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旅ノート・散歩ノートのつくりかた
【第3回】 2013年3月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
奥野宣之

見返して楽しい「旅・散歩ノート」は、
道中、何を記録すべきか?

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歩きはじめにガイドマップを入手する

 最低限、これだけは手に入れておきたいという資料は、地図です。ネットからプリントした普通の地図より、自治体や地域のNPOなどが配布している「ガイドマップ」のほうが、旅の記録には向いています。普通の地図よりカラフルで見栄えがするし、訪れることになる名所やランドマークなどが目立つように描かれていて、あとで歩いたルートを記録するときにもわかりやすいからです。

 僕は、駅や空港におりたら、まず観光案内所や名産品などのPRコーナー、バスの待合室などに行って、ガイドマップを探すことにしています。歩いたルートを詳しく書き込みたいような場合は、「国土地理院」の地図を使います。

 ただ、それは自宅でもネットにつなげば手に入るものなので、旅ではそこでしか手に入らない地図を入手しておいたほうがいいでしょう。それに、地元の人が描いたデフォルメされた地図を見て歩けば、道に迷うリスクも少なくなります。

駅や観光施設、役所など、どんな場所でも手に入るのがガイドブックやパンフレット類のいいところ。

 ガイドマップは最近、自治体のウェブサイトでダウンロードできるケースも増えていますが、上質な紙に印刷されたものをタダでもらうほうがいいのは言うまでもありません。それから、ガイドマップに限らずパンフレットなどの資料は「いらないかも……」と思っても、もらっておいたほうがいいでしょう。いや、許されるなら同じものを2部ずつもらっておきたいところです。

 理由は3つあります。まず、ノート作りのために「パーツ取り」ができることです。立ち寄っていない施設の案内であったとしても、中にある周辺の地図はほかの資料よりわかりやすいかもしれません。また、載っている写真やイラストは、旅のあとで、コラージュ風にノートの表紙に貼り付けたり、中面の余白にあしらったりするのに使えます。

 2つ目の理由は、2部あれば「資料の表も裏も貼り付けられる」ということです。新聞記事をスクラップするとき、「この記事を切り抜きたいけど、この裏にも大事な記事があるし……」と悩んだことはないでしょうか。資料でも、このようなことはよくありますが、2部あればこれが避けられます。また、マジックで地図上にルートをなぞって間違えた場合にも、予備になってくれます。

 3つ目は、「旅のトラブル」に備えるためです。乗る予定のないバスの時刻表や、立ち寄る予定のない場所のガイドマップであっても、採集袋に入れておけば、急に大雨が降ってきたり、交通機関がトラブルを起こしたりといった、イレギュラーな事態にもすぐ対応できます。予定を立てていない旅の場合、「ちょうどバスが来るみたいだから、やっぱりあそこに行ってみよう」なんてことはよくありますね。

 特に海外旅行の場合、僕はガイドマップを国内旅行の場合より多めに集めて、採集袋をパンパンにすることにしています。同じ場所に行こうと思えばまた行ける国内旅行と違って、その資料が二度と手に入らない可能性が高いからです。言葉がわからないと、ネット検索してウェブサイトを見たり、情報を集めたりといったこともなかなかできません。それに、外国で集めた資料は、配色やセンスがエキゾチックでおもしろいので、散歩ノートの表紙に貼って、旅のアイコンとして楽しむことができます。

パンフレット類をそのままノートに貼るだけでも訪問した場所の記録になる。
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奥野宣之

1981年大阪府生まれ。同志社大学文学部でジャーナリズムを専攻後、雑誌や新聞の記者を経て、独自の情報整理術を公開した『情報は1冊のノートにまとめなさい』で著作デビュー。同書はシリーズ累計50万部以上のベストセラーになり、ノート本ブームをつくり出した。趣味は(できればクルマのいない静かな道をのんびりと)歩き回ること。近所の散歩に加えて、関西の史跡や古墳めぐり、出張ついでの日本各地の博物館、人物記念館めぐりを続けている。たまに野鳥観察や山歩き、鉄道旅行、街での写真撮影、食べ歩きなどもする。ノートに人生を記録する「ライフログノート」の提唱者としても注目を集め、NHK「クローズアップ現代」やTBS「はなまるマーケット」など、さまざまなメディアでも紹介されている。

 


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