「多様なルーツを持つ子どもたちが助け合って、偏見や差別をなくしていくような大阪の小学校の良さをのばしたい」と話す朴美香さん |
【阿久沢悦子】大阪市天王寺区の朴美香(パクミヒャン)さん(22)が関西学院大学の卒業論文で大阪市立小学校100校以上に設置されている「民族学級」の意義をまとめた。小中高と進学する中で、悩みながらも在日韓国・朝鮮人としてのアイデンティティー形成に重要な役割を果たすという。在日韓国人3世の朴さんは、今月から市立小学校で教諭として働く。国籍の異なる子どもたちに何ができるか、書きながら考えた。
民族学級は、在日韓国・朝鮮人の児童を対象にした課外活動で、同胞の教諭が放課後、韓国語や歴史、民族楽器、舞踊、テコンドーなどを教えている。府内には公立小学校約170校にあり、現在は2800人が在籍している。
朴さんが通った大阪市内の私立小学校には、民族学級はなかった。高校時代に近所の公立小学校での活動を知り、興味を持ったという。卒論は22歳から32歳の民族学級のOB、OG6人に一人2時間以上のインタビューを重ねてまとめた。