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石川のニュース 【4月8日04時36分更新】
金沢・片町に昼キャバ登場 主婦接客、高齢客も来店
店は片町2丁目の雑居ビルにある。昨年5月末にオープンし、夜間営業のみだったが、 3月に午後1時からの昼間営業を始めた。 午後3時に店に入った。店内はきらびやかな照明で彩られ、「夜の雰囲気」が漂う。窓 から差し込む太陽の光がミスマッチだ。 ソファに腰掛けると、ボーイから注文を聞かれた。ビールや焼酎、ウイスキーのほか、 コーヒーやジュースなどもそろっている。アルコール類を注文する客は半分だという。 ゆりさん(18)が隣に座った。キャバクラといえば派手なドレスを連想するが、白っ ぽいワンピース姿。私服だという。 ゆりさんは専門学校生で、この店でキャバ嬢デビューした。最初は不安もあったが、「 昼間だからか、ベロベロに酔っぱらうお客さんもおらず、大丈夫です。昼間ならバスで通 えるし、自由な時間も多い」と笑顔を見せる。 キャバ嬢になった理由は1500円の時給だ。「コンビニの倍はありますから」とゆり さんは語る。 中には生活費を得るため、子どもを保育園に預けながら働く20代主婦もいる。昼キャ バ嬢は約10人で接客業の未経験者が多い。 一方、客層で特徴的なのは、これまでキャバクラに来なかった60代以上が来店し、お 酒もさることながら、娘か孫のような年齢のキャバ嬢と会話を楽しむ姿が見られることだ 。「仕事を定年退職したような、普通のおじさんが多いですね」と、店の代表を務める男 性(28)は語る。 「『夜は眠くて来られんから』っていうおじいちゃんもいますよ」と別のキャバ嬢が教 えてくれた。営業の合間に訪れる会社員もいるという。料金は1時間約3500円。夜間 帯の半額だ。 「昼間、テナントを遊ばせておくのはもったいない。昼の営業が夜の来店客増加にもつ ながれば」と代表男性は意図を説明する。昼間の来店客は一日10人前後という。 昼キャバについて、地元関係者のとらえ方はさまざまだ。片町商店街振興組合の小間井 隆幸理事長は「いろんな業態が出てくるのが片町の個性だ」と語る。さらに「猥雑(わい ざつ)さが片町の魅力」とする声の一方、「昼キャバが繁盛し、昼の商店街に酔った人が 増えればトラブルも増えかねない」と懸念する人もいた。 「東京で流行している業態が出てきたのは金沢に都会と同じニーズが出てきた表れ」と 評する声もあった。店が需要を引き出し、増えた需要が店を支える。果たして、こんなサ イクルが昼の片町に生まれるだろうか。
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