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2011-09-08 00:47:33 posted by antibizwog

≪宋 鴻兵 著『通貨戦争―影の支配者たちは世界統一通貨をめざす』 より抜粋(12)≫

テーマ:宋 鴻兵
(11頁からの続き)


〔宋 鴻兵(Song Hongbing) 著『通貨戦争―影の支配者たちは世界統一通貨をめざす』 第8章 エリート統制と寡頭ステルス より P.354-P.406〕


■本章の主題

「大富豪が持つ渇望と貪欲は富だけで満たされない。彼らの多くは潤沢な財産と、財産によって齎された影響力を駆使して、より大きな権力を手に入れようとする。彼らの権力は、かつての暴君や専制君主では想像出来ないほど大きく、世界を制覇する権力なのだ。それは、世界中の富だけでなく、世界中の人々をも支配する」(註.1)

この描写は国際銀行家達の「最終目標」を的確に表している。即ち、「アングロアメリカ」勢力集団を中心とするピラミッド型の世界政府を構築することである。これは決して事実無根の狂気じみた憶測ではなく、幾世代にもわたる変化と発展を通して行われる戦略的プロセスなのだ。

早い時期に誕生したイギリス・ローズ倶楽部から、後のアメリカの外交問題評議会に至る迄、英米のエリート統制階級は世界制覇という戦略的目標を実現する為に、理論上の模索と実践を繰り返し行ってきた。

この遠大な計画を組織的に実施する為には、3権の背後にある金権の支持が必要不可欠となる。

我々が今日目にしている西側諸国は、民主的で、自由で多様性のある社会であり、過去の少数の金融家達は神聖なる民主政治によって権力の座から追い出され、権勢を誇っていた大富豪達は蒸発したかのように世の中からいなくなったようにも見える。

歴史は本当に変わったのだろうか。資本主義は少数の権力集団の為のものでなくなったのだろうか。国際銀行家達は至上の権力を放棄し普通の人となって隠居したのだろうか。

人間の本性は変えられるものではない。貪欲と支配の欲望は、人類が誕生してから現代社会に至る迄、変わったことは一度もないし、将来も変わることはない。変わったのは貪欲と支配の形態だけだ。

商業資本主義から産業資本主義へ、そして今日のいわゆる多角的資本主義に至る迄、少数権勢集団による社会の大多数の支配は、その手段と形式を変えたかも知れないが、その本質は一度も変わったことがなかった。

直接目に見えた少数の金融家達は幕の後ろに隠れ、彼らに代わって巨大な新興財団体制が現れ、既に西側諸国を支配する重要な一部となった。財団の支配者は、かつての金権一族なのだ。


     ◇


■KAL007大韓航空機撃墜事件

1983年8月31日、ソ連サハリン島〔※日本名:樺太島〕防空レーダーのスクリーン Screen〔※表示画面〕で、正体不明の大型機が極東弾道ミサイル発射基地の上空に現れたことが確認され、Sukhoi Su-15戦闘機2機がスクランブル発進〔※緊急迎撃発進〕をした。5分後に、パイロットは基地司令官からの攻撃命令を受けた。

当日、世界各国は、Boeing 747の大韓航空KAL007 Korean Air Lines Flight 007 がサハリン島上空でソ連空軍の戦闘機に撃墜され、乗員乗客合わせて269人全員が死亡した、と伝えた。このニュースは世界を震撼させ、冷戦期の最も重大な事件の1つになった。

アメリカ側の発表によれば、8月31日アラスカのアンカレッジ国際空港 Ted Stevens Anchorage International Airport からソウルに向かったKAL007は、人為的原因だけでなく機械の故障によって誤ってソ連カムチャッカ半島とサハリン半島の上空に侵入した為、早朝3時27分、サハリン島上空でソ連空軍のミサイルに撃墜され、乗員乗客合わせて269人全員が死亡した。

当時のアメリカ大統領ロナルド・レーガン Ronald Wilson Reagan(1911-2004)は、一般人に対するソ連の攻撃は決して許されることの出来ない冷徹な行為であり、国際社会から制裁と非難を受けるべきだと激しく非難した。

一方のソ連は、KAL007の領空侵犯 Airspace Incursion は事前に謀議され諜報任務を執行中のものであり、カムチャッカ半島とサハリン半島の軍事施設を偵察する目的であった為、国家安全の為に撃墜するしかなかった。これはやむを得ない自己防衛であり、不適切な誤解と作為的な非難を受けるべきではないと主張した。

過去20数年来、大韓航空KAL007の撃墜事件を巡り、様々な議論がされてきた。その内、最も驚愕する説を紹介しよう――。

1992年、イスラエル諜報特務局モサド Mossad の情報院がソ連から入手した極秘情報によれば、KAL007は空対空ミサイル Air-to-Air Missile(AAM)で攻撃されたが、直ぐには爆発せずに12分間ほど飛行を続け、破損しながらもサハリン沖に不時着した。乗客はソ連当局によってルビヤンカ刑務所 Lubyanka Prison や極東ウランゲル収容所 Wrangell Prison に移送された。

1996年1月15日、韓国のテレビ局も似たような番組を放送し、KAL007は墜落せず、大半の生存者はロシアの2つの収容所に収容されていると言う。

その日、韓国放送公社 Korean Broadcasting System(KBS)が38ページに及ぶ中央情報局 Central Intelligence Agency(CIA)の機密資料を公表した。それによれば、KAL007がソ連の戦闘機に攻撃された後に海上に不時着し、大半の乗客は幸いにも生存していたもののその後の行方が分からなくなっている。

KAL007の乗客の中に、1人の特別な人物が乗っていた。アメリカ上院議員のラリー・マクドナルド Lawrence “Larry” Patton McDonald(1935-1983)であり、第2次世界大戦の英雄であるパットン将軍 George Smith Patton, Jr.(1885-1945)の従兄であった。

2人のパットン Patton とも「新世界秩序 New World Order」、「国際主義 Internationalism」、「グローバル化 Globalization」の名目で国家主権を破壊する企みに断固反対し、アメリカで大きな影響力と求心力を持っていた。マクドナルドは民主党から1988年の大統領選〔※現職副大統領だった George・H・W・Bush(1924-)が当選〕に出馬する予定だった。当時のアメリカにおいて、マクドナルドは外交問題評議会 Council on Foreign Relations(CFR)と三極委員会 Trilateral Commission を最も激しく批判し、かつ破壊力を持っていた政治家であった。

KAL007発生後、マクドナルドは失踪した。マクドナルドと考え方が似ている米国キリスト教右翼の代表的指導者であるジェリー・ファルウェル Jerry Lamon Falwell, Sr.(1933-2007)は、事件後に次のように述べた。

「私が困惑しているのは、ソ連がKAL007を撃墜して269名の乗員乗客を犠牲にしたが、彼らの本当の標的はマクドナルドであったことだ」

パットン暗殺と同じように、元凶は果たしてソ連なのだろうか。他の可能性があるかも知れない。

マクドナルドを代表とする政治勢力はアメリカの伝統的右翼集団である。アメリカ憲法と立国精神を貫き、権利章典を支持し、個人の自由と民主制度を堅持し、政府による市民権への過度の干渉に反対し、徹底した市場経済を主張し、主権を超えた国際勢力に断固反対することが、彼らの基本理念であった。〔※⇒日本経団連はその国際勢力の下部組織?〕

マクドナルドらはアメリカ国民から絶大な信頼を受けていた。彼らはアメリカ独立戦争と英国植民地支配反対の伝統を受け継ぎ、国民が銃を保有し、政府が暴政と独裁政治を行った場合は国民が武装蜂起する権利を持つことを主張していた。

更に彼らは、小さな政府は国民に奉仕し、大きな政府は国民を支配すると考え、連邦政府の権力にあらゆる手段を使って制限を掛けた。当然、「アメリカ主権」を超えて「世界政府 World Government」がアメリカ国民を支配するなど以ての外(ほか)であった。

彼らの政治信念と、国際銀行家達の利益の核心を成す「グローバル化 Globalization」や「世界政府 World Government」は真っ向から対立し、激しく衝突していた。

1975年11月、マクドナルド議員は国際銀行家達に公開挑戦状を叩き付けた。彼は『The Rockefeller File』(Buccaneer Books 1999年刊行)に序文を寄稿した。



大富豪が持つ渇望と貪欲は富だけで満たされない。彼らの多くは潤沢な財産と、財産によって齎された影響力を駆使して、より大きな権力を手に入れようとする。彼らの権力は、かつての暴君や専制君主では想像出来ないほど大きく、世界を制覇する権力なのだ。それは、世界中の富だけでなく、世界中の人々をも支配する。

ジョン・D・ロックフェラー John Davison Rockefeller, Sr(1839-1937)が、あらゆるあくどい手段を弄してスタンダード石油帝国 Standard Oil Empire を築き上げてから今日に至る迄の100年にわたり、ロックフェラー一族に関して、図書館を埋め尽くすほど本が書かれてきた。私はそれらの多くに目を通してみたが、本書のようにロックフェラー一族の最も重要な秘密――即ち、ロックフェラー家とその仲間達が過去の50年間にわたり、その経済力を生かし、先ずアメリカを、次いで世界全体を政治的に支配するという恐るべき計画を注意深く遂行してきた事実を明らかにした本は1冊も無かった。

これを陰謀と言うのだろうか?そうだ。まさしくそうだ。私は陰謀があることを確信している――国際的規模の、数世代にわたって画策された、全く疑いのない邪悪の計画があることを。

ローレンス・パットン・ラリー・マクドナルド 国会議員 1975年11月



アメリカの主要メディアに無視されたマクドナルドは、自ら宣伝用資料を持って街頭に立ち、町の人々に訴えた。彼のやり方はアメリカ政界のルールを遥かに超えていた為、エリート達の堪忍袋は限界に来ていた。

≪≪更に重大なことは、マクドナルドが大統領選挙への出馬を進めていたことである。選挙演説で、彼は国際銀行家達の世界支配計画を暴露し、数百万の国民達に「耳障り」な内容を聞かせる予定であった。マクドナルドの命懸けなところは従兄のパットン将軍に決して負けておらず、アメリカ国民にとっては2人とも「英雄 Hero」であった。

もし選挙に出馬されたならば、どんな劇的変化が起きるか誰にも予想出来ず、局面をコントロール Control〔※制御、統制〕出来なくなる恐れがあった。コントロールが利かなくなったケネディ元大統領 John Fitzgerald Kennedy, JFK(1917-1963)よりも、マクドナルドの脅威のほうがもっと大きかった。

彼には幅広い国民の支持だけでなく、パットン将軍の威光のお蔭でアメリカ合衆国に忠誠を誓い、「アメリカ主権」を超えた「世界政府 World Government」の理念を認めない軍部の将校にも支持されていた。更に、マクドナルドと彼の同盟者達が中央情報局 Central Intelligence Agency(CIA)と連邦捜査局 Federal Bureau of Investigation(FBI)に対抗する為に、自らの秘密情報ネットワークまで作り上げていた為、「銃を合法的に保有している」民衆に支持された場合、アメリカは何処へ行くことになるのだろうか。

マクドナルドが序文に書いた「ロックフェラー家とその仲間達」が「数世代」の長い期間に画策した計画の「その仲間達」とは、一体何者だろうか?また、この「数世代の計画」はどのような変化を齎したのだろうか?それを明確にする為には、計画の源を探る必要がある。≫≫

〔資料〕オホーツク海 Sea of Okhotsk 周辺地図 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Sea_of_Okhotsk_map.png

〔資料〕Sukhoi Company(JSC) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%82%A4

〔動画〕Soukhoï Su-15 - YouTube [4分31秒]
http://www.youtube.com/watch?v=ZgTU_DL7iCw

〔資料〕Boeing 747 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0747

〔資料〕Korean Air Lines Flight 007 - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Korean_Air_Lines_Flight_007

〔資料〕アンカレッジ国際空港 Ted Stevens Anchorage International Airport - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%A9%BA%E6%B8%AF

〔資料〕Mossad - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Mossad

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB%E8%AB%9C%E5%A0%B1%E7%89%B9%E5%8B%99%E5%B1%80

〔資料〕イスラエルが世界に誇る対外諜報機関「モサド」 - HEXAGON
http://hexagon.inri.client.jp/floorA1F/a1f1501.html

〔資料〕ユダヤ問題特集 ver.2.0 - HEXAGON
http://hexagon.inri.client.jp/floorA1F/a1f1000.html

〔資料〕ユダヤ人のアメリカ移住史~ユダヤ移民の5つの波~ - HEXAGON
http://hexagon.inri.client.jp/floorA4F_ha/a4fhc100.html

〔資料〕空対空ミサイル Air-to-Air Missile(AAM) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E5%AF%BE%E7%A9%BA%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB

〔資料〕Bert Schlossberg著『Rescue 007:The Untold Story of KAL007 and its Survivors』(Xlibris Corp 2001年刊行)
http://www.amazon.co.jp/Rescue-007-Untold-Story-Survivors/dp/0738857742

〔資料〕Rescue 007 Home
http://www.rescue007.org/

〔資料〕本当の謎は、何処にあったのか - ギャラリーAct1 2010年5月(15件)
http://galleryact1.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/index.html

〔資料〕大韓航空機007便「撃墜事件」の真実を追う! - JAPAN ○ 2010年9月6日
http://honeycreeper1.blog56.fc2.com/blog-entry-47.html

〔資料〕大韓航空機撃墜事件の疑問(シフリンレポート) - JAPAN ○ 2010年9月6日
http://honeycreeper1.blog56.fc2.com/blog-entry-49.html

〔資料〕Lawrence “Larry” Patton McDonald(1935-1983) - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Larry_McDonald

〔資料〕ラリー・マクドナルド議員の運命(PDF、全4頁)
http://junpeisatoh.web.officelive.com/Documents/kal007-004-.pdf

〔資料〕1988年アメリカ合衆国大統領選挙 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/1988%E5%B9%B4%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E9%81%B8%E6%8C%99

〔資料〕Jerry Lamon Falwell, Sr.(1933-2007) - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Jerry_Falwell

〔資料〕Who Killed congressman Lawrence Patton McDonald? By Todd Brendan Fahey 1~3|disinformation 2001年7月1日
http://old.disinfo.com/archive/pages/article/id1197/pg3/index.html

〔資料〕Gary Allen著『The Rockefeller File』(Buccaneer Books 1999年刊行)
http://www.amazon.co.jp/Rockefeller-File-Gary-Allen/dp/1568493681

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4426400171/250-8121775-5677007

〔資料〕財政破綻後の世界:ラコフスキー調書 補足 - 日本人が知らない 恐るべき真実 2005年11月24日
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20051124

≪鬼塚英昭 著『黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア』 より要約(23)≫|MelancholiaⅠ
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-10984366055.html


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■ダイヤモンド王国とエリート大統領

ジョン・ラスキン John Ruskin(1819-1900)はオックスフォード大学 University of Oxford の学生達を相手に、

自分達が生きている階級には、教育、芸術、法律規範、自由意志、優雅な気品、自己管理において偉大なる伝統がある、しかし、これらの伝統がスコットランド Scotland、更には世界中の下流階級に広まらないと下流階級は救われない。また、イギリスの上流階級はこの貴重な伝統をより多くの人々に広めていかないと、やがて下流階級に呑み込まれ、伝統も失ってしまう。これを回避する為に、自分達の伝統を速やかに世界の隅々までに広めなければならない、と演説していた。

ラスキンの感動的な話を聞きながら熱心にメモを取っている1人の学生がいた。セシル・ローズ Cecil John Rhodes(1853-1902)であった。以降30年間、ローズはこのメモを肌身離さず持ち歩いた。

「ダイヤモンドは永遠の輝き A Diamond is Forever」は、世界最大のダイヤモンド会社デビアス De Beers のスローガン Slogan〔※標語〕である。デビアス社は世界ダイヤモンド市場の4割を占めており、過去には9割を占めていた時期もあった。

デビアス社の創設者セシル・ローズは、1853年に牧師の子として生れ、イギリスの政治家であり有名な商人でもある。彼は、南アフリカでダイヤモンド Diamond を掘り当てて蓄財し、デビアス・ダイヤモンド帝国を築き上げた。ローズには大きな野心があり、イギリス人にさえ、「地球だけでなく、月をもイギリスの勢力範囲に治めようとした」とまで言われる程であった。

1882年、南アフリカのダイヤモンド採掘業は熾烈な競争に曝されており、ロンドンからの資金援助を獲得出来た者が競争に生き残れると判断したローズは、サンフランシスコ San Francisco からアフリカ Africa に派遣されていたダイヤモンド業を担当するロスチャイルド家の代理人を通してロスチャイルド家 Rothschild Family に近付こうと試みた。

1885年、遂にロンドン行きの船で、偶然ロスチャイルド家のダイヤモンド採掘を担当する1人のアメリカ人技師に出会った。ローズは即座にデビアス社の社長にしてやると約束した。アメリカ人技師の紹介で、2カ月後にローズはロスチャイルド家の当主、ナッティ Nathan “Natty” Mayer Rothschild, 1st Baron Rothschild(1840-1915)と会うことが出来た。

ナッティはデビアス社の将来は良好と判断して、同社の株式5754株を購入して筆頭株主になった。ロスチャイルド家のサポート Support〔※支援〕を得たデビアス社は、現地の有力なダイヤモンド会社を次々買収し、世界的なダイヤモンド帝国 Diamond Empire を築き上げた。

ローズはナッティを心から信頼していた。1888年に両者が面談した際、ローズは「御社の御協力を得たからには、約束したことは全て成功すると信じている」とナッティに表明した。信頼関係を深めた両者は間もなく戦略的ビジネス同盟を結んだ。

1889年、デビアス社が175万ポンドの社債を発行した際、ロスチャイルド・ロンドン銀行 N M Rothschild&Sons は17.8%を購入し、1894年には、ロスチャイルド・ロンドン銀行はデビアス社の為に更に350万ポンドの社債を発行した。

ロスチャイルド家のサポートを得たデビアス社は、更なる成長を見せていた。1896年から1901年の年間配当金は160万ポンド、1902年から1904年の年間配当金は200万ポンドにも達した。

1900年、ナッティはローズを次のように高く評価した。

「君はデビアス神話を創り上げた。ダイヤモンドの生産を独占し、販売市場もコントロールしている。そして、このビジネスモデル Business Method を継続させる体制を作り上げることにも成功した」

植民地主義と帝国拡張の政治理念に関してナッティとローズは完全に一致し、2人の関係も益々緊密になった。ローズが作った会社にナッティは全力を挙げて支援した。

1989年、ローズが英国南アフリカ会社 British South Africa Company(BSAC)を創設した時、ナッティは株主として投資し、無報酬で投資顧問を務めた。1888年6月、ローズは、「帝国の利益の為の会社」に使うことを条件として、兄弟に遺す予定のデビアスの株式を全てナッティに譲ると遺言を書き改めた。彼はナッティが自分の理想を実現してくれる人だと信じていた。

ナッティはデビアスのダイヤモンドが齎してくれる巨額の利益に照準を当てていたが、ローズはナッティの遥か向こうのアメリカ、更には世界を見つめていた。彼はダイヤモンドよりも政治的影響力を獲得することを望んだ。ナッティ宛ての書簡には、デビアスをもう1つの「東インド会社 East India Company」にし、アフリカから「夢を実現する」と書かれていた。

〔資料〕John Ruskin(1819-1900) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%B3

〔資料〕John Ruskin著『近代画家論』1・2・3|松岡正剛の千夜千冊 2005年6月24日
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1045.html

〔資料〕♥. ♦不思議の国のアリスの部屋♠. ♣ アリス・リデル~Alice Liddell ~
http://muryou8.blog114.fc2.com/blog-category-15.html

〔資料〕Cecil John Rhodes(1853-1902) - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Cecil_Rhodes

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA

〔資料〕Carroll Quigley著『Tragedy&Hope:A History of the World in Our Time』(Angriff Pr New版 1975年刊行)
http://www.amazon.co.jp/Tragedy-Hope-History-World-Time/dp/094500110X

〔資料〕悲劇と希望より―金融資本家が力をつけた過程 - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20051224

〔資料〕De Beers - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%93%E3%82%A2%E3%82%B9

〔資料〕De Beers(デビアス) - 資源企業
http://resource.ashigaru.jp/top_company_debeers.html

〔資料〕Diamond - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%89

〔資料〕Nathan “Natty” Mayer Rothschild, 1st Baron Rothschild(1840-1915) - Wikipedia ※Victor Rothschild(1910-1990)の祖父
http://en.wikipedia.org/wiki/Nathan_Rothschild,_1st_Baron_Rothschild

〔資料〕British South Africa Company(BSAC) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E5%8D%97%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E4%BC%9A%E7%A4%BE

〔資料〕East India Company - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/East_India_Company


     ◇


【赤い楯―ロスチャイルドの謎(上) 序章~第2章】

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 序章 ワルトハイムの秘密―白い人名録:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070405

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 第1章 金銀ダイヤの欲望に憑かれた男達:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070406

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 第1章 フランクフルトの『夜と霧』:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070409

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 第1章 シャーロック・ホームズのロンドン:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070410

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 第1章 SOSタイタニック:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実 ※事件の類似性
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070412

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 第1章 パンサーの宝石:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070413

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 第1章 南アフリカのゴールドフィンガー“ミルナー幼稚園”:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070416

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 第2章 地球のトンネル 発禁書『金瓶梅』:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070419

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 第2章 インディー・ジョーンズⅣ:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070423

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 第2章 バーミューダ魔の三角海域:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070426

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 第2章 ジェームズ・ボンド『女王陛下の007』:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実 ※Nazi Germanyの背景・伏線
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070504

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 第2章 カリガリ博士とマブゼ博士:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070509

〔資料〕広瀬 隆 著『赤い楯―ロスチャイルドの謎(上)』 第2章 ロスチャイルド家の反撃:要約 - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20070514


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(13頁へ続く)
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