お立ち台の阪神・能見とマートン=甲子園(撮影・岡田亮二)【拡大】
WBC代表候補合宿へ臨む直前の2月中旬。左腕のもとに2枚の旗が届いた。縦50センチ横80センチ。そこには寄せ書きがビッシリ。後援会の岩見俊昭さん(63)から「地元の出石中、小坂(おさか)小の子供たちがメッセージを書いたんです。1枚では収まらず2枚になりました」と贈られた日の丸だった。例年は兵庫・豊岡市(旧出石町)に帰郷した際、子供たち約300人に「激励会」でもてなされていたが、昨オフは始動も早く、実現せず。パワーを別の形で受け取っていたのだ。
WBC準決勝・プエルトリコ戦で痛恨被弾したが、子供たちを聖地開幕で安心させる快投となった。能見の甲子園開幕戦白星は4年連続。うち3度は巨人戦で、昨年4月6日も完封劇を演じた。
「去年も(対巨人初戦で)完封して、そこからガタガタ(崩れて)いったので。ここからが大事ですから」
16日の次回登板も、巨人戦(東京D)。もう、世界の“後遺症”も心配ない。セ界に君臨する左腕が、巨人に1つ目の土をつけた。(長友 孝輔)
(紙面から)