「雨あがる」 黒澤明脚本 主演 寺尾聡
解説
この映画は、黒澤監督が脚本を書いて、制作せずに亡くなった作品の映画化である。雨の降った後に爽やかな日が差す爽快感の持てる映画。俳優も、寺尾聡が人の良い浪人を演じる、お茶ズケの味がする映画だ。
物語
降り続いた雨で川が渡れず川端の宿は混んでいた、イライラする宿泊者、そんな宿にある侍が居た、名前は三沢伊平。退屈紛れに侍は剣術の賭け試合をして金を儲けてくる、そしてその宿の連中に大判振る舞いをさせる、生きていて良かった、こんな良いことが在るんだと泣いて喜ぶお客たち。
そんなある日、侍同士の喧嘩の仲裁に入るが、その腕前をあるその土地の殿様が見ていて、ぜひ家の指南役が居ないので来てくれと頼まれる、殿中でご前試合をやるが、最後に殿様とやる羽目になる、殿はこんな侍を是非とも指南役にしたいと思うが、賭け試合をしたことで指南役は断られる、断りに来た侍に、賭け試合をしたことは悪いことだが、「何のためにしたのかが重要である」、と殿に伝えてくれという。
仕官の口は無くなったが、気分はさっぱりする。雨があがって川を渡ることが出来た。
感想
観た後、雨が上がって虹が出てきたようにさっぱりとした、そう、何事も「何をしたか、じゃなくて、何の為にしたかが」が問題だ。
感じた度 ★★☆