2013年 04月 10日
肉食系と草食系 |
オオカミ教会のオオカミを復活させようという提案は正論であり、私は賛成する。しかしながら世論の合意形成は難しいのではないかと思っている。
このオオカミ復活の話をすると、大概の人は「ええ~ オオカミなんて~」と引いてしまう。理詰めで説明しても、とにかく聞く耳を持たないといった雰囲気がある。
NETで調べたら反対者も結構いる。特に猟友会の人やジビエ産業(鳥獣を食材とする)の人達など、シカやイノシシの安定供給の妨げになり反対しているようだ。
近所の生物学者さんに質問したら、「すでに生態系が変わってしまったところに、再びオオカミを持ってくるのは大変危険、何が起こるか分からない」と猛反発している。
それらの言い分はどうもあやふやである。ふるいにかけて残るのは、どうやら「万一襲われたらどうする」「食われるのは嫌だ!」という辺りだろう。理由は他にない、と私は思う。
トキやコウノトリの復活には誰も反対しない。これだって生態系に影響を及ぼし何が起こるか本当は分からないわけで、新種のウイルスが進化して奇病が発生するとかいくらでもマイナーな発想はできるが、そこは反対しない。
つまり食われる心配はないからだ。
狩猟牧畜民族だった欧米人は、家畜の被害からオオカミを悪者扱いしてきたが、生態系の調和のため必要だったと反省し、今は保護動物としている。
農耕民族であった日本(たぶん東アジアもそうだろう)では、獣害対策に有益だったオオカミを大神とまで祭り上げていたのに、絶滅してシカやイノシシによる獣害が蔓延しても反省できず、ひたすら忌避している。
それは何故かという問いに適当な答がないので、勝手に想像をしてみた。
欧米人は肉食系なので、肉食動物の攻撃性が分かりオオカミに親近感をもてるが、日本など東アジアは草食系なので(欧米人より腸が長い)、肉食動物の攻撃性も分からずオオカミに親近感を持てないのではないか。
世界のオオカミによる人的被害(2000~2013の14年間)
死者 11例、16名
負傷者 27例、77名
年間死者数は平均1.1人である。面積は日本の100倍以上もあるだろうから、日本でオオカミを復活させても、面積だけで言えば100年に1度以下ぐらいの確率で、めったに事故は起きないということになる。
昨年だったか、隣町でミカンを取っていた人が猿と間違えられて猟師に撃たれ亡くなっている。実際は猟による事故とオオカミによる事故とどちらが多くなるか分かったものじゃない。
オオカミによる人的被害はめったに起きないけれど、しかし全くないとは言えない。そこが日本人は許容できない点なのだろう。
で、この異常な忌避感はどこから来たのだろうかと思う。それは草食系民族の何万年に渡るDNAのせいではあるまいか。
馬や鹿はせっせと草を食べ肥え太り、オオカミの餌食になっていた。とにかくオオカミ復活の話をすると、この国では大概、馬の耳に念仏、シカに説法である。「オオカミなんて~」と毛嫌いする。
それは、集団に埋没した農耕的自我で正否の判断力が弱い“馬鹿”だからではなく、ウマやシカのような草食系だった民族が、肉食系の餌食となることを嫌う遥かなDNAの記憶がそうさせているのではないか。
今回の結論は自信がない。
しかしニッポン部族社会の名誉のために正解であってほしいと願う。
山の中に犬

このオオカミ復活の話をすると、大概の人は「ええ~ オオカミなんて~」と引いてしまう。理詰めで説明しても、とにかく聞く耳を持たないといった雰囲気がある。
NETで調べたら反対者も結構いる。特に猟友会の人やジビエ産業(鳥獣を食材とする)の人達など、シカやイノシシの安定供給の妨げになり反対しているようだ。
近所の生物学者さんに質問したら、「すでに生態系が変わってしまったところに、再びオオカミを持ってくるのは大変危険、何が起こるか分からない」と猛反発している。
それらの言い分はどうもあやふやである。ふるいにかけて残るのは、どうやら「万一襲われたらどうする」「食われるのは嫌だ!」という辺りだろう。理由は他にない、と私は思う。
トキやコウノトリの復活には誰も反対しない。これだって生態系に影響を及ぼし何が起こるか本当は分からないわけで、新種のウイルスが進化して奇病が発生するとかいくらでもマイナーな発想はできるが、そこは反対しない。
つまり食われる心配はないからだ。
狩猟牧畜民族だった欧米人は、家畜の被害からオオカミを悪者扱いしてきたが、生態系の調和のため必要だったと反省し、今は保護動物としている。
農耕民族であった日本(たぶん東アジアもそうだろう)では、獣害対策に有益だったオオカミを大神とまで祭り上げていたのに、絶滅してシカやイノシシによる獣害が蔓延しても反省できず、ひたすら忌避している。
それは何故かという問いに適当な答がないので、勝手に想像をしてみた。
欧米人は肉食系なので、肉食動物の攻撃性が分かりオオカミに親近感をもてるが、日本など東アジアは草食系なので(欧米人より腸が長い)、肉食動物の攻撃性も分からずオオカミに親近感を持てないのではないか。
世界のオオカミによる人的被害(2000~2013の14年間)
死者 11例、16名
負傷者 27例、77名
年間死者数は平均1.1人である。面積は日本の100倍以上もあるだろうから、日本でオオカミを復活させても、面積だけで言えば100年に1度以下ぐらいの確率で、めったに事故は起きないということになる。
昨年だったか、隣町でミカンを取っていた人が猿と間違えられて猟師に撃たれ亡くなっている。実際は猟による事故とオオカミによる事故とどちらが多くなるか分かったものじゃない。
オオカミによる人的被害はめったに起きないけれど、しかし全くないとは言えない。そこが日本人は許容できない点なのだろう。
で、この異常な忌避感はどこから来たのだろうかと思う。それは草食系民族の何万年に渡るDNAのせいではあるまいか。
馬や鹿はせっせと草を食べ肥え太り、オオカミの餌食になっていた。とにかくオオカミ復活の話をすると、この国では大概、馬の耳に念仏、シカに説法である。「オオカミなんて~」と毛嫌いする。
それは、集団に埋没した農耕的自我で正否の判断力が弱い“馬鹿”だからではなく、ウマやシカのような草食系だった民族が、肉食系の餌食となることを嫌う遥かなDNAの記憶がそうさせているのではないか。
今回の結論は自信がない。
しかしニッポン部族社会の名誉のために正解であってほしいと願う。
山の中に犬
おばんなんやした、turnipmanさん。
すばらしきかな考察力、ただ食われてしまうから・・・でオオカミへの拒
否反応・・よく理解できた思いです。まじめに拍手を送ります。中でも「馬
の耳に念仏、シカに説法」には参りました。脱毛です、いや脱帽です。
すばらしきかな考察力、ただ食われてしまうから・・・でオオカミへの拒
否反応・・よく理解できた思いです。まじめに拍手を送ります。中でも「馬
の耳に念仏、シカに説法」には参りました。脱毛です、いや脱帽です。