福島第1原発:汚染水漏れ 地下貯水槽廃止へ 全量、地上へ移送
毎日新聞 2013年04月11日 東京朝刊
東京電力福島第1原発の地下貯水槽で放射性汚染水が漏れている問題で、東電は10日、貯水槽7基の汚染水を地上のタンクにすべて移すと発表した。6月までにほぼ完了し、その後、貯水槽は使用しない。
漏えいが確認されているのは1〜3号貯水槽。移送は準備が整う14日から開始する。同日時点の汚染水は、1号6000トン▽2号1100トン▽3号8400トン▽4号3000トン▽6号8100トン。5、7号は使っていない。
計画では、漏えい量が多い1、2号の汚染水を優先的に移す。1号の汚染水の一部と2号の汚染水は廃液タンクに、1号の残りはろ過水タンクに移す予定で、いずれも5月初旬までの完了を目指す。3、6号の汚染水は5月後半に敷地内に増設する1万9000トン分のタンクへ6月までに移す。放射性物質濃度が低い4号の水も5、6号機建屋近くのタンクに移す。
一方、東電は10日、最初に漏えいが見つかった2号貯水槽で原因調査を始めた。事態が深刻な1、2号には小型ポンプを取り付け、漏れた汚染水を貯水槽に戻し漏えいを防ぐ。
広瀬直己社長は10日、福島県楢葉町の福島復興本社で記者会見し、「(昨年7月に実質国有化されて以降)社会に与えた影響が最も深刻な事故と受け止めている」と話した。【鳥井真平、蓬田正志、岡田英】