[PR] 無料でHTML5ウェブサイトを作るなら「wix」

[セール本] クレイトン・M・クリステンセン「イノベーション・オブ・ライフ」

2013/04/13


技術経営の大家として知られるクリステンセンが語る人生論。ちょうど現在、お得なセール中です。面白かったので読書メモをご共有です。

スクリーンショット 2013 04 13 8 16 47


人生の経営学

・わたしは人に何かを聞かれても、直接答えを示すことはめったにない。その代わり、まず自分の頭のなかで質問に理論をあてはめ、ある講堂方針をとった場合に、理論がどのような結果を予測するかを考える。それから質問者に、理論が質問にどうあてはまるかを説明する。質問者が確実に理解できるように、まったく異なる業界や状況を例にとって、理論のプロセスがどのように作用したかを説明し、その仕組みをはっきり理解させる。そうするとたいていの場合、彼らは「なるほど、わかった」と言って、わたしにはとてもおよばない洞察力をもって、自ら答えを導き出すのだ。

優れた理論とは、「気が変わる」ことがない。一部の企業や人だけにあてはまり、ほかにあてはまらないということはない。理論とは「何が、何を、なぜ引き起こすのか」を説明する、一般的な言明だ。

仕事には、少しでも欠ければ不満につながる要因がある。これを衛生要因と呼ぶ。ステータス、報酬、職の安定、作業条件、企業方針、管理方法などがこれにあたる。

・この理論の面白いところが、報酬が動機づけ要因ではなく、衛生要因に含まれる点だ。(中略)報酬をどんなに工夫したところで、せいぜい社員が報酬のせいで同僚や会社に不満を持たなくなる程度でしかない。

「仕事に不満がある」の反対は「仕事に満足している」ではなく、「仕事に不満がない」だ。この二つはけっして同じことではない。安全で快適な職場環境、上梓や同僚との良好な関係、家族を養えるだけの給料といった衛生要因に配慮するのは大切だ。これらが満たされなければ、あなたは仕事に不満をもつようになる。だがそれだけで、仕事を心から好きになれるわけではない。ただ嫌いではなくなるだけだ。

・わたしたちが最も陥りやすい間違いの一つは、それさえあれば幸せになれると信じて、職業上の成功を示す、目に見えやすい証に執着することだ。もっと高い報酬。もっと権威のある肩書き。もっと立派なオフィス。こうしたものは結局のところ、あなたが職業的に「成功した」ことを、友人や家族に示すしるしでしかない。

・キャリアを歩むうちに、自分がどのような分野の仕事なら好きになれるのか、輝けるのかがわかってくる。そのうちに動機づけ要因を最大限に高め、衛生要因を満たせる分野がきっと見つかるだろう。だが象牙の塔に閉じこもり、問題をじっと考えていれば、いつか答えがひらめくというものではない。戦略は必ずと言ってよいほど、予期された機会と予期されない機会が組み合わさって生まれる。

知らず知らずのうちに中身のない不幸な人生を築いてきた同級生たちは、資源を配分する方法が誤っていたからこそ、苦境に陥ったのだと思わざるを得ない。彼らは個人としては善意にあふれていた。家族を養い、子どもたちの人生に裁量の機会を与えようとした。だが彼らが資源を投じた道や脇道は、思いもよらない袋小路につながっていたのだ。

・この種の間違いのうち、とくに前途洋々な若きエリートたちが陥りがちな間違いは、人生への投資の順序を好きに変えられると思い込むことだ。たとえばこんな風に考える。「いまはまだ子どもたちが幼くて、子育てはそれほど大事じゃないから、仕事に専念しよう。子どもたちが少し成長して、大人と同じようなことに関心をもつようになれば、仕事のペースを落として、家庭に力を入れればいいさ」。さてどうなるだろう?その頃には、もうゲームは詰んでいるのだ。

・わたしたちは家庭から仕事をアウトソーシングし、その結果生じた穴を、子どもたちに試練を与えず、やる気をかき立てもしない活動で埋めた。子どもたちを人生の困難な問題から隔離することで、知らず知らずのうちに、成功に必要なプロセスや優先事項を生み出す能力を、この世代から奪ってしまったのだ。

・「文化とは、共通の目標に向かって力を合わせて取り組む方法である。その方法はきわめて頻繁に用いられ、きわめて高い成果を生むため、誰もそれ以外の方法で行おうとは思わなくなる。文化が形成されると、従業員は成功するために必要なことを、自律的に行うようになる(エドガー・シャイン)」

・妻のクリスティンとわたしは婚約したての頃、ある最終目標を—ある特定の家庭文化を—めざして取り組みはじめた。特に文化という枠組みで考えたわけではないが、とにかくわたしたちがやったのはそういうことだ。子どもたちがお互いを愛し合い、助け合うように育てようと、とくに意識して心に決めた。また子どもたちには、神に無条件に従ってほしいと思った。思いやりをもってほしかった。最後に、労働を愛してほしいと思った。

・たとえばわが家の場合、子どもたちにただ「労働を愛しなさい」と命じても効果がないことは分かっていた。そこで、子どもたちがわたしたち親と一緒に働く方法を常にさがし、それを楽しい経験にするよう心がけた。

・わたしが庭仕事をするときは必ず、少なくとも一人、たいていは二人の子どもたちが、芝刈り機のハンドルにしがみついていた。(中略)芝刈りはかえって大変になった。でもそんなことはどうでもよかった。肝心なのは、そうすることで子どもたちが労働が「何かいいこと」だと教えてやれたことだ。それを一緒にやった。もちろん楽しかった。そして子どもたちにパパを手伝い、家族を手伝っているのだと、自覚させた。

・自分がそばにいて見守っていなくても、正しい選択ができるように子どもを育てたいと、どんな親も思っている。これを最も効果的に行う方法の一つが、適切な家庭文化を築くことだ。(中略)文化は、自動操縦装置のようなものだ。文化が効果的に機能するには、自動操縦装置を適切にプログラミングする必要があることを、けっして忘れてはいけない。

わたしの学んだ教訓は、自分の主義を100%守るほうが、98%守るよりたやすいということだ。この一線、自分なりの道徳上の一線は、強力になる。けっして越えることのない一線だからだ一度でも越えることを自分に許せば、次からは歯止めが利かなくなる。何を信条とするかを決め、それをつねに守ろう。


経営学の知識を交えながら、人生についての教訓を導き出すという、なんともお得な一冊。さすがクリステンセンですね。特に痺れたのは「家庭文化を築こう」というメッセージ。わが家でも早速奥さんとディスカッションしてもりあがりました。みなさまもぜひ。


人生について深い示唆を与えてくれるすばらしい一冊です。幅広くおすすめ。


Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
このエントリーをはてなブックマークに追加




[PR] 無料でHTML5ウェブサイトを作るなら「wix」

解説記事書きました→無料で高品質な静的サイトが制作できる「Wix」の使い方





無料メルマガ始めました