GOD EATER ~RED・GODDESS~ (真王)
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スミカの初任務だ!



初任務・討伐オウガテイル

スミカはエントランスのソファに腰掛けて人を待っていた。これから出撃する任務に同行してくれる人…ツバキ教官の弟と言っていたが…。

考えにふけっていると、カウンターの方からヒバリの声が聞こえた。

「あ、リンドウさん!支部長が見かけたら、顔を見せにこいって言ってましたよ?」
「オーケー、見かけなかったことにしといてくれ」

一人の男がそんなこといった。
スミカから見た第一印象は、『適当そうな人』

「いよーぅ、新入り!」

(この人が、ツバキさんの弟で、世界各地の支部や本部を合わせても五指に入るほどの力をもつゴッドイーター…)

身の丈180センチを超えた大柄な体格、たくましい肉体、伸ばした前髪は左目をほとんど覆い隠している。

端正な顔立ちからこぼれる大人の余裕さを感じさせる笑みには、ベテランの風格が感じ取れた。

「俺は『雨宮リンドウ』!形式上お前の上官にあたるんだが……まあ、めんどくさい話は省略する。とにかく、とっとと背中を預けられるくらい育ってくれな?」
「……あら!もしかして新しい人?」

リンドウの後ろから、たまたま通りかかったやたらと露出度の高い、綺麗に切り揃えたショートボブの女性が声をかけた。

「お、そういえば名前聞いてなかったな」

二人の視線を受けスミカは姿勢を正す。

「昨日付けで第一部隊配属となりました、スミカ=グレンです」

と名乗り、スミカは一礼する

「俺は名乗ったから、あとはお前だけだ」
「はいはい。私は橘サクヤよ!同じ部隊なのね〜…助かるわ〜」

サクヤはニコニコしながら言う。

「さて、自己紹介も終わったことだし…あ〜今、厳しい規律を叩き込んでるんだから、あっち行ってなさいサクヤくん」
「了解です、上官殿」

なんだか慣れた様子の二人だ。

(付き合い長いのかな?)

サクヤはスミカに軽く手を振って去って行った。

「とまぁ、そういうわけでだ…早速お前には実戦に出てもらう。姉上から聞いてるとは思うが、今回の緒戦の任務は俺が同行する………っと、時間だ。そろそろ出撃するぞ!」
「はい、よろしくお願いします」

二人は神機保管庫エリアに移動し、自分の神機が納められたケースを持ち、ヘリに飛び乗る。

さほど時間はかからずにヘリは今回の任務地「贖罪の街」へと到着した。

かつて人々が生活していた大都市だったが、アラガミの出現直後に崩壊し、無惨に食い破られたビル郡が今も残っている。

「ここも随分荒れちまったな…おい新人、実施演習を始めるぞ!…命令は3つ」

「命令」という単語を聞いてスミカは身をかたくする。

「死ぬな。死にそうになったら逃げろ。そんで隠れろ。運が良ければ不意をついてぶっ殺せ。…あ、これじゃ4つか…」

リンドウの数え間違いにスミカは思わずクククと笑ってしまう。

それを見てリンドウは微笑む。

「そうそう、肩の力を抜いてな。とにかく生き延びることだけを考えろ。生きてさえいりゃ、あとは万事どうにでもなる」
「とりあえず生きろってことですね」

リラックスしたスミカの返事に満足したリンドウは街へと向き直る。

「さあて…おっぱじめるか!」

そして二人は夕暮れの街へと駆け出した。

「そういえばリンドウさんて階級少尉でしたよね?」
「ん?ああ、形式上そうなってる」
「いがいですね~、普段やる気のない人だと思ったけど案外やれば出来る子なんですね」
「そうほめるなよ」

若干とげを混ぜたが軽くスルーした。

「さてと新入り本日の任務だが・・・」
「アラガミの中で雑魚中の雑魚・オウガテイルですよね?」
「そうだ。小型アラガミでは数が一番多く、お前みたいな新入りが一番最初に倒すアラガミだ。
 だからって油断するなよ? 油断すればたちまち喰われちまうぞ?」
「はい、わかりました」

こくりと頷くスミカ。その表情は緊張といったものは見受けられない。

(まぁ散々遊んだアラガミだからね)





しばらく散策していると、オウガテイルが歩きながらこちらに向かって来る。

二人は建物の影に隠れ、飛び出すタイミングを窺う。その際、リンドウが後ろから小声でスミカに囁いた。

「一発、ブチかましてやれ」

スミカは頷くと、物影から勢いよく飛び出す。

突然飛び出してきたスミカにオウガテイルは警戒態勢になるが、スミカは素早く横に回り込み五回の斬撃を入れる。
オウガテイルが怯んで倒れ込み、スミカは素早く神機を構えた。

すると、神機のパーツを押しのけて黒い口が出現し、それをオウガテイルに突き出す。

「食っちゃえ!」

ブシュっと血の吹き出る音がして、オウガテイルの血肉は噛みちぎられた。

「バースト!!!」

神機が捕喰したオラクル細胞は糧となり、身体に力がみなぎらせてスミカをバーストさせる。
その間にオウガテイルが立ち上がり、スミカに噛み付こうとする。

スミカはバックステップで後ろに下がって躱すと、

「どっせい!!」

一回転してオウガテイルを吹っ飛ばした。

「これでとどめよ!!」

スミカがとどめの一閃。
オウガテイルは悲鳴を上げて倒れた。

「おーおー…俺の出る幕なしか…」
「リンドウさん!」

影で見守っていたリンドウが出てきた。

「ああ、そうそう!倒したアラガミは捕喰して素材を回収しとけよ?」
「あっ、はい!」

スミカはオウガテイルを再び捕喰し、ゴッドイーター人生初のアラガミ素材を回収した。

「んじゃ、引き上げるか」
「そうですね。行きましょう」

二人はヘリの待機地点へと向かって歩いていく。

その後ろでは残されたオウガテイルの肉片が黒く霧散し、地面に引きずり込まれるように消えていった。

「しっかし、なかなかやるな〜…この分だと小型アラガミ程度なら俺がいなくても大丈夫か?」
「同じゴッドイーターとしてどうかと思いますよサボり隊長」
「はは、冗談だ」

帰投する途中のヘリの中で、スミカとリンドウは他愛ない言葉を交わしていた。

「まあ、初任務であれくらい動ければ問題ないだろう…だがなんにしても、まずは生き残ることが大事だからな?」
「わかってますよ。リンドウさんも生きてくださいね。お姉さんがいるんですから」
「ははは、そうだな」

二人を乗せたヘリは風に揺られながらアナグラへと帰っていった。