毎月1分ずつ変えられるオープニング映像
また、『平清盛』の視聴率は軽く超えているが、軒並み20%以上の視聴率を記録した昭和期の大河と比べると見劣りするため、それを冷ややかに論評する識者もいる。背景には、2011年の地デジ化以降、録画が簡単になり、しかも画質もさほど落ちないため、ドラマは録画で見る人が増えたせいもあるだろう。民放のドラマもそろって視聴率を下げている。
だが、内藤さんは録画率の上昇を言い訳にしなかった。
「確かに、画面の電子番組表を見ながら、ボタンを押すだけで録画予約が済むようになりましたから、後からまとめて見る人が増えているようです。だけど、録画で見てもらえば良いとは思っていません。新聞や雑誌の記者も『1ヵ月後にまとめて読んでくれればいい』とは思わないでしょう。大河も生き物なのです。オンタイムで見てもらおうと思い、つくっています」
そのために細かな趣向が凝らされている。その一つがオープニング映像だ。実は1ヵ月ごとに1分ずつ変えられている。
「このドラマは震災に見舞われた福島を励ます意味合いもあるため、その意図に賛同した複数のクリエイターたちが、オープニング映像づくりに参加してくれているのです。毎月一人のクリエイターが、一分間弱の映像をつくっています」(同)
変えられているのはCGの部分など。気がつかなかった視聴者もいるのではないだろうか。
さて、前述の通り、これからのヤマ場は会津戦争だが、それは本当のクライマックスではない。『八重の桜』が見る側に訴えかけようとしている真のテーマとは何なのか?
「戦争などにより、会津の人たちは次々と亡くなっていきます。八重たちは生き残りますが、亡くなった人たちの思いを背負う。八重たちの人生は、自分の人生でありながら、自分だけの人生ではなくなります。亡くなった人たちに恥ずかしくない生き方をしようとする。だから、普通の人の何倍も精力的に活動し、その後の日本のためなろうと懸命になります」
会津は敗れ去るが、八重たちの奮闘により、その魂は生き続ける。描かれるのは会津の人たちの不屈の精神なのだ。
無論、恥ずかしくない生き方をしようとしたのは、会津の人たちばかりではない。薩長など他藩の人たちも同じ。見方や立場は違ったが、国を思う気持ちは一緒だった。
『八重の桜』は国の行く末が懸かっていた動乱期に生きた人たちの群像劇でもあり、約300人の登場人物たち全員が主人公でもある。
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