福島第一原発の破壊は津波だけによるものか, 川内前議員、命がけの現場取材
衝撃的な内容だった。
でもそれが、私のチャネルで初公開というのは今日の日本のメディアの病みを象徴している。
彼は私の所では話した内容を報道関係に送っている。
しかし、大手メディアは一面トップを飾れる記事内容を全く無視しているのである。
この無視が如何に深刻な意味合いを持っているかを下記に書く(注、11日付東京新聞は2面にわたり報道している)
政府は原発再稼働の基準を作っている。
その際、福島第一原発の破壊が今政府のとっている見解である津波だけによるものか、あるいは地震によるものも含まれているかによっては、原発再稼働の方針が全く変わる。
現在は「津波による」という解釈をし、これを基準に原発の安全基準を作り、再稼働を行おうとしている。
では崩壊した福島第一原発一号機の現場を、東電以外の人が現場検証しているか。その現場の状況を踏まえて、津波だけによるのか、合わせて地震にもよるものか、と対応しているか。していない。学者など誰も足を踏み入れていない。
なぜか。現場視察があまりにも危険すぎるのである。
この現場を実地検証した東電以外の唯一の人物が川内博史前民主党議員である。
彼は3月13日と28日の2回入った。これでうけた放射線は一回目が5ミリシーベルト、2回目は6ミリシーベルト、合計11ミリシーベルトである。
実はこの数字は極めて大きい意味を持っている。
川内氏は次のように説明する。
「人間には60兆個の細胞がある。この全ての細胞に放射線があたる状況が1ミリシーベルトである。だから、全ての細胞に放射線被害で破壊される可能性がある。私には全ての細胞に11本の放射線が突き刺さったことを意味する」
こんな状況だから危なくて誰も入れないのである。
専門家は『現場検証の必要がある』と言いながら、原子力関係学者が入らないのは、それ位危険であるからである。
川内氏は、「福島第一原発一号機の爆発が一号機で起こった可能性がある。その際には地震の揺れで破損した復水器と配管の隙間から水素や放射線物質が漏れた可能性がある」との推論を行っている。
福島第一原発一号機の現場では①地震の影響の可能性がある、②しかし、現状では危険で調査をできない状況にあることを、川内議員は東電関係者以外で初めて入って確認してきた。
これは日本の原子力政策全体を左右させる可能性のある調査である。
それも社会的に疑念のある人が述べていることではない。国会で原発問題に取り組んできた元議員である。東電も然るべき見識を持っている人と判断し、視察を許可した。
川内博史前民主党議員は主要メディアに自分の見解を連絡した。
そして反応したのは東京新聞だけである。
その他のメディアは何故報道しないのか、説明できるのであろうか。
「電力会社と、電力会社の意向を踏まえて再稼働しようとする安倍政権に配慮して報道しなかった」以外に、報道しない理由を説明できるか。
ここでもまた、メディアの体質にぶつかった。
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