2013.04.12 Friday
富良野オムカレーの行く末は・・・
平成18年3月に誕生した富良野市のご当地グルメ
富良野オムカレーは8年目に突入した。 富良野オムカレーの行く末を客観的かつ冷静に 考えてみた。 【提供店】 ・現在、提供している店は12店舗であるが、店主の 高齢化などを背景に減少する見込みである。 ・富良野オムカレーの誕生後、同協議会に加盟せず、 6カ条のルールに基づかないでオムカレーを提供する 飲食店等が市内や沿線に増えた。 ・以上を踏まえ、協議会に新たに加盟して、富良野オム カレーを提供する飲食店は大幅に増えることはない。 【事務局】 ・事務局員も高齢化が徐々に進展、業務(職務)でなく ボランティアで担っていることから、仕事・生活環境など を考えると事務局機能は低下する。 ・新たにボランティアで事務局の中核を担う人材育成は 難しい状況にある。 ・行政や商工・観光団体などと組織的に富良野オムカレー のメニュー開発を進めてきた背景が無いので、 現時点で行政や商工・観光団体が事務局を担うことは 困難である。 【提供数】 ・富良野市へ訪れる観光客数と比例するが、提供店が 減少する見込みのなかで、今後、富良野オムカレーの 提供数は伸びることがなく、横ばいから減少に向かう。 ・一方で、同協議会に加盟しないでオムカレーを提供 している店もカウントすると、オムカレーというメニュー は富良野地方でかなり提供しているものと思われる。 【認知度】 ・富良野オムカレーの地元の認知度は高いと思われる が、喫食率は低く、スープカレーなどに比べると地元の ソウルフードには至っていない。 ・年間提供食数の約8割が5月〜9月の観光シーズンに 集中しており、観光地グルメとしては定着しつつある。 【食文化】 ・家庭の食卓でオムカレーを作る・食べる文化は醸成 されていない。 以上を踏まえると・・・ ★協議会の活動は、徐々に停滞し、推進組織は いずれ無くなる。 ★地元食材と提供スタイルにこだわる6か条ルールは 風化し、協議会加盟提供店の「富良野オムカレー」と 協議会加盟していない提供店「オムカレー」が一緒に なる。 ★観光情報誌やメディア(新聞・テレビ等)の取材等も 減少傾向の一途をたどり、並行してオムカレーの提供 数も減少する。 恐らく、こういう結末へ向かうに違いない・・・ ここで運命の分かれ目となるキーポイントがある。 すなわち、ピンチはチャンスだ! それは何か? ★先細りしていく状況のなかで「オムカレー」のメニュー を残して提供し続ける飲食店等が何店舗残っているか! ★富良野市内、沿線の飲食店等で「オムカレー」の メニューが多いことに気付く、市民(いい意味での「バカ者」) がいるか! ★これは理想であるが、市民は家庭の食卓でカレーを 作ると言えば、オムカレーを作るのが当たり前の食文化 になっているか! 今、この世に生きている市民でなく、 数十年後に生まれてくる市民らが、 他の地域に比べ「オムカレー」をメニューしている 飲食店が多いことに気づいて、 その理由(歴史・背景)を紐解き、 「食によるまちおこし」に生かせば、 開発型のご当地グルメでなく、 発掘型のご当地グルメとして 真に盛り上がるに違いない。 そのためには・・・ ★先細りになっても「オムカレー」というメニューを 残している飲食店等の存在 ★「オムカレー」が他地域に比べ、飲食店等で メニュー化されていることが多いことに気付く 市民の先見の明とまちおこしに生かすチャレンジ 精神 ★我が家のカレーは「オムカレー」という食文化 以上の要素が欲しい・・・ 現在の富良野オムカレー推進協議会の活動は、 どんなにいろいろなことを仕掛けても、 「活動動機」「推進体制」「人間性」「地域性」などを 背景に真の「まちおこし」に結び付くことは無い。 一方、数年前から、ご当地グルメによるまちおこしが 全国的に過熱化、ブームになっているが、 数年後には落ち着き、ご当地グルメによるまちおこしを 進めてきた地域は、発展・維持・衰退の3つのベクトル のいずれかに進むに違いない。 富良野オムカレーによるまちおこしも、恐らく衰退の ベクトルに進むだろう。 しかし、数十年後には、また必ずご当地グルメの まちおこしの機運が高まるはずである。 衰退のベクトルの方向に進む 富良野オムカレーによるまちおこしも、 運命の分かれ目となるキーポイントを を乗り越えれば、 千載一遇のチャンスが訪れる可能性は きっとあるはずだ。 そういう事実と向き合いながら、 今、この世にいない次代の市民にバトンタッチする ために、 今、富良野オムカレー推進協議会が出来ることは、 様々な活動の「記録」と「軌跡」を残していくこと。 先細りする事実を見据えながら、 限られた時間(年月)のなかで、運命の分かれ道の 土台をブレることなく築いていこうと思う。 JUGEMテーマ:地域/ローカル |