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アベノミクスで賃上げ期待薄
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青森中央学院大学(青森市)の地域マネジメント研究所は8日、安倍政権の経済政策「アベノミクス」による県内企業の賃金引き上げの可能性に関する調査リポートを発表した。県内企業の近年の実質賃金が落ち込んでいることに加え、人口減少や、原子力産業の先行きが不透明なことなどから「県内ではアベノミクスに呼応した賃上げは期待できる状況にない」とした。
リポートをまとめた平出道雄研究員によると、国や県の毎月勤労者統計調査などを基に分析した。1990年の給与総額を100とすると、従業員5人以上30人未満の県内企業は2011年が90.6で1割近く減少。内訳を見ると、特にボーナスなどの特別給与が59.8で4割以上減と落ち込みが大きい。従業員30人以上の企業でも給与総額は89.9、特別給与は57.4にとどまっている。
現在も県内企業は全体的に業績が芳しくない状況が続いているほか、県経済を下支えしてきたエネルギー関連企業や、地方銀行なども経営環境は厳しいとした。このような現状から平出氏は「公共事業の増加などはあるだろうが、今までの賃金減少を復元できるまでにはならないのではないか。人口減、高齢化の進行で消費拡大も難しい。県内企業の賃金アップは残念ながら望み得ないと思われる」との見方を示した。
現状の打開について平出氏は「さらなる起業・創業が必要。そのためには国際的な視野と地域への情熱、マネジメント能力を持った人材の育成が重要だ」と強調した。
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