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村上春樹氏 3年ぶり新作を発売、発行部数は既に50万部

 世界的な人気作家、村上春樹さん(64)の新作小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が12日、発売された。深夜営業する書店にはファンが集まり、熱気に包まれた。

 村上さんの長編小説の新刊は2010年4月の「1Q84 BOOK3」以来3年ぶり。版元の文芸春秋によると、事前予約などを受け、発売前に増刷を重ねて発行部数は50万部に上っている。村上さんや文芸春秋は、作品の内容について事前に明らかにしていなかった。

 東京都渋谷区の代官山蔦屋書店には、熱烈なファン“ハルキスト”らが集まり、販売が解禁された12日午前0時に合わせてカウントダウン。専用カウンターに行列をつくった。

 11日午後11時から同店で開催されたイベントでは、約70人が文芸評論家の福田和也さん(52)を囲み、タイトルを手掛かりに「『巡礼』とは冒険のことではないか」「主人公の年齢はいくつぐらいだろうか」などと、入手直前の新作の内容を予想し合った。

 友人と店を訪れた服飾デザイナーの彦坂玲子さん(35)は「新作の発売を知ってから楽しみにしていた」。日大1年の北村史成さん(18)は「自分が主人公のように思え、感情移入できることが村上作品の魅力。徹夜で読みます」と語った。

 深夜営業する他の一部書店でも村上さんの新作を販売したほか、各地の書店が開店を早朝に繰り上げて営業する。

[ 2013年4月12日 00:30 ]

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