GOD EATER ~RED・GODDESS~ (真王)
<< 前の話 次の話 >> しおりを挟む/しおりを解除
『ハイスクールG×E×B』にでたスミカの物語だよ!



アナグラへようこそ

「ようこそ…人類最後の砦フェンリルへ…今から対アラガミ討伐部隊『ゴッドイーター』としての適性試験を始める」

演説で多くの人々を魅了するであろう美声が、円形の広い空間に響き渡る。

ここは、フェンリル極東支部の訓練場。壁にはあちこちに傷や弾痕などがついており、その中央には台座が置かれていた。

普通ではなかなか目にしない光景に少々感心している少女を見て、その声の主「ヨハネス・フォン・シックザール」は再び声をかける。

「少しリラックスしたまえ。その方がいい結果が出やすい…心の準備ができたら中央のケースの前に立ってくれ」
「はい」

少女はそう答えると部屋の中央へゆっくりと向かっていく。

ケースは上下半分に分かれており、それぞれに半円型の赤い物体がはめられていた。その物体がある場所は、あいだに置かれた剣の柄の部分……。

……なんだかものすごく嫌な予感がしながらも、少女は柄に手を伸ばす。

すると案の定、上の蓋がギロチンのように落ちてきて腕をバクンと挟まれた。

「うっ、ううううううううう!!!」

グチャグチャと不快な音をたて、手首に堪えがたい激痛が走る。

そしてケースの上蓋が開くと赤い腕輪をつけた少女の腕と、その手に柄をしっかりと握られた剣が出てきた。

少女はその剣を持ち上げ、まじまじと見つめる。

と、その時、柄のすぐ上にある黄色い球体から黒い触手が伸びてきて腕輪に刺さった。

手に黒い筋のような模様が浮かび上がるが、それはすぐに消えた。

「おめでとう。君がこの支部初の新型ゴッドイーターだ」

シックザールの声が響く。どうやら終わったようだ。少女は緊張が解けて安堵の表情になる。

「次に、適性試験後のメディカルチェックが予定されている。後ろの扉から出て、指定された場所まで行って待機していてくれ。尚、『気分が悪い』など症状がでた場合は即座に申し上げるように。期待しているよ、スミカ=グレン君」
「はいっ!」

『スミカ=グレン』と呼ばれた少女は、これから始まる激しい戦いに身を引き締め、自分の上司となるシックザールにしっかりと返事をして部屋を出ていった。