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第一原発地下貯水槽 ごみ処分場と構造同じ

 ●専門家「漏出は防げない」

 福島第一原発で相次いで汚染水漏れを起こした地下貯水槽の基本構造は、遮水シートを使った「管理型」と呼ばれるごみ処分場と同じだったことが、東京電力の説明で分かった。その構造について、専門家からは「ごみ処分場の水準から見てもお粗末だ」などと厳しい批判が上がっている。

 東電によると、貯水槽は地面に穴を掘り、一番下に粘土を布で包んだベントナイトシートを張り、その上に2重の遮水シートを敷いた構造。「厳重な品質管理をしていた」と強調する。

 この構造について、日本環境学会前会長の畑明郎・元大阪市大教授は「ため池にシートを敷いて汚染水をためているようなもの。近年の処分場ではあり得ないお粗末さだ。考え方自体が間違っている」とあきれる。その上で「一定の漏出は防ぐことができない。漏れることを前提に造るのが常識で、漏れてもすぐ分かる地上型ステンレスタンクにすべきだ」と提案する。

 放射性ストロンチウムなどを含む高濃度汚染水を地下貯水槽にためることは、原子力規制委員会の前身の旧原子力安全・保安院が昨年8月、了承している。しかし、どういう構造の施設ならば安全を担保できるかについては、法に基づく明確な審査基準もない。

 施工時の検査には、廃棄物最終処分場の管理要領などを準用しているが、原子力規制庁の担当者は「準用を検討した委員の中に、廃棄物処分場の構造設計についての専門家はいなかった」と認めた。

 全国各地のごみ処分場の調査結果を持つ廃棄物処分場問題全国ネットワークの藤原寿和・共同代表は「管理型より手厚くコンクリートで固めた『遮断型』でさえ汚染水漏れの例がある」と指摘。「放射能汚染水ならば、遮水シートのほかコンクリート、鋼矢板、補強材などで二重、三重の安全防護措置を講じるのは当然だ。規制庁や東電のリスク評価は甘すぎる」と警鐘を鳴らす。

 東電は9日、汚染水漏れについての記者会見などで、昨年4〜12月の貯水槽施工中に遮水シートや継ぎ目溶着部の欠陥の有無を「全て東電社員が立ち会って確認した」と説明。しかし、シート接合部の重ね幅や溶着部の強度については、一部抜き取り検査や書類確認で済ませていたことを明らかにした。これまでの調査では、シート継ぎ目からの汚染水漏出の可能性も浮上している。

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