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尼崎事件 香川県警対応不十分認める方針
4月10日 17時24分

尼崎事件 香川県警対応不十分認める方針
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兵庫県尼崎市の一連の殺人・死体遺棄事件で、香川県警察本部が、殺害された高松市出身の女性の家族への対応を検証した結果、家族などから36回にわたって通報や相談を受けていたにも関わらず、事件として捜査していなかったことが、警察の内部調査で分かりました。
香川県警は対応が不十分だったと認める方針で、検証結果を遺族に説明することにしています。

一連の殺人・死体遺棄事件では、去年10月、高松市出身の仲島茉莉子さん(当時26)が、尼崎市の住宅の床下から遺体で見つかり、自殺した角田美代子元被告の親族7人が殺人などの罪で起訴されています。
元被告らは、平成15年に高松市の仲島さんの実家に居座り、多額の金を脅し取ったほか、家族の間で互いに暴行させるなどしていたことが分かっています。
香川県警察本部が内部で調査チームを作って当時の対応を検証した結果、平成15年から3年余りの間に、仲島さんの家族などから地元の警察署や警察本部への通報や相談は合わせて36回に上っていたことが分かりました。
このうち、平成15年9月には、110番通報を受けた警察官が、仲島さんの父親が耳や腕に殴られたようなけがをしていることに気付いていたほか、翌年の1月には父親が警察署を訪れて被害を訴えましたが、事件として捜査するのは難しいとして受け付けていませんでした。
また、親類が、仲島さんの父親が多額の金を要求されたことなどをたびたび相談していましたが、当事者どうしの話し合いや裁判所に相談することを勧めるにとどまっていたほか、近所の人や友人も、暴行を受けているようだなどと伝えていましたが、警察は、直接の被害の申し出がないなどとして捜査に乗り出しませんでした。
香川県警は「トラブルが起きていることがうかがえるにもかかわらず、警察の中で情報共有がうまくできず、積極的な対応が取れていなかった」として、不十分な対応だったことを認める方針で、近く検証結果を父親に説明したうえで公表することにしています。

「もう少し深く調べてくれたら」

親族が多額の金を要求されていたことなどをたびたび警察に相談していた仲島茉莉子さんの70歳の伯父は、当時の警察の対応について、「何回かは警察の方が家へ来てくれたが、警察は誰が押しかけて来ているのかなど、事件の本質については全然調べてくれなかった。『もう少し深く調べてくれたら』という気持ちはある」と悔しさをにじませました。
そのうえで、「事件にならなかったら手を出さないというのはいかがなものか。私たちの思いと警察の考えには違いがある。事件性があるように感じたら聞き流さず、すぐに対応してほしい」と話していました。

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