魔法だ。魔法。
魔法が使えないことにはこの先なんにもならないから。
周囲の安全をもう一度確かめてから、魔法を使ってみる。
右手を前にだして手をかざし、ドラ○エ初期魔法を唱えてみる。
「メラ」
……しーーーん。
くっ。これは恥ずかしい。
まじか。22歳にもなってひとりで『メラ』とか唱えている女。
いやあ小さい頃に部屋で隠れて『かめはめ波!』ってやっている姿をお兄ちゃんに見られた時以来の衝撃だ。
メニューを立ち上げてみる。
― 神崎 美鈴 ―
HP(生命力):586/586
MP(精神力):728/728
種族:ヒューマン
年齢:22
職種:
属性:
スキル:
称号:『異世界の旅人』
状態:
MPに変更はない。
いまの『メラ』はノーカウントか。
魔法が使えないのか、『メラ』という呪文がだめなのか。
おそらくだけど、私の気合いが足らなかったんじゃないかな。
だってぶっちゃけこっぱずかしかったもん。
小声で何も考えず言っただけ。
呪文をいうだけじゃだめなんだろう。
ふーっ。はぁぁ。
深呼吸をして少し心を落ち着ける。
まず魔力を出すことを考えよう。
ヨガの時の呼吸法と同じ。
身体の「気」を巡らせるのと同じ要領で魔力の流れをイメージしてみる。
熱が身体から掌に集まってきてそれを外に放出する。
その魔力をつかって作りたいもの。炎。
頭の中で『メラ』のイメージを思い浮かべてみる。
炎のイメージ。燃えあがる火。
頭の中の炎のイメージが消えないようにもう一度手をかざし、
『メラ』
身体のなかを熱い波がめぐって右手にあつまり、一挙に放たれた。
ブォワッ!
びっくりするほど大きな火が火炎放射みたいに飛び出した。
あっというまに草が燃える。
やりすぎた!
魔力を出すのに必死で加減が判らなかった。
足元から6畳部屋いっぱいくらいの楕円形の焼け焦げができた。
わー、ごめんなさい。無駄に焦がしてしまいました。
幸いそれ以上燃え広がることなく火は消えた。青くさい草原の香りに燻ぶる匂いがまじる。
メニューを立ち上げてみる。
― 神崎 美鈴 ―
HP(生命力):586/586
MP(精神力):708/728
種族:ヒューマン
年齢:22
職種:魔術師
属性:【火】
スキル:
称号:『異世界の旅人』
状態:
いろいろ変わっている。まずMP。さっきの火炎放射はMP20消費したみたい。
それから職種が魔術師になっている。魔法を使ったからかな?
属性は【火】。使える呪文の属性が表示されるんだろう。
うん。
これで魔法が使えるようになった。
さっきの『メラ』で20でしょう?
もっと小さい炎なら消費量もさがるよね。
残りMP708ならそうそう無くならない、と思いたい。
ドラ○エならゲーム終盤あたりのMP量だもんね。
なんとか最寄りの町までたどりつきたい。
せめて安全な場所を確保できるまで、どれくらいかかるんだろう。
MPがなくなれば私は紙装甲。出来るだけ温存しつつ効果的に使わなきゃ。
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