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国際
世界遺産で座礁の中国漁船、新たな軋轢 比、釈放拒否し刑事手続き
2013.4.12 19:07
[アジア・オセアニア]
【シンガポール=青木伸行】フィリピン南西部スールー海の世界遺産ツバタハリーフで、中国漁船が座礁した事件をめぐり、違法操業などの容疑で刑事裁判手続を進めるフィリピンと、乗組員の即時釈放を要求する中国との間で新たな軋轢(あつれき)が生じている。
パラワン島の東にあるツバタハリーフにはサンゴ礁が広がり、1993年に世界遺産に登録された。約13万ヘクタールが国立海中公園だ。
そこに中国漁船が座礁したのは8日深夜。乗組員12人は拘束を免れようと、フィリピン沿岸警備隊に2400ドル(約24万円)を手渡そうとした。12人はパラワン島に収監され違法操業、贈賄などの疑いで取り調べを受けている。
漁船は長さ48メートル。フィリピン政府は(1)現場は中国から1600キロ離れている(2)パラワン島の西には、中国が実効支配するミスチーフ環礁がある(3)中国の偽装漁船が、パラワン島周辺海域などで偵察活動をしている-ことなどから、偽装漁船だと疑ってもいる。
アキノ大統領は刑事罰を科す方針を示し、有罪となれば禁錮・罰金刑が科せられる。沿岸警備隊などが周辺海域の警戒を強めてもいる。一方、中国はマニラから中国大使館員2人がパラワン島に出向き、12人の即時釈放を要求した。だが、フィリピンは拒否した。
ツバタハリーフでは、1月に座礁した米海軍の掃海艦ガーディアンの撤去作業が、3月末に完了したばかり。大統領府高官は「同盟国の艦船と、不法侵入した中国漁船とでは性質も対応も異なる」としている。
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