慰安婦:日本政府、歴史教科書からの削除を推進へ

 日本政府が、旧日本軍の従軍慰安婦強制動員などの内容を歴史教科書から削除するため、教科書検定制度の見直しを推進する動きを見せている。

 下村博文・文部科学相は10日、国会答弁で「日本に生まれたことを誇らしく思えるような歴史認識が教科書に記載されるようにしていく必要がある」として、教科書検定制度の見直しを検討していくと述べた。これは自民党の西川京子議員が「教科書には日本軍が従軍慰安婦を『性的奴隷』と見なしていたとの記述があるが、これは自虐史観だ」として、教科書検定制度の見直しを求めた質問に対する答弁だ。日本の極右は従軍慰安婦について、日本軍が強制動員したのではなく、自発的だったと主張している。

 安倍晋三首相もこの日の国会答弁で「残念ながら、教科書の検定基準が、愛国心や郷土愛を尊重することとした改正教育基本法の精神を生かせないものとなっている。自負心を持てるようにすることが(教育の)基本だ。教育的な観点から教科書が採択されるかどうか検討していく必要がある」と述べた。

 安倍首相や下村文科相の発言は、最近検定に合格した高校用の一部の教科書に、日本軍が慰安婦を強制動員したという記述が盛り込まれていることを指摘したものだ。安倍首相は昨年末の衆議院議員総選挙で「慰安婦が強制動員されたという証拠がないだけに、強制動員を認め謝罪した『河野談話』の見直しが必要だ」と主張している。

 また、安倍首相は総選挙の際、教科書の「近隣諸国条項」を廃止し、自虐史観から脱皮する教育を進めることを公約に掲げた。日本は1982年「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに、国際理解と国際協調の見地から必要な配慮をする」という内容の近隣諸国条項を教科書検定の基準に追加した。教科書の記述に関し、近隣諸国に配慮するというものだ。だが、同条項が削除されると、日本の「侵略」が「進出」などといった記述に書き換えられる可能性がある。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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