経済【原発再考・安全を極める(1)】大人気「日本の原発」 世界が注目する次世代原子炉の「安全技術」+(2/3ページ)(2013.4.6 12:00

  • [PR]

経済

【原発再考・安全を極める(1)】
大人気「日本の原発」 世界が注目する次世代原子炉の「安全技術」

2013.4.6 12:00 (2/3ページ)原発再考
4Sと軽水炉の構造イメージ

4Sと軽水炉の構造イメージ

 福島の事故では冷却水の枯渇で原子炉の燃料が冷やせず、建屋の一部が吹き飛んだ。4Sは「低出力なので炉心温度も低く、非常時の冷却や安全制御の確実性が高い」と東芝電力システム社の尾崎章・原子力事業部技監は強調する。

 関西電力が採用している加圧水型軽水炉など既存炉は、核燃料全体が連鎖反応して熱を出し続ける状態を作り、そのコントロールは反応を抑える制御棒の出し入れで行う。

 これに対し、4Sで燃料の反応をコントロールするのは「反射体」という鋼鉄の筒。その中心を燃料が通っており、筒に覆われた部分の燃料だけが燃え、覆われていない部分は反応しない。反射体を外せば、燃料は反応しなくなるため、非常時の冷却を確実に行うことができる。

大量生産で建設費は大幅ダウン

 安全の追求とともに、使用済み燃料の処理は原発の重要課題と位置付けられている。4Sでも使用済み燃料が発生することに変わりはない。ただ、同炉を発案した元電力中央研究所理事の服部禎男氏は「既存炉の核燃料は3、4年で使用済みとなる。4Sは30年近く使えるため、その時間を活用することができる」と話す。4Sの導入が抜本的な解決策につながるわけではないが、時間的な猶予を作り出すことだけでも有効な次世代炉だ。しかも同じ設計で生産することを前提にしているため「大量生産できれば、建設費用は一気に下がる」(関係者)。

「安全向上に終わりなし」

 トルコでの原発受注がほぼ決まった三菱重工も次世代炉の開発を急ぐ。最大のテーマは過酷事故時に人間の操作を省くことだ。

関連トピックス

関連ニュース

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2013 The Sankei Shimbun & Sankei Digital