)。
(7)地震観測結果
断層帯主部周辺における最近6年間の地震活動から、地震発生層の下限の深さは15km程度であると考えられる。
断層帯主部付近では、平成7年(1995年)1月17日5時46分ころ、明石海峡付近を震源とするマグニチュード7.3の兵庫県南部地震が発生し、その被害は、死者6,433人(平成15年12月25日現在;総務省消防庁調べ)など、非常に大きなものとなった。気象庁による現地調査の結果、神戸市や淡路島の一部地域では震度7に相当する揺れが生じていたことが判明した。なお、被害の大きさに鑑みた政府は、この地震による災害に対して阪神・淡路大震災と命名した。本震の発震機構は東西圧縮の横ずれ型であり、地震波形の解析など(図16、図17)により、震源付近から始まった破壊は神戸市側と淡路島側の両方向に伝播していったことや、地表に明瞭な地形変形が現われなかった六甲山地南縁の地下でのエネルギー解放量がモーメントマグニチュード(Mw)で6.4程度であることが判明した。
本震後約1ヶ月間に発生した余震は、本震の北東と南西方向に直線的に分布しており、余震域全体の長さは約50kmに達した(図18)。余震は須磨断層、諏訪山断層、野島断層、浅野断層付近などで多く見られたが、最大余震(M5.4)は余震活動の低調な伊丹断層の東端付近で発生している。なお、余震域は、その北側の有馬−高槻断層帯にさえぎられる形になっている(気象庁,1997)。
2.1.3 断層帯の将来の活動
(1)将来の活動区間及び地震の規模
六甲・淡路島断層帯主部は、前述した2つの区間毎もしくは全体が1つの区間として活動すると推定される(表1)。
六甲山地南縁−淡路島東岸区間のみが活動する場合、長さが約71kmと推定されることから前述の経験式(1)によると、マグニチュード7.9程度の地震が発生すると推定される。この場合、5−6m程度の右横ずれを生じ、断層の北西側が南東側に対して相対的に高くなる段差や撓みを伴う可能性がある。ただし、断層が並走している区間が多いため、個々の断層でのずれの量はこの値より小さい値になる場合がある。
淡路島西岸区間のみが活動する場合、長さが約23kmであることから前述の経験式(1)によると、マグニチュード7.1程度の地震が発生する可能性がある。この場合、過去の活動時と同様に約2mの右横ずれを生じ、断層の南東側が北西側に対して相対的に高くなる段差や撓みを伴う可能性がある。
また、六甲山地南縁−淡路島東岸区間と淡路島西岸区間が同時に活動する場合にはマグニチュード7.9程度の地震が発生すると推定される。
なお、淡路島西岸区間が活動する場合に、六甲山地南縁−淡路島東岸区間の一部が活動することも起こりうる。
(2)地震発生の可能性
断層帯主部のうち、六甲山地南縁−淡路島東岸区間では、平均活動間隔が9百−2千8百年程度、最新活動時期が16世紀と推定されていることから、平均活動間隔に対する現在における地震後経過率は0.1−0.6となり、また、地震調査研究推進本部地震調査委員会(2001a)に示された手法(BPT分布モデル、α=0.24)によると、今後30年以内、50年以内、100年以内、300年以内の地震発生確率は、それぞれほぼ0−0.9%、ほぼ0−2%、ほぼ0−5%、ほぼ0−40%となる。また、現在までの集積確率は、ほぼ0−1%となる(表2)。表5にこれらの確率値の参考指標(地震調査研究推進本部地震調査委員会長期評価部会,1999)を示す。
淡路島西岸区間では、平均活動間隔が1千8百−2千5百年程度と推定され、最新活動時期が1995年の兵庫県南部地震であることから、平均活動間隔に対する現在における地震後経過率は0.004−0.006となり、また、地震調査研究推進本部地震調査委員会(2001a)に示された手法(BPT分布モデル、α=0.24)によると、今後30年以内、50年以内、100年以内、300年以内の地震発生確率は、いずれもほぼ0%となる。また、現在までの集積確率は、ほぼ0%となる(表2)。表5にこれらの確率値の参考指標(地震調査研究推進本部地震調査委員会長期評価部会,1999)を示す。
本評価で得られた地震発生の長期確率には幅があるが、その最大値を取ると、六甲・淡路島断層帯主部のうち六甲山地南縁−淡路島東岸区間は今後30年の間に地震が発生する確率が我が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属すこととなる(注3、4)。
なお、2つの区間が同時に活動する場合の確率は、六甲山地南縁−淡路島東岸区間あるいは淡路島西岸区間が単独で活動する場合の確率を越えない。
2. 2 先山断層帯
2.2.1 先山断層帯の位置及び形態
(1)先山断層帯を構成する断層
先山断層帯は、淡路島中部の洲本市から南あわじ市に分布する活断層で、先山断層、安乎(あいが)及び厚浜断層から構成される。先山断層帯を構成する断層の位置及び名称は、岡田・東郷編(2000)によった。
(2)断層面の位置・形状
先山断層帯の長さ及び一般走向は、図2に示された先山断層帯の北端と南端を結ぶとそれぞれ約12km、N30°Eである。断層の位置は各資料でほぼ一致し、構成する断層が雁行した形状で分布する。
断層面上端の深さは、断層変位が地表に達していることから0kmとした。
断層面の傾斜は、断層露頭やトレンチ調査結果(吉岡ほか,1997)などから地表付近では北西傾斜と推定される。
断層面の幅は不明であるが、先山断層帯付近の地震発生層の下限の深さが約15kmであることから、断層面の下端の深さは15km程度と示唆される。
(3)断層の変位の向き(ずれの向き)(注13)
先山断層帯は、露頭における断層変位などから、相対的に北西側が隆起する逆断層と考えられる。
2.2.2 断層帯の過去の活動
(1)平均変位速度(平均的なずれの速度)(注13)
先山断層帯の平均上下変位速度については、吉岡ほか(1997)が、洲本市安坂(あっさか)地区及び市原地区で、約5万年前と推定される中位段丘面(高橋ほか,1992)に8m及び4.4mの上下変位が認められるとしていることから、0.1−0.2m/千年と求められる。
したがって、先山断層帯の平均上下変位速度は、0.1−0.2m/千年程度の可能性がある。
(2)活動時期
○地形・地質的に認められた過去の活動
a)安坂地点(先山断層)
吉岡ほか(1997)は、先山断層(洲本市安坂地点)でトレンチ調査を実施し、11−13世紀の14C年代値が得られたUb層を断層が切るとしている(図19)。このことから、11世紀以後に最新活動があったと推定される。
○先史時代・歴史時代の活動
先山断層帯周辺では、1596年(慶長元年)の慶長伏見地震で洲本城と考えられる城郭が崩壊したとの記録がある(吉岡ほか、1997)ほか、1605年の地震で先山千光寺が倒壊したとの記録(宇佐美,2003)があるが、1596年の誤記である可能性が指摘されている(吉岡ほか、1997)。また、11世紀以後1596年以前の被害地震については十分な記録があるとは言えないことから、先山断層帯の最新活動を1596年の慶長伏見地震と断定することはできない。
一方、先山断層帯周辺では、1596年(慶長元年)の慶長伏見地震以後に被害をもたらした陸域を震源とする地震は知られていない。このことから、少なくとも17世紀初頭以後(最近約400年間)には、先山断層帯は活動していない可能性が高い。
以上のことから、先山断層帯の最新活動は、トレンチ調査結果と歴史記録を総合すると11世紀以後、17世紀初頭以前である可能性がある(図14)。
(3)1回の変位量(ずれの量)(注13)
先山断層帯の1回の変位量に関する直接的な資料は得られていない。
先山断層帯の長さが約12kmであることから、前述の経験式(1)、(2)を用いると1回のずれの量は約1.0mと求められる。したがって、本断層帯の1回の上下変位量は1m程度の可能性がある。
(4)活動間隔
先山断層帯の活動間隔に関する直接的な資料は得られていない。
一方、1回のずれの量(1.0m)と平均変位速度(0.1−0.2m/千年程度)から求めると、活動間隔は5千−1万年程度である可能性がある。
(5)活動区間
先山断層帯は、ほぼ連続的に分布することから、松田(1990)の基準に基づけば全体が1つの区間として活動すると推定される。
(6)測地観測結果
先山断層帯周辺における1994年までの約100年間の測地観測結果では、断層帯の東側で東西方向の縮みが見られる。1985年からの約10年間の測地観測結果では、断層帯の東側で北西−南東方向の縮みが見られる。最近5年間のGPS観測結果では、全域に北西―南東方向の縮みが見られる。
(7)地震観測結果
最近6年間の地震観測結果によると先山断層帯周辺における地震活動は低調である。先山断層帯周辺の地震発生層の下限の深さは15km程度である。
2.2.3 断層帯の将来の活動
(1)将来の活動区間及び地震の規模
先山断層帯が1つの区間として活動した場合、断層の長さ(約12km)から経験式(前述)を用いると、マグニチュード6.6程度の地震が発生すると推定される。この場合、断層の北西側が南東側に対して相対的に1m程度高まる段差が生じる可能性がある(表3)。
(2)地震発生の可能性
先山断層帯では、平均活動間隔が5千−1万年程度、最新活動時期が11世紀以後17世紀初頭以前の可能性があることから、平均活動間隔に対する現在における地震後経過率は0.04―0.2となり、また、地震調査研究推進本部地震調査委員会(2001a)に示された手法(BPT分布モデル、α=0.24)によると、今後30年以内、50年以内、100年以内、300年以内の地震発生確率は、いずれもほぼ0%となる。また、現在までの集積確率も、ほぼ0%となる(表4)。表6にこれらの確率値の参考指標(地震調査研究推進本部地震調査委員会長期評価部会,1999)を示す。
3.今後に向けて
本評価では、大別して下記の3点が今後の課題として残された。
(1)兵庫県南部地震について
兵庫県南部地震では、淡路島の野島断層で地表地震断層が現われ、ずれの量も右横ずれ成分で約2m、上下成分で約1mと大きかったことから、この地震を断層帯主部淡路島西岸区間の固有規模の活動と評価した。一方、神戸側では顕著な地表地震断層は認められず、地震波から推定される規模(Mw6.4程度)などから、断層全体が活動する固有規模よりひとまわり小さい活動であると評価した。
しかし、現評価手法では、現実に発生したにもかかわらず、六甲山地南縁では地表に明瞭な痕跡を残さなかった兵庫県南部地震のような地震を、地表の断層地形と正しく結びつけて評価することができない。1つには、固有地震よりひとまわり小さい地震が評価の対象となっていないためであり、もう1つは、近接する断層が連動して、1つの地震として活動する確率を評価する手法が確立されていないからである。
したがって、次項に述べるように、固有規模よりひとまわり小さい地震の評価が可能となるように調査研究を進める必要がある。
さらに、確率論的地震動予測地図の試作版(地域限定−西日本)「平成16年3月25日公表」では、南海トラフ沿いの巨大地震の連動の確率を用いているが、暫定的なものに止まっている。このように、近接する断層が連動して1つの地震が発生する確率の評価手法を確立するための調査研究も重要である。
(2)固有規模よりひとまわり小さい地震について
兵庫県南部地震に限らず、固有規模の地震よりもひとまわり小さい地震であっても、甚大な被害が生じることがある。一方、ひとまわり規模の小さい地震は、地表に明瞭な痕跡を残さないことが多いため、先史時代の活動履歴を調査することは極めて困難であり、地震発生確率の考え方としても、前回の活動からの経過時間に規定されるとする考え方である更新過程も適用できないと考えられる。このため、固有規模の地震と同様の精度で、将来の発生を予測することができない。
主要な98の活断層帯の固有規模の地震については、とりあえず現時点で判明した断層の性状と地震の発生予測を示すことで、第一段階の目的を達しつつあるものと考えるが、今後はこのようなひとまわり小さい規模の地震についても将来の発生の可能性を評価に取り入れることを視野に入れた調査研究を行っていく必要がある。
ひとまわり小さい規模の地震の評価については、従来の評価手法では十分に評価することができないが、地震調査研究推進本部発足以来、調査観測が著しく充実したことにより、「地震」そのものの評価手法は長足の進歩を遂げてきている。兵庫県南部地震等の最近発生したひとまわり小さい規模の地震に関して得られた知見を活かすと共に、今後行われる重点的調査観測においても、固有規模の地震以外の地震の解明も視野に収めた稠密な調査観測の重要性が増大するものと考えられる。
(3)歴史地震の扱いについて
今回の評価では、断層帯主部六甲山地南縁−淡路島東岸区間における最新活動を地形地質的に認められる16世紀としているものの、1596年の慶長伏見地震とは特定しなかった。これは、16世紀前半の歴史記録が十分ではないことから、このような地震が16世紀前半に発生していながら記録に残っていない可能性を無視しえなかったためである。仮に、六甲山地南縁−淡路島東岸区間における最新活動が1596年の慶長伏見地震であった場合、六甲山地南縁−淡路島東岸区間における将来の地震発生確率は、30年確率が0.1%まで低下する。このように、歴史地震との対応を明確にすることは、将来の発生の可能性を精度良く評価するために極めて有効であることから、今後とも地形地質学的調査や古文書調査等による最新活動時期のさらなる絞り込みを行うことが必要である。
このほか、有馬−高槻断層帯をはじめ周辺に分布する断層帯(図1−2)との関連についても検討していく必要がある。
注12: | 活断層研究会編(1991)では、元町撓曲を大倉山断層と表記している。 | |
注13: | 「変位」を、1−4頁の本文、8−14頁の表1、表3では、一般にわかりやすいように「ずれ」という言葉で表現している。ここでは専門用語である「変位」が、本文や表1、表3の「ずれ」に対応するものであることを示すため、両者を併記した。以下、文章の中では「変位」を用いる。なお、活断層の専門用語では、「変位」は切断を伴う「ずれの成分」と、切断を伴わない「撓(たわ)みの成分」よりなる。 | |
注14: | 姶良Tn(AT)火山灰の降下年代値については、日本第四紀学会第四紀露頭集編集委員会編(1996)、小池・町田編(2001)等から、25,000年BPとし、暦年補正して約2万8千年前とした。また、鬼界アカホヤ(K−Ah)火山灰の降下年代値については、町田・新井(2003)に従い、約7千3百年前(暦年補正値)とした。 | |
注15: | 10,000年BPよりも新しい炭素同位体年代については、Niklaus(1991)に基づいて暦年補正し原則として1σの範囲の数値で示した。このうち2,000年前よりも新しい年代値は世紀単位で示し、2,000年前よりも古い年代値は四捨五入して百年単位で示した。また、10,000年BPより古い炭素同位体年代については、Kitagawa and van der Plicht(1998)のデータに基づいて暦年補正し、四捨五入して千年単位で示した。 |
文 献
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吾妻 崇・太田陽子・小林真弓・金 幸隆 (1996):野島地震断層崖の断面形の変化過程.地理学評論,69A,365−379.
粟田泰夫(1996a):淡路島北部沿岸海域の浅部地質構造調査.平成7年度活断層調査研究報告No.6,地質調査所研究資料集,No.230,101p.
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粟田泰夫・水野清秀・杉山雄一・下川浩一・井村隆介・木村克巳 (1995):1995年兵庫県南部地震に伴って出現した地震断層.地質ニュース,486,16−20.
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植村善博(1996):1995年兵庫県南部地震による野島地震断層の地表変位.佛教大学文学部論集,80,53−70.
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横倉隆伸・加野直巳・山口和雄・宮崎光旗・井川 猛・太田陽一・川中 卓・阿部 進(1998):大阪湾における反射法深部構造調査.地質調査所月報,49,571−590.
横倉隆伸・山口和雄・加野直巳・宮崎光旗・井川 猛・太田陽一・川中 卓・阿部 進(1999):神戸・芦屋周辺地域における反射法深部構造調査.地質調査所月報,50,245−267.
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横田 裕・井川 猛・佐野正人・竹村恵二(1997):大阪湾から六甲山にかけての反射法地震探査.兵庫県立人と自然の博物館編「阪神・淡路大震災と六甲変動―兵庫県南部地震域の活構造調査報告」,(財)兵庫県建設技術センター,57−89.
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表5 六甲・淡路島断層帯主部の将来の地震発生確率及び参考指標
項 目 | 数 値 | 備 考 |
六甲山地南縁−淡路島東岸区間 地震後経過率 今後30年以内の発生確率 今後50年以内の発生確率 今後100年以内の発生確率 今後300年以内の発生確率 集積確率 淡路島西岸区間 地震後経過率 今後30年以内の発生確率 今後50年以内の発生確率 今後100年以内の発生確率 今後300年以内の発生確率 集積確率 |
0.1−0.6 ほぼ0%−0.9% ほぼ0%−2% ほぼ0%−5% ほぼ0%−40% ほぼ0%−1% 0.004−0.006 ほぼ0% ほぼ0% ほぼ0% ほぼ0% ほぼ0% |
発生確率及び集積確率は地 震調査研究推進本部地震調 査委員会 (2001a) 参照。 |
六甲山地南縁−淡路島東岸区間 指標(1) 経過年数 比 指標(2) 指標(3) 指標(4) 指標(5) 淡路島西岸区間 指標(1) 経過年数 比 指標(2) 指標(3) 指標(4) 指標(5) |
マイナス1千6百−マイナス1百年 0.2−0.8 ほぼ0−0.2 ほぼ0%−1% ほぼ0−0.03 0.0004−0.001 マイナス1千7百−マイナス1千2百年 0.006−0.008 ほぼ0 ほぼ0% ほぼ0 0.0004−0.0006 |
地震調査研究推進本部地震 調査委員会長期評価部会 (1999) 参照。 |
表6 先山断層帯の将来の地震発生確率及び参考指標
項 目 | 数 値 | 備 考 |
地震後経過率 今後30年以内の発生確率 今後50年以内の発生確率 今後100年以内の発生確率 今後300年以内の発生確率 集積確率 |
0.04−0.2 ほぼ0% ほぼ0% ほぼ0% ほぼ0% ほぼ0% |
発生確率及び集積確率は地 震調査研究推進本部地震調 査委員会 (2001a) 参照。 |
指標(1) 経過年数 比 指標(2) 指標(3) 指標(4) 指標(5) |
マイナス6千6百−マイナス2千5百年 0.06−0.3 ほぼ0 ほぼ0% ほぼ0 0.0001−0.0002 |
地震調査研究推進本部地震 調査委員会長期評価部会 (1999) 参照。 |
注16: | 評価時点はすべて2005年1月1日現在。「ほぼ0%」は10−3%未満の確率値を、「ほぼ0」は10−5未満の数値を示す。なお、先山断層帯の場合、計算に用いた平均活動間隔の信頼度は低い(△)ことに留意されたい。 |
指標(1) | 経過年数 | :当該活断層での大地震発生の危険率(1年間当たりに発生する回数)は最新活動(地震発生)時期からの時間の経過とともに大きくなる(BPT分布モデルを適用した場合の考え方)。一方、最新活動の時期が把握されていない場合には、大地震発生の危険率は、時間によらず一定と考えざるを得ない(ポアソン過程を適用した場合の考え方)。 この指標は、BPT分布モデルを適用した場合の危険率が、ポアソン過程を適用した場合の危険率の値を超えた後の経過年数である。マイナスの値は、BPT分布モデルを適用した場合の危険率がポアソン過程を適用した場合の危険率に達していないことを示す。 六甲・淡路島断層帯主部淡路島西岸区間の場合、ポアソン過程を適用した場合の危険率は、2千5百分の1−1千8百分の1(0.0004―0.0006)であり、いつの時点でも一定である。 六甲・淡路島断層帯主部淡路島西岸区間の場合、BPT分布モデルを適用した場合の危険率は、評価時点でほぼ0であり、時間とともに増加する。BPT分布モデルを適用した場合の危険率がポアソン過程を適用した場合の危険率に達するには今後1千2百年から1千7百年を要する。 |
指標(1) | 比 | :最新活動(地震発生)時期から評価時点までの経過時間をAとし、BPT分布モデルによる危険率がポアソン過程とした場合のそれを超えるまでの時間をBとする。前者を後者で割った値(A/B)。 |
指標(2) | :BPT分布モデルによる場合と、ポアソン過程とした場合の評価時点での危険率の比。 | |
指標(3) | :評価時点での集積確率(前回の地震発生から評価時点までに地震が発生しているはずの確率)。 | |
指標(4) | :評価時点以後30年以内の地震発生確率をBPT分布モデルでとりうる最大の確率の値で割った値。 | |
指標(5) | :ポアソン過程を適用した場合の危険率(1年間あたりの地震発生回数)。 |
付表
地震発生確率等の評価の信頼度に関する各ランクの分類条件の詳細は以下のとおりである。
ランク | 分類条件の詳細 |
a | 発生確率を求める際に用いる平均活動間隔及び最新活動時期の信頼度がいずれも比較的高 く (◎または○)、これらにより求められた発生確率等の値は信頼性が高い。 |
b | 平均活動間隔及び最新活動時期のうち、いずれか一方の信頼度が低く (△)、これらにより 求められた発生確率等の値は信頼性が中程度。 |
c | 平均活動間隔及び最新活動時期の信頼度がいずれも低く (△)、これらにより求められた発 生確率等の値は信頼性がやや低い。 |
d | 平均活動間隔及び最新活動時期のいずれか一方または両方の信頼度が非常に低く (▲)、発 生確率等の値は信頼性が低い。このため、今後の新しい知見により値が大きく変わる可能性 が高い。または、データの不足により最新活動時期が十分特定できていないために、現在の 確率値を求めることができず、単に長期間の平均値を確率としている。 |