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熊本市動植物園が不適切事務処理 残予算流用も 2013年04月11日

熊本市動植物園が不適切事務処理 残予算流用もの写真、図解
園内の収蔵庫に保管されているアフリカゾウの標本の一部=熊本市動植物園
 熊本市動植物園(東区健軍)が、同園で死んだアフリカゾウの骨格標本の作製を業者と口頭で委託契約したまま7年間放置し、その問題を隠蔽[いんぺい]するため別の予算の残額(執行残)を無断で流用して委託料を支払っていたことが10日、分かった。

 同園によると、アフリカゾウの「健太」が1999年に死んだ際、当時の副園長が骨格標本にして一時保管するよう、福岡県の標本製作業者に口頭で依頼。しかし、文書での契約は行わなかった。

 06年の業者からの連絡で、口頭での契約など不適切な事務処理が表面化。標本化は通常でも数年かかるが、この間、業者からの連絡はなかったという。

 委託料は保管料も含めて約250万円で、当時の園幹部らは不適切な事務処理の発覚を免れようと、議会での議決を必要としない園内の清掃業務委託料などの執行残を流用。07、08、11年度の各年度に頭蓋骨や前足など部位ごとに標本作業を委託したとする偽の書類を作り、計約150万円を支払った。

 市の予算決算規則は、予算の執行残を目的外に使用する場合、所管局と財政課の判断を仰ぐとしているが、こうした手続きはとっていなかった。

 この問題をめぐっては、昨年11月に市の内部通報制度を利用した通報が市コンプライアンス推進室にあり、総務局の幹部らでつくる調査・措置検討委員会が、ことし1月に適切な処理を求める是正措置を出している。

 園側も内部通報がある1カ月前には園を所管する観光文化交流局に報告。庁内で協議した結果、同業者と随意契約で契約を結びなおし、残る約100万円も近く支払う予定。標本は3月に届き、園内の収蔵庫に保管してある。

 本田公三園長は「問題の発覚を免れるため、無断で執行残を流用してしまった。判断を間違い、申し訳ない」。同局の坂本純局長も「こうした事務処理があったことは遺憾。3月に動物が死亡した際の対応をまとめた要綱を策定した。再発防止に努めたい」と話している。(内田裕之)



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