笑顔で岐阜での活躍を誓った水野=トヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのMF水野泰輔(19)がJ2のFC岐阜に期限付き移籍することが9日、決定した。移籍期限は今季終了までだが、今季から導入された23歳以下の選手の期限付き移籍自由化により、グランパスのチーム事情によってはシーズン途中で呼び戻すこともできる。開幕から未勝利で7戦連続無得点と深刻な得点力不足に陥っているFC岐阜にとっては、待望の新戦力となる。
進境著しいグランパス次世代の司令塔が、FC岐阜に武者修行に出ることとなった。両クラブは今季から積極的に人的交流を行う方針を打ち出しており、その第1弾として水野に白羽の矢が立った。この日の練習前にチームメートにあいさつし、「自分の成長のために向こうで修行して、大きくなって帰ってきたい」と飛躍を誓った。
「自分も出場機会を求めていたので、話を聞いたときはすぐに前向きになれた」と水野。もちろんFC岐阜の苦しいチーム事情も理解している。開幕から未勝利のうえ7戦連続無得点でJ2記録を更新中。ただでさえ攻撃陣が不足しているうえに故障者が続出し、14日の松本戦での水野の移籍即ベンチ入りは確実だ。
小柄な技巧派だが、中盤での厳しい守備や負けん気の強さには定評がある。今オフには体幹を徹底的に鍛え、当たりの強さと視野の広さを高めた。7日のFC岐阜と京都の試合はテレビ観戦し、「いい時間帯もあるけど、ボールを持てないので京都に走らされ、後半にツケが回っていた。そこに自分が入って、ポゼッションの時間を増やしていきたい」とイメージを描いた。
ただの武者修行ではなく、重要な戦力として行くことも十分理解している。「困っていると聞いたし、チームは下を向いているかもしれない。若手だからじゃなく、自分が前向きに、ポジティブに持っていけたら」。木曽川を渡れば岐阜県という愛知県犬山市出身の19歳が、名古屋と岐阜の架け橋となる。 (宮崎厚志)
【水野泰輔(みずの・たいすけ)】 1993(平成5)年5月4日、愛知県犬山市出身の19歳。名古屋グランパスU−15、同U−18から、同期の高原、佐藤とともに12年にトップチーム昇格。170センチ、60キロ。昨年は公式戦出場はなし。高い技術を誇るセンターMFで、めざす選手像はFCバルセロナのシャビ。
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