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TPP交渉―意義と原則を見失うな

環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加問題で、交渉を主導する米国との事前協議が終わり、米政府は日本の参加を支援すると表明した。日本政府は、豪州などからの同意取り付け[記事全文]

スーチー氏来日―民主化を促す支援こそ

ミャンマーの野党・国民民主連盟(NLD)の党首アウンサンスーチー氏がきょう、外務省の招待で27年ぶりに来日する。在日ミャンマー人や、民主化を支援してきた人たちと会うほか[記事全文]

TPP交渉―意義と原則を見失うな

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加問題で、交渉を主導する米国との事前協議が終わり、米政府は日本の参加を支援すると表明した。

 日本政府は、豪州などからの同意取り付けを急ぐ。それを待って米政府は国内手続きを進める。日本が加わればTPPの交渉参加国は12カ国となり、国内総生産(GDP)の合計は世界の約4割を占める。

 日本にとって、なぜTPP交渉への参加が必要か。

 世界経済の先導役となっているのが、アジア太平洋地域だからだ。そこにしっかりとした自由貿易圏を築き、活力を取り込んでいくことは、日本経済の立て直しに欠かせない。

 将来の「アジア太平洋自由貿易圏」へのルートは、3月に交渉が始まった日中韓の自由貿易協定や、5月にもスタートする東アジア全体の枠組みもある。カギを握るのは、世界2位の経済大国になった中国だ。

 貿易や投資をめぐって不透明さが色濃く残る中国に、どう改革を促し、さらなる自由化へと巻き込んでいくか。

 中国が、日米がそろうTPPに神経をとがらせ、東アジアでの交渉に積極的になったことも考えれば、TPPを核に他の交渉を動かしていくことが有力な解になる。その意義と効果は経済面にとどまらず、政治・外交面にも及ぶ。

 米国とは、日本の交渉参加が決まった後、全体会合と並行して2国間で協議を重ねる。規制の透明性や基準、税制を中心とする自動車分野と、保険や知的財産権など9分野の非関税障壁のあり方がテーマだ。

 日本政府には、不透明で理不尽な合意をしないよう、クギをさしておきたい。

 米国とはすでに、米国が日本車にかける関税の撤廃を「最大限後ろ倒しする」ことなどで合意した。日本がコメなど高関税で守っている農産品への配慮を求めたことの裏返しだが、「聖域」にこだわるあまり、早くも米国ペースになっている。

 「高い水準の自由化」というTPPの旗印に背くような合意をしたり、国民の安全にかかわる規制をいたずらに緩和したりしては、TPPへの疑念を広げる。大事なのは、国民全体にとっての利益である。

 通商交渉の意義と原則を踏まえ、個々の問題で柔軟に対応する。そうして日本のメリットを大きくしつつ、影響を受ける国内の各分野では競争力を高める改革に取り組む。

 いよいよ、政府の力量が問われる局面を迎える。

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スーチー氏来日―民主化を促す支援こそ

 ミャンマーの野党・国民民主連盟(NLD)の党首アウンサンスーチー氏がきょう、外務省の招待で27年ぶりに来日する。

 在日ミャンマー人や、民主化を支援してきた人たちと会うほか、皇太子さまや安倍首相との面談も予定されている。

 軍事政権に計15年間も自宅軟禁されながら、獄中の同志とともに民主化を訴え続けた。その不屈の闘いに敬意を表したい。

 軟禁解除から2年5カ月。外出や発言は自由になり、すでに欧米や韓国などを訪れた。民主化の象徴として、どこでも大きな注目を集めてきた。

 一方で、1年前に下院補選で当選して以降、政治家として困難な現実に直面し、批判も聞かれるようになった。

 野党議員としての限界はあるにせよ、少数民族問題への消極的な対応が当事者や人権団体の失望を招いている。

 政府と地元住民が対立する銅山開発では、議会の調査委員長として「事業継続」の報告書を出し、現地で怒号を浴びた。

 国軍幹部と並んで式典に出席したり、「軍が好きだ」と発言したりして、政府や軍に取り込まれたとの非難もある。

 最近は、改革をさらに進めるため、大統領就任への意欲をみせている。そのためには、大統領には軍の知識が必要などと規定する憲法の改正が不可欠だ。

 軍出身者が中枢を占める政府、議会に働きかけて改正するしか道はないのだから、ある程度の妥協はやむをえないと理解を示す人々はいる。

 とはいえ、ノーベル平和賞を受賞したスーチー氏には人権の守護神であってほしいとの内外の期待は強い。

 そのはざまで難しい立場にあることは確かだ。

 「民政移管」はしたが、イスラム教徒と多数派の仏教徒の騒乱が各地で勃発するなど、国造りの基盤は脆弱(ぜいじゃく)だ。

 国民融和にはスーチー氏のカリスマ性が欠かせない。幹部の高齢化が著しいNLDの組織を立て直し、国民への発信力も強めなければならない。

 2年前に現政権が発足して以来、日本はミャンマーを「アジア最後のフロンティア」として、工業団地の整備を進め、企業進出を競っている。

 忘れてならないのは、軍政時代、日本の政財官界は、欧米と比べて民主化勢力への支援に消極的だったことだ。

 自由と民主主義の「価値観外交」を掲げる安倍政権である。

 国民の生活レベルを高め、民主化を後押しする支援に知恵をしぼるべきだろう。

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