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2013年4月9日(火) 東奥日報 ニュース



■ 弘大で「緊急被ばく医療実習」

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緊急被ばく医療実習で、被ばく患者に見立てた人形の処置を体験する医学生=3日、弘大病院高度救命救急センター
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 弘前大学医学部付属病院高度救命救急センターは本年度、同大医学部医学科の5年生を対象に「緊急被ばく医療実習」を始めた。被ばく医療を研究の柱の一つに掲げる同大で、医学生に被ばく患者への対応の仕方を具体的に教える初めての試み。医学生の被ばく医療実習は全国の大学でも珍しいという。浅利靖センター長は「患者が来た時に医師が必要以上に被ばくを怖がらないよう、科学的な知識を持ってほしい」と話している。

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 浅利センター長によると、東京電力福島第1原発事故の際、福島県では医師に被ばく医療の知識が足りず、傷病者の受け入れを嫌がる例などがあったという。

 原子力規制委員会が事故後に作成した原子力災害対策指針では、医療関係者の教育・研修の重要性がうたわれている。

 「被ばく患者はめったに出ないため、普段の診療で忙しい医師は、自分で勉強しない限り被ばく医療の知識が定着しない。学生のうちからしっかりと教育しようと考えた」と浅利センター長は話す。5年生120人をグループに分け、丸1日かけた実習を来年2月まで計20回行う。

 初回となった今月3日の実習には、5年生6人と同センターで臨床実習中の6年生4人が参加。講義で被ばく医療の最新の知識を学んだ後、同センターの処置室をビニールシートで保護する「養生」を行い、防護衣とマスクを身に着けて被ばく患者に見立てた人形の処置を体験した。

 処置の実習では、放射線の強さを測定するサーベイメーターを人形の頭から足の先まで当てて汚染状況を調べ、汚染部分に水を掛けながら丁寧にこすり落とした。汚染物質をまき散らさない後片付けの仕方、防護衣の脱ぎ方なども学んだ。

 実習終了後、5年生の今村優紀さん(23)は「放射線は怖いイメージがあったが、きちんと対処すれば、患者を処置する医療従事者が被ばくすることはないと学んだ。実際事故が起きたらどうするかを学べる貴重な体験ができた」と充実した表情を見せた。

 浅利センター長は「今後、下北地域などの医師や看護師、救急隊員にも受講してもらったり、講師として学生を指導してもらいたい」と話している。

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