スノーホワイト
リンはアレクの部屋を後にして下級兵士団の宿舎の戻ってきたのはもう、日も暮れる頃だった。
食堂に行くと同期のロイがいた。
ロイはリンに気づくとすぐぞばまで寄って来た。
「リン、お前また、隊長に何か言われたのか?」
リンはロイが言ってる事が解らなかった。
「何の事?昼間は隊長にまた、殴られそうになったけど・・・何かあった?」
ロイは隊長が宿舎に帰って来た時の、状況を話した。
「何かブツブツと、リンが悪い!あいつさえいなかったら、こんな目には
合わなかったなど小声で言っていたぜ!」
リンは顔を引きつらせた。
(確かに隊長は僕に手を出そうとして死にかけたもんなん・・・後が怖いな・・・)
リンはロイに今日あった事を、話した。
その話を、聞いたロイは目を大きく開いてビックリしていた。
「お前もかなり厄介な人に目を付けられたな・・・・気の毒に・・」
ロイは哀れの目でリンを見つめた。
「確かに少し変な王子だけど、優しい方だよ」
リンはロイがなぜそんな事を言うのかが解らなかった。
そんな、ロイは察したのかアレクについて話した。
「あのお方はアストラ王国でほぼ最強の魔力を持ち、戦争では一人で100人の兵士を一瞬で灰にする事が
出来る魔法を持ってるし、残虐非道で有名だから通り名が【スノーホワイト】って名前がついてるんだよ!」
「スノーホワイト?・・・何で?その通り名なの?」
リンは首を傾げた。
ロイはリンの無知にため息を漏らしなが説明した。
「あのな~・・いいか、よく聞けよあの方は殆ど感情を出さないんだ、人を殺しても顔色一つ変えないし、
あの方に言い寄ってきた女性も俗物を見るような目で見るそうだ・・・ただ、顔が凄く綺麗で表情を変えないから、雪のような真っ白い色【スノーホワイト】って呼ばれてんだよ」
ロイから聞いた話と、今日会ったアレクがリンの中では全く一致しなかった。
(アレク様はそんな風には全然、見えなかったな・・・・ロイが言ってる事が本当なら、どっちが本当の
アレク様なんだろう?)
リンはそう思いながらロイと別れた。
リンは家に帰る道で星空を眺めながらこう思った。
(どうして、僕なんだろ?・・・ただ似てるだけなのに・・・)
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