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'13/4/12

中学生に家裁「無罪」 宮崎、弁護士「県警が自白強要」


 少女の体に触れたとして、強制わいせつの疑いで家裁送致された宮崎市立中学の男子生徒の少年審判で、宮崎家裁(藤本ふじもとちあき裁判官)が生徒の自白の信用性を否定し、刑事裁判の無罪判決に当たる不処分の決定をしていたことが12日、付添人弁護士への取材で分かった。決定は2月27日付。

 弁護士は「生徒は学校から宮崎南署に突然連れて行かれ、密室で長時間の取り調べを受け、自白を強要された。警察官の指示通りの反省文も書かされた」と県警の対応を非難している。

 弁護士によると、家裁は「反省文は長時間の事情聴取の後に書かれ、内容の具体性に乏しく、信用性が高いとは言えない。強制わいせつに該当する行為は認められない」と判断した。

 弁護士によると、生徒は宮崎市内で昨年6月、知人の10代少女の体を触るなどしたとして、10月に同署で約4時間の事情聴取を受けた。当初は否認したが、警察官に「俺らは被害少女の話を聞いている。ちゃんと言え」などと言われ、虚偽の自白をし「僕がしたこと」という反省文も書いた。

 また、学校は生徒に行き先を告げぬまま車に乗せ、警察署に連れて行った。保護者にも説明しなかったという。

 市教育委員会学校教育課の近藤満こんどう・みつる主幹は「当時、警察から学校に『保護者には連絡しなくていい、行き先など告げずに連れてきてほしい』と指示があった。しかし保護者に連絡しなかったのは配慮が足りなかった。3月に謝罪をした」と話している。

 県警少年課は「調べに問題はなかったと考えている」としている。




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