ヨナグニウマ、波多浜を疾走 30年ぶり「んまはらし」
住民詰めかけ、レースに歓声
【与那国】祖納の波多浜で3日、「んまはらし大会」(与那国町自治公民館連絡協議会主催)が行われ、観光客や町民が詰めかけ、30年ぶりのレースに一喜一憂した。「んまはらし」(馬走らし)は、浜競馬。以前は「物忌祭」で農家が田草を取り、稲に虫害が無いように祈願する「ツァバムヌン」の余興として行われた。馬に乗る若者たちのほとんどが過去の浜競馬を見たことがないという。
出走馬は平均体重200キロの在来の「与那国馬」。農家に馬がいないため「与那国馬保存会」「ヨナグニ馬ふれあい広場」が提供協力。浜の120メートルを青年会、ちびっ子男女、公民館対抗レースと組分けて疾走するタイムレース。くらがけ、裸馬かは乗り手の自由。
レースは強い日差しの中で行われ、ゴールめざし全力で走る馬、コースを大きくはずれ落馬する人。大人顔負けに操る子供たち。キョンタ、オードリ、アルマーなどと馬名もユニークだ。
護岸では町民らがたくましく砂をける島馬に歓声をあげた。浜の近くに住んでいる大島馨さん(72)は「長く走らせるともっとおもしろいよ」と話し、昔は端から端まで(280メートル)を競ったと懐かしんでいた。(田頭政英通信員)