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異世界へ
第5話  魔法を試してみよう
 魔法だ。魔法。
 魔法が使えないことにはこの先なんにもならないから。

 周囲の安全をもう一度確かめてから、魔法を使ってみる。


 右手を前にだして手をかざし、ドラ○エ初期魔法を唱えてみる。

「メラ」

 ……しーーーん。


 くっ。これは恥ずかしい。

 まじか。22歳にもなってひとりで『メラ』とか唱えている女。
 いやあ小さい頃に部屋で隠れて『かめはめ波!』ってやっている姿をお兄ちゃんに見られた時以来の衝撃だ。


 メニューを立ち上げてみる。

― 神崎 美鈴 ―
 HP(生命力):586/586
 MP(精神力):728/728

 種族:ヒューマン
 年齢:22
 職種:
 属性:
 スキル:
 称号:『異世界の旅人』
 状態:

 MPに変更はない。
 いまの『メラ』はノーカウントか。
 魔法が使えないのか、『メラ』という呪文がだめなのか。


 おそらくだけど、私の気合いが足らなかったんじゃないかな。
 だってぶっちゃけこっぱずかしかったもん。
 小声で何も考えず言っただけ。
 呪文をいうだけじゃだめなんだろう。

 ふーっ。はぁぁ。

 深呼吸をして少し心を落ち着ける。


 まず魔力を出すことを考えよう。

 ヨガの時の呼吸法と同じ。
 身体の「気」を巡らせるのと同じ要領で魔力の流れをイメージしてみる。
 熱が身体から掌に集まってきてそれを外に放出する。


 その魔力をつかって作りたいもの。炎。
 頭の中で『メラ』のイメージを思い浮かべてみる。


 炎のイメージ。燃えあがる火。

 頭の中の炎のイメージが消えないようにもう一度手をかざし、


『メラ』


 身体のなかを熱い波がめぐって右手にあつまり、一挙に放たれた。


 ブォワッ!

 びっくりするほど大きな火が火炎放射みたいに飛び出した。
 あっというまに草が燃える。


 やりすぎた!
 魔力を出すのに必死で加減が判らなかった。


 足元から6畳部屋いっぱいくらいの楕円形の焼け焦げができた。
 わー、ごめんなさい。無駄に焦がしてしまいました。
 幸いそれ以上燃え広がることなく火は消えた。青くさい草原の香りに燻ぶる匂いがまじる。


 メニューを立ち上げてみる。

― 神崎 美鈴 ―
 HP(生命力):586/586
 MP(精神力):708/728

 種族:ヒューマン
 年齢:22
 職種:魔術師
 属性:【火】
 スキル:
 称号:『異世界の旅人』
 状態:



 いろいろ変わっている。まずMP。さっきの火炎放射はMP20消費したみたい。
 それから職種が魔術師になっている。魔法を使ったからかな?

 属性は【火】。使える呪文の属性が表示されるんだろう。


 うん。
 これで魔法が使えるようになった。


 さっきの『メラ』で20でしょう?
 もっと小さい炎なら消費量もさがるよね。

 残りMP708ならそうそう無くならない、と思いたい。
 ドラ○エならゲーム終盤あたりのMP量だもんね。


 なんとか最寄りの町までたどりつきたい。
 せめて安全な場所を確保できるまで、どれくらいかかるんだろう。
 MPがなくなれば私は紙装甲。出来るだけ温存しつつ効果的に使わなきゃ。

7/16 書式修正。文章若干修正。




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