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【神奈川】

農業用水から電気を 小水力発電 県が実証実験

「文命用水」に設けられた設備。農業用水を活用した、小水力発電の可能性を探る=開成町で

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 県は、再生可能エネルギーの普及、促進などを目指す「かながわスマートエネルギー構想」の一環で、わずかな水の流れを活用する小水力発電の実証実験を、南足柄市班目と開成町金井島にまたがる農業用水「文命用水」の放水路で始めた。来年3月まで続け、農業用水を活用した小水力発電の可能性を探る。(横光竜二)

 酒匂(さかわ)川から周辺の農地約八百ヘクタールに水を引いている文命用水の小水力発電設備は、国の再生可能エネルギー固定価格買取制度に基づき、県内で初めて国の認定を受けた。

 小水力発電はダムのような大規模な構造物を必要とせず、落差が低い水の流れで水車を回して発電できる。

 実験前の試験運転では、水車は一分間に六十六回転した。ギアを上げると同千四百七十回転し、発電出力は最大十キロワット。想定の発電電力量は年間約三万五千キロワット時で、一般家庭の約十世帯分に相当する。

 実験終了後も発電は続け、一キロワット当たり三十四円で電力会社に売る予定。

 県担当者は「日中に限られた太陽光とは違い、水さえあれば二十四時間、三百六十五日発電できる。十五、六年で設置費などは回収できる計算。農業用水があれば、設置できる現実的な再生可能エネルギーだ」と意気込んでいる。

 <かながわスマートエネルギー構想> 東京電力福島第一原発事故を踏まえ、県は太陽光を中心にした再生可能エネルギーの導入を進めている。2020年度、県内の電力消費量に対する再生可能エネルギーの割合を、工場・事業所、家庭の省エネと、蓄電池や電気自動車(EV)の普及と合わせ、20%以上にすることを目標にしている。

 

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