福島第1原発:冷却停止「またですか」 住民帰還に不安も

毎日新聞 2013年04月05日 21時07分(最終更新 04月05日 21時37分)

福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールが停止した問題で福島県の長谷川生活環境部長(右)に謝罪する石崎東電復興本社代表=福島県庁で2013年4月5日、神保圭作撮影
福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールが停止した問題で福島県の長谷川生活環境部長(右)に謝罪する石崎東電復興本社代表=福島県庁で2013年4月5日、神保圭作撮影

 「またですか」−−。5日に福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールの冷却装置が停止した問題は、3月18日の停電事故など相次ぐトラブルを受け、東京電力福島復興本社幹部らが県や原発周辺の自治体を順次訪れて謝罪や対策の説明を行う期間中に起きた。原発の周辺自治体からは「このままでは住民の帰還を安心して進められない」などの不安や怒りの声が広がった。

 東電の石崎芳行・福島復興本社代表は5日夜、福島県庁を訪れ、「再び県民に不安を与えてしまい、深く深くおわび申し上げる。反省している。もう一度現場を引き締めて、再発防止策に努めていく」と謝罪し、何度も頭を下げた。県の長谷川哲也生活環境部長は「再び電源事故で(核燃料プールの)運転が停止するトラブルが起きたことは誠に遺憾だ」と語気を強めた。

 川内村の遠藤雄幸村長も取材に「4日に石崎代表が村役場を訪れ、謝罪したばかり」とあきれた。「こう立て続けにトラブルが起きるようでは、住民の帰村を続けていいのか判断に悩む」と打ち明け、「(東電からの)通報もファクスやメールでトラブルの内容を送ってくるだけ。避難の判断は勝手にどうぞ、という態度だ」と憤った。

 6月にいわき市に仮役場を移す予定の双葉町(埼玉県加須市に避難中)にも5日夕、東電幹部が訪問。町の担当者は「またですかって感じで、怒りを通り越してあきれる」。大熊町幹部も「原因の解明と防止策が図られても、町民は『やっぱり収束していない』と考えてしまう。町の再生は遠のくばかりだ」と訴えた。【栗田慎一、神保圭作】

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