抗う:原子力発祥の地で/5止 他人任せでは守れない 3.11で変わった市民 /茨城
毎日新聞 2013年04月07日 地方版
市報製作を担当したひたちなか市東石川、武藤功(76)は「市の企画室職員が勉強した結果、『住民にとっては安全な施設ではない』となり、企画室と広報広聴課が核になって反対した」と振り返る。市長と市民の座談会や専門家の講演会などを精力的に開催したという。武藤は「市には主権在民という概念の自覚はあったが、市民には自覚がなかった」と振り返り、続けた。「現在の脱原発運動は、住民の意識で作られた新しい運動」
市報に「民主主義」「地方自治」という言葉が掲載されてから約半世紀。福島第1原発事故の悲劇を経て、政治に無関心だった市民が能動的に政治に関わり、自らの手による民主主義の確立に向けて模索し始めている。(敬称略)
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この連載は杣谷健太が担当しました。=おわり