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旅ノート・散歩ノートのつくりかた
【第3回】 2013年3月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
奥野宣之

見返して楽しい「旅・散歩ノート」は、
道中、何を記録すべきか?

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「客観事実」と「自分の声」はセットで記す

 さて、道中メモに書くことは、旅の行程やイベントなど、身の回りに起きたことだけではありません。家に帰ってやることや帰りに買っておくもの、家族に話したくなったこと、思い出した昔の話など、旅に関係のないアイデアなど、思いついたことは何でも書いておきます。内容に着目してみると、道中メモは大きく分けて以下の2種類になります。

・「客観事実」を記録しておくためのメモ
・「自分の声」を記録しておくためのメモ

 「客観事実の記録としてのメモ」は、行程や食べたものなど、正確な情報を残しておくためのものです。たとえば、「○時△分に金沢駅に到着」とか、「昼ごはんはシラス丼を食べた」とか、「ガイドさんがあの名画についてこんなエピソードを紹介していた」とかいった単純な情報のことです。

 これに対して、「自分の声」とは何かというと、自分の感じたことや考えたこと、思い浮かんだことなど、「自分自身に取材したこと」です。「駅に着いたが、おなかが減って歩き回る気がしない」「シラス丼はさっぱりして腹持ちもいい」「ガイドさんの説は本当だろうか?」といったことです。

 観光地や街歩きなど、「資料」がたくさん手に入る場合、訪れた場所の詳細などは資料を見ればわかるので、「客観事実」は、かなり省くことができます。反対に、山歩きなど「資料」が少ない旅では、「○時△分、五つ辻から川沿いの道を下っている」などと、自分でちゃんと記録を残しておかないと、行程を振り返ることができません。

 この2種類の記録は、別々の紙に書くのではなく、セットで記録しておくといいでしょう。僕は次のように、行頭の記号で書き分けています。

○バス待合所で休憩していると、通りがかったおばさんがみかんをくれた
☆さすが四国、旅人にやさしいなあ

 ○印が「客観事実」、☆印が「自分の声」です。こうしておくと、あとで行程だけを振り返りたいときには「○」だけをチェックしていけばいいことになります。書くときにも、読むときにも、わかりやすくて便利な方法です。

「○」印で行動記録を書いた後に、「☆」印を付けて自分の心の中の声をメモ。
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奥野宣之

1981年大阪府生まれ。同志社大学文学部でジャーナリズムを専攻後、雑誌や新聞の記者を経て、独自の情報整理術を公開した『情報は1冊のノートにまとめなさい』で著作デビュー。同書はシリーズ累計50万部以上のベストセラーになり、ノート本ブームをつくり出した。趣味は(できればクルマのいない静かな道をのんびりと)歩き回ること。近所の散歩に加えて、関西の史跡や古墳めぐり、出張ついでの日本各地の博物館、人物記念館めぐりを続けている。たまに野鳥観察や山歩き、鉄道旅行、街での写真撮影、食べ歩きなどもする。ノートに人生を記録する「ライフログノート」の提唱者としても注目を集め、NHK「クローズアップ現代」やTBS「はなまるマーケット」など、さまざまなメディアでも紹介されている。

 


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