NHKが映像を無料配信しているインターネットのサイトに、日本海の表記として、日本政府の見解と異なる「東海」と併記された地図が使われていたことが9日、分かった。NHKは「意図的にそうした表記を使ったものではない」としている。
地図が使われていたのは、BSで放送された番組やNHKが保存している映像をネット上で視聴できる「NHK映像マップみちしる」。日本地図の上に表示された「▽」マークをクリックすると各地の動画が視聴できる仕組みで、NHKは「地域文化を学ぶ学校の授業などでも使用できる」としている。
NHKによると、地図はネット検索大手の「グーグル」から提供されたデータを元に作成。サイトは平成23年7月に開設されたが、「東海」の表記については「いつから掲載されていたか分からない」という。指摘を受け8日午後、「日本海」単独表記に修正した。
日本海の呼称をめぐっては、韓国が4年から、「東海」と表記するか併記すべきだなどと根拠のない主張を展開しているが、世界の海図や海、海峡の名称などを調整する国際水路機関(IHO)は昨年4月に「日本海」単独呼称のままとすることを決めた。米政府も「日本海と呼ぶのが長年にわたる米国の方針」との見解を示している。
日韓関係に詳しい拓殖大の下條正男教授(日本史)は「国際問題に関する見識がなさすぎる。なぜこういうことが起きたのか検証し説明すべきだ」とした。