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NASAが「アルマゲドン」!?計画 無人探査機で小惑星捕獲!
柔らかい素材で小惑星を包んだ無人探査機(左)に有人宇宙船(右)が接近する想像図(NASA提供)
Photo By 共同 |
米航空宇宙局(NASA)が10日(日本時間11日)、無人探査機で小惑星をキャッチして地球や月の近くまで移動させ、別の宇宙船に乗った飛行士らがサンプルを採取するという構想を発表した。2017年ごろに探査機を打ち上げ、早ければ21年に飛行士を小惑星に送る意向。98年に大ヒットしたSF映画「アルマゲドン」をほうふつさせる壮大な計画が実現するか、注目が集まる。
NASAは30年代に火星への有人飛行実現を目指しており、今回の計画は、火星探査のために開発中のオリオン宇宙船や大型ロケットの性能を試す目的がある。
共同電によると、目標となる小惑星は未定だが、直径7〜10メートル、重さ500トンほどで地球に比較的近いものを探す。太陽電池の電力で推進力を得ることができるエンジンを備えた探査機を開発。軟らかい素材でできた捕獲装置を宇宙空間で展開させ、小惑星をすっぽり包んで地球と月の重力がつり合う位置までゆっくり運ぶ。
飛行士らは宇宙船で接近し、宇宙服を着て船外に出て小惑星に「着陸」。岩石の組成分析やサンプル採取をして地球に帰還する。隕石(いんせき)や小惑星を地上から監視するためのシステム向上も併せて進める。NASAは構想の実現に向け、14会計年度に約1億ドル(約100億円)の予算を見込む。
今回の計画には、小惑星のような地球に接近する物体の軌道を変える手段を探る側面もある。今年2月、ロシア西部のチェリャビンスク州上空で、大気圏に突入した隕石が爆発し、周辺に破片が落下。爆発により発生した衝撃波で窓ガラスが割れるなどして、約1500人が負傷する被害が出た。
発見された隕石の破片は数センチと小さかったが、NASAの推計では大気圏突入前の重さは6000トン、直径15メートル。空中爆発せず落下した場合、地上に約100メートルのクレーターができて壊滅的な被害が出ていたと推定した科学者もいた。
映画「アルマゲドン」は、地球に衝突する軌道をとっている直径約1200キロの巨大小惑星に民間人が着陸し、核爆弾で破壊するという夢物語。ただ、実際にNASAが研究に乗り出すとなれば現実味を帯びてくる。小惑星の衝突は人類滅亡にもつながりかねないだけに、計画の実現に期待が高まる。またNASAは、小惑星で有用資源が採掘できないか調べることも考えているという。
◇宇宙で採取された主な試料(日付は採取時)
▼月の石 米国のアポロ宇宙船が計6回で約400キロを持ち帰り。大阪万博では一部が展示され大人気に。(1969〜72年)
▼小惑星の微粒子 探査機「はやぶさ」がイトカワ表面の微粒子約1500個を採取。約46億年前の太陽系の誕生や、その進化過程の解明につながる物質を初めて入手。(05年8月)
▼火星の岩石 NASAの無人探査車が採取。生命活動に必要な6元素が含まれており「約10億年前には微生物などの生命を育むのに適した環境」と発表。(12年8月)
[ 2013年4月12日 06:00 ]
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