大谷　ホロ苦初先発　２軍戦４イニング３失点

　投打の二刀流で注目される日本ハムの新人、大谷翔平投手（１８）が１１日、イースタン・リーグのロッテ戦（ＱＶＣマリン）でプロ入り後初めて先発登板し、４イニングを投げ５安打、３四球の３失点（自責点２）で敗戦投手となった。

　反省の言葉が口を突いた。「自己採点は結構、低いと思う。このままじゃダメ」。公式戦初先発の大谷は、自らの投球を厳しく評価した。立ち上がりから制球に苦しみ、課題の残るデビュー戦となった。

　初回、先頭・加藤を内野安打で出すと、自らのけん制悪送球で二塁に進め、内野ゴロに失策が絡んで先制された。２回は２死満塁から、荻野貴の中前打で２失点。腕が横振りになる悪癖が顔を出し、ボールが高めに浮いたところを痛打された。

　前夜は１軍戦にベンチ入りせず、午後１１時に就寝して登板に備えた。だが「初回から体にキレがなく、緩み過ぎていて抜け球が多くなった」。野手で１軍出場を続けながら、投手調整を行う難しさを実感した。それでも随所にらしさはみせた。途中から意識的に９０キロ台の緩いカーブを投げて、投球フォームを修正した。３回にはこの日最速の１５２キロを計時。緩急を付けた投球で３回以降は追加点を許さなかった。

　テレビ観戦した栗山監督は「うまく抑えてしまうと、課題が見えないからね。それがはっきりしたからいい」と言った。打者としては１軍で安打を放っているが、投手としては最初の一歩を踏み出したばかり。つまずいて当然だ。登板後は東京ドームに戻ったが、出場はなし。「今後も勝敗にかかわってくる先発でやっていきたい」。次回は来週末に登板予定。二刀流ルーキーは、１軍マウンドを夢見てこれからも投げ続ける。　（中村博格）