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古文書に謎の“猿顔”スタンプ
宮内庁の書陵部が所蔵している書物の中に、国宝に指定されている平安時代の古文書「北山抄」の写本が保管されていたことが分かりました。
裏には、珍しい猿の顔のようなスタンプが押されていて、宮内庁では「詳しいことは分からず謎だ」としています。
「北山抄」は、平安時代中期の学者、藤原公任が編さんした宮廷社会の儀式の指南書で合わせて10巻あり、京都国立博物館にある原本や、その写本が国宝に指定されています。
宮内庁の書陵部では、昭和32年に藤原摂関家の1つの九条家から購入した、およそ1万点の古文書の整理を続けていましたが、このほど、そのうちの一部が「北山抄」の写本の断片であることが分かりました。
この写本は、書体や紙の質などから平安時代のもので、貴重な発見だということです。
また、文書の裏には縦2センチ、横2.5センチほどの猿の顔のようなスタンプが押されていました。同じようなスタンプは、平成16年にも宮内庁が所蔵する「北山抄」の別の写本で確認されていますが、これら以外に例がない珍しいものだということです。
宮内庁では「紙すき職人がブランドとして示すためにこのスタンプを押したのか、紙が貴重な時代だったので個人の持ち物であることを示したのか、いろいろなことが考えうる。詳しいことは分からず非常にユーモラスで謎だ」と話しています。
04月11日 18時40分