GOD EATER ~RED・GODDESS~ (真王)
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地獄訓練?
三人がエントランスに到着すると、階段を降りた先を指差してシュンが言った。
「あそこにオペレーターがいるんだ。その人に話し掛けて、『訓練ミッション』を受注してこい。受注が完了したらあそこの出撃ゲートから出て、案内表示に従って行けば訓練場に行けるぜ」
「わかりました」
スミカがにこやかにそう言うとシュンは「フン」とそっぽをむいた。
スミカは素直じゃないな~と思った。
「じゃあ俺は部隊の方に戻るからな!訓練でいきなり死ぬなよ〜」
ひらひらと手を振って、シュンはゴッドイーター用ターミナルへと向かっていった。
それを見て頷きあったスミカとコウタは階段を降りて行く。するとそこには…。
「やあヒバリちゃ〜ん、今日もかわいいねぇ〜」
「もう、タツミさん!他の方々の邪魔になるのでそういうことはやめてください!」
……いきなりナンパ現場に遭遇……。
「どうする?スミカ」
コウタはタツミの新たな一面を見せられて少し引いている。
スミカはちょっと考えた後、ずかずかと近づいて、
グワシッ!
「すいませ~ん、タツミさ~ん?ミッション受ける人のみにもなってよね~?」
「ス、スミカ!?」
「…あぁ!新人さんの方々ですね!はじめまして、オペレーターの『竹田ヒバリ』といいます!」
ヒバリと名乗った女性は、綺麗なお辞儀で挨拶した。
「ミッションの受注や報酬の受け渡しなどは私が行いますので、これから関わることも多くなると思いますが、よろしくお願いします!それで、どういったご用件でしょうか?」
ヒバリの質問にコウタが答える。
「えっと…訓練ミッションを受注したいんだけど…」
「了解しました!ツバキさんが用意されたミッションが届いてます…準備ができましたら出撃ゲートから指示に従って第一訓練場へ移動してください」
そう言ってヒバリは、同性でも惚れ惚れするような笑顔を二人に向ける。
「わかりました。よし…行こうコウタくん」
「おう!」
そして二人は来た道を戻って出撃ゲートへ向かう。その途中「でさ〜ヒバリちゃ〜ん…」とか「ああっ!いつの間にかこんなに並んでる!!」という声が聞こえたが…。
後でお話しようかなとスミカは思った。
そんなことを思いながら訓練所に付いたスミカとコウタ。そして二人の向かう先にはツバキがファイルボードを持って待っていた。
「ふむ、時間通りだな…よく来たな二人共」
ツバキが二人に向かってそう言うと、ファイルを見ながら説明を始めた。
「では早速トレーニングを開始するが、その前にまず簡単な説明をしよう。お前達二人やその他の者達、私のような現役を引退したゴッドイーターまで、皆腕輪からオラクル細胞を投与している…オラクル細胞についての詳しい説明は、近いうちに榊博士が講義を行うので、そこで学ぶように。そしてそのオラクル細胞は、人体への投与に成功すれば、身体能力を爆発的に引き上げてくれる。筋肉の瞬発力や持続力、反射神経や動態視力、聴力など身体中のほぼ全ての器官が強化される。よってそれに比例したトレーニングメニューとなるのでそのつもりで」
「はい!」
「は…はあ…」
なんだかよくわかってなさそうなコウタを無視してツバキは話を続ける。
「ではまず腕立て伏せからだ!回数は1500回!一秒に一回のペースでこなしてくれ」
「わかりました」
元気よく返事。
するとコウタがなんだか豆鉄砲食らったような顔で手を上げた。
「あ…あの…ツバキさん…」
「なんだ?」
「なんか…桁がひとつ違うような気が…」
「そうか…お前は15000回やるんだな…訓練熱心な奴だ」
「1500回!やらせていただきまっす!」
「フッ、冗談だ…まあ、心配するな。たとえ仮にまったく腕立て伏せができない者でも、オラクル細胞を投与すれば700くらいは出来るようになる」
さらっととんでもないことを言ったツバキ。
「さぁコウタ君!訓練しようよ!」
「ちょ!スミカ!平気なのか?」
「え?あれくらい普通だよね?」
「普通じゃないから!!」
なぜかスミカだけは平気そうな雰囲気。
「さあ、さっさと終わらせないと次のメニューがいつまでたっても消化されんぞ!」
こうして鬼教官ツバキの『楽しい新人クッキング』がスタートした。
「コウタ君生きてる~?」
「・・・・・・俺、疲労死、するかも・・・」
コウタがダウンしたのに対し、スミカはへっちゃらといった感じだ。
「な、何で、スミカは、平気、何だ・・・?」
「ちっちゃいころに色々鍛えてきたからね。そのおかげかと思うよ?」
「そ、そうなのか?」
「そうだよ。さぁコウタ君。残った訓練の再開だよ」
「く、くそ~、男コウタ!こ、この程度でねを上げてたまるか!」
(ぶっ倒れてんだけどね)
そう思いながら口に出さないスミカであった。
スミカには師匠がいる設定。
どんな師匠かは物語が進んだらわかるはず