阪神−巨人 マートン(左)と抱き合う初完封で巨人の連勝を止めた能見=甲子園球場で(市川和宏撮影)
|
 |
◇阪神2−0巨人
阪神は能見が12球団一番乗りで完封勝ちし、巨人の開幕からの連勝を7で止めた。鋭い直球を軸に5安打、10奪三振の無四球。6回2死からマートン、福留の連続適時打で挙げた2点を守った。巨人は宮国の好投を生かせなかった。
◇
ラストは阿部を二ゴロ併殺に斬ってスコアボードにゼロを9つキレイに並べると、阪神・能見が巨人の開幕連勝を7で止めた左腕で、何度も力強いガッツポーズをつくった。
「多分、いろんなデータがあるので向こうに。裏をかいた? 裏になっているかどうかは分からないですけど」。得意のフォークを減らし、直球をベースにスライダーを駆使して押した。初回先頭打者の長野、2回先頭の阿部をそれぞれ見逃し三振。昨年と違う組み立てで、巨人打線に狙いを絞らせず10個の三振の山を築いた。
「もう、最初から全力でいきました」。相手に先制を許さない強い気持ちと、配球の工夫が今季12球団完封一番乗りという最高の結果を生んだ。
お立ち台は、6回に先制打を放ったマートンとツーショットで登場。昨年6月、能見の先発試合で失点につながる緩慢な守備を見せたイラ立ちから試合後に「アイ・ドント・ライク・ノウミサン(私は能見さんが好きじゃない)」と問題発言をした過去があるマートンが「ノウミサン、アイシテイル」と叫んで“和解”の抱擁をしてきた。能見は「ちょっと照れくさいですけど」と笑い、虎党をさらに沸かせた。
巨人戦通算15勝目(7敗)。次回は東京ドームに舞台を移した16日の巨人戦に先発する。「これからが大事」と気を引き締める左腕。Gキラーの本領発揮で虎が殊勲の1勝を挙げた。 (中谷秀樹)
この記事を印刷する